フローレンス西村さんをご存知でしょうか?
1929年アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた彼女は、恵泉女学園で園芸を学び、20歳の時に岩倉具憲と結婚し、3人の子宝に恵まれます。 彼女の旦那様-岩倉具憲という人は、岩倉具視 ( 500円札の人 ) のお孫さんで、パシフィックパーク茅ケ崎のオーナーだった人。パシフィックホテルは、それはそれはモダンなホテルでねえ。
サザンの歌にもあるでしょう?
ボウリング場やビリヤード場なんかもあって、すご~くカッコいいホテルでした。
ワタシも若い頃、泊ったことがあったなあ。
ところがそのホテルの経営か悪化して岩倉さんの会社は倒産してしまうのね。
実際の経営は岩倉具憲さんがやっていたんだけど、共同オーナーとして名を連ねていたのが彼の妹 (小桜葉子-女優 )の夫である上原謙と、彼の甥にあたる加山雄三。
当時 加山雄三は「ホテルが大変だっていうのに結婚なんかしちゃって」と、随分マスコミに叩かれてたけど、結局10年かかって負債を返済したのは彼なんだから凄いよね。
…ゴシップみたいになって、脱線しちゃったけど。
その後、離婚をされたフローレンスさんは、モデル、コーディネイターなど、
多方面にわたって活躍します。みんなが彼女の美貌とセンスをほっておかなかったんだね。
始めて彼女を見たのは、ミセスのモデルさんとしてでした。
ベリーショートのヘアスタイルが凄く個性的で、 知性的な存在感で、ひときわ目立ってて只者ではないという印象だった。そうこうする内にNHKで、 三浦のお宅を紹介する番組 があって、家のファンにもなっちゃった。
フローさんの家で、特に好きなところは暖炉と外の食器棚。
番組では、夏でも暖炉の火は絶やさないとか、
紙類はすべてこの暖炉で燃やすからゴミが出ないという話をされてたっけ。
外の食器棚っていうのはね、こういうの。
ホームパーティーをよく開かれるフローさんの会心の作。 外壁を開くと、じゃ~ん。
壁が天板になって、コップやお皿が出せるようになってるの。
外から食器が出し入れできるなんて、凄いアイデアだよね。
彼女の暮らしぶりは多くのメディアでも取り上げられ、
田舎暮らしとか、テーブルコーディネートとか、色んな分野でファンが増えました。
もちろんワタシもその1人なんだけど。
三浦の海が臨めるこの家は、かつて外人さんの別荘だったものを買い取って、
少しずつ直していったそうです。
「こだわりは曲げられない、だから大工さんと よくケンカした」と言ってらした。
フローさんの家は、海抜35mのなだらかな松林の中にある。
三浦口から彼女の家までは、
キャベツ畑を通って行く。
お呼ばれした人は、
「キャベツ畑からフローライフの
序章が始まる」
と思うんだって。
彼女が手入れしたのは家だけじゃない。
家から海に降りる小径や、煉瓦敷きのデッキも時間をかけて作り上げていった。
こんなデッキで海を見ながら読書なんて最高だろうな。
フローレンス西村さんは、2004年不慮の事故により亡くなられました。
しかし、悲しい知らせは公表されませんでした。
しばらくの間、フローさんの娘-岩倉瑞江さんが自身が経営するスポーティフのサイトに フローさんのページがアップされてたけど、今はそれも無くなりました。
彼女が愛した家も老朽化の為取り壊され、今は無いと聞きました。
でも彼女の笑顔と、彼女の愛したあの家は、多くのファンの記憶の中に生き続けることでしょう。
もちろんワタシの心の中にも。。。