婦人グラフ という大正~昭和にかけて発行されていた雑誌の切り抜きとして、
里見弴さんとご家族の写真を入手。
購入した古書店から「送付が遅れましてスミマセン」ということで、オマケの切抜きが1頁添付されていた。
白黒写真に再度カラー仕上げにした物なのだそうな。
文章は右横書き。
何とも読みにくいが、非常に愉快なので紹介します。
雑誌に載られた程だし、発行後50年を優に経過しているので問題はないでしょうから。
「社交界の花 新進外交官 岸偉一氏夫人」
極東オリンピック総裁 岸清一氏の令息 偉一氏夫人春江様でございます。夫人は滿鐵支店 梶原仲治氏の令嬢で、梶原氏は會てロンドン支店長として永らく英國に滞在せられてゐたので、春江様も小学校を英國で卒へられましたから英語が非常に巧みでいらつしやいます、女學校は聖心女學院を出られました、御主人様は外交官試驗にパスせられた計りの新進でゐらつしやいますから外國へいらつしやいましたら、奥様もさぞ社交界で花々しく活動遊ばすで御座いませう。
岸偉一さんとか、梶原仲治さんとか、さぞ有名な人なんだろうと思って調べてみた。
なんと。。。
岸偉一さんのお父さん、岸清一さんは、日本の体育・スポーツ界発展のため尽力し、“近代スポーツの父”として慕われたっていう、あの渋谷にある「岸記念体育館」の岸さんでした。
それからなんと。。。
梶原仲治さんは、「塀の中の懲りない面々」でお馴染みの作家 ( 元暴力団員 ) 阿部譲二さんのおじいちゃんでした。
阿部譲二さんとこの写真の春江さんは甥-叔母の関係。
つまり、春江さん ( 長女 ) の妹-玉枝さんの息子が阿部譲二さんてわけ。
写真の令嬢と阿部譲二さんにどこか似た面影はないかと、ためつながめつ見てみたが、わからん。
しかし大正時代の雑誌というのも興味深い。
切抜き1ページじゃなく、本紙一冊、入手してみたいものだと思ったら、とんでもないことでした。
国際情報社刊「婦人グラフ」の表紙は、大変高値で取引されていたんです。
何故かって? 表紙、竹久夢二が描いているから。
婦人グラフ 第1巻7号
国際情報社、大正13年(1924)、1冊
竹久夢二木版挿絵「秋のしらべ」(表紙/極少シミ)「麻利耶観音」「寝椅子」 カット1枚 背少切レ 32.5×24.5cm
山田書店120,000円