久し振りに、映画館に行きました。
前に行ったのは、2011年11月「リアル・スティール」だった。
その前は、確か2002年に「シカゴ」。。。
なんでそんなにご無沙汰なのかと自分でも吃驚するわ。映画は好きなのにって。
今日映画は公開されれば、すぐレンタルビデオになるからかも知れません。
映画館の大画面で見た方が楽しそうな映画じゃなければ、家での鑑賞がお手軽だもんね。
今回のグレース・オブ・モナコは、リアルタイムで、モナコの風景を大画面で見たかったから。
ここが新宿ピカデリーか。
「ひえ~11階建てのビルなんだ。」(笑)ほとんどおのぼりさん状態。
しばらく来ない内に、凄いことになってんのね。
新宿ピカデリーは、3階にチケット窓口と、待ち合わせのロビーに、
ドリンク+フードのカウンターがまとめてあって。
映画は、大きさの違う10の映画館、いや映写室で見る形。
アハハ映写室って古いか、ここではスクリーン*1とか、スクリーン*10とか言うらしい。
映画館のイメージ塗り変えられる。
館内撮影禁止って書いてあるけど、それって建物全体がNGっていうこと?
それとも劇場内ってこと? わかんないけど。。。
ロビーで、シルベスター・スタローン葉巻吸ってたので、撮っちゃいました。
さてさて。映画の話。
「グレース・オブ・モナコ~公妃の切り札」は、
人気絶頂でハリウッドを去り、モナコ公妃になった伝説の女優グレース・ケリーのお話。
グレース・ケリーをニコール・キッドマンが演じます。
26歳の若さで引退を発表し、モナコのプリンスとの “ 世紀の結婚 ” から6年目。グレースは、いまだにモナコ宮殿のしきたりに馴染めずにいた。夫のレーニエ大公からは、社交の場で意見をすることを咎められ、公用語のフランス語も流暢には話せずにストレスはたまる。そんなある日、ヒッチコック監督から映画出演の誘いが舞い込む。心動かされるグレースだったが、折悪しくモナコはフランスによって国家最大の危機に直面していた。愛する家族を守るため、そして宮殿で見失っていた自分を取り戻すため、グレースは自分にしかできない秘策を考え出すのだった。
グレース・ケリーとニコール・キッドマンって、タイプが似てるよね。
顔形じゃなく品のあるところが。そういう女優さんていないから。
物語の序盤、パーティーでのシーン。
グレースが、フランス官僚の嫌な奴に意見を言います。
なるほど。その場面で、彼女が置かれている立場がよく解る。
大公「ここはアメリカじゃない。思ったままを口にするな!」
公妃「なぜなの?」
大公「彼はフランス財務省の…」
公妃「あんな偉そうな男!」
大公「ヨーロッパでもっとも影響力のあるド・ゴールの側近なんだぞ! モナコの近代化に必要な男だ」
公妃「私にどう言ってもらいたかったの?」
大公「黙っていてくれ! 君の発言はいつも混乱を招く」
モナコでただ一人、グレースが信頼を寄せて慕うのが、宮廷司祭 タッカー神父 ( フランク・ランジェラ )。
彼はグレースのみならず、レーニエ大公にとっても良き相談役。
大公「…グレースはどうしている?」
神父「ご自身で確かめられては?」
大公「どう話せばいいか分からない。最悪の気分だ」
神父「まず謝ることから始めたらいかがです?」
大公「馬鹿げた出演騒動のせいで気まずいことに…」
神父「お願いですから彼女と話してください。
大公殿下は怒ってばかりです」
大公「何と言葉をかければいい? どうも苦手なんだ。
妻なのに…。あのとき、君は大公妃にふさわしいと…」
神父「彼女は人生を投げ打ってきたのですよ」
大公「どっちの味方だ?」
神父「敵も味方もありません」
もう一人、イギリス人の俳優で、王宮ものや貴族をやらせたらピカイチのデレク・ジャコビ。
彼はグレースの教育係に乗り出すデリエール伯爵を演じます。
伯爵「これは驚いた。粗末な我が家に大公妃がご来臨とは… 」
公妃「この国の習慣 歴史、外交儀礼を知りたいのです。すべてを…」
伯爵「ご存知ないのですか?」
公妃「結婚したとき、誰も教えてくれなくて…。
あまりにも短期間に決まった結婚でしたので。知るだけじゃ
なく、身につけたいのです。神父様が、伯爵なら力になって
くださるとおっしゃいました。」
伯爵は口元を緩めた。
伯爵「モナコはヨーロッパ最古の王室です。
ここに巣食う打算と闘うのも大公妃の務めです。」
公妃「誰を信用すべきですか?」
伯爵「分かりません」
「あなたは『真昼の決闘』では氷の塊のような女性を演じた。
映画のときと同じように、公妃の役を演じればいい」
公妃「私の映画をご覧になったのですか?」
伯爵「私はあなたの大ファンですよ」
彼らの力を借りてグレースは奮闘します。
フランス語の発音も一から習い、モナコ国民とのふれあう為、市場に手伝いに出かけたり、
封鎖されたフランスとの国境の兵士たちの慰問に行ったりする。
そして、世界を動かした一世一代の秘策。
彼女が愛する家族、愛する国家の為に自分にしかできない大役をはたす時がやってくる。
モナコの美しさ、そしてニコール・キッドマンの美しさに感動しました。
でも、こういう作品は主役だけじゃ駄目なんだよね。舞台が宮廷ともなればなおさら、品格のある名優が脇を固めないと、とたんに陳腐になってしまう。だからデレク・ジャコビやフランク・ランジェラの抜擢は素晴らしいと思います。
ひとつ残念なのは、最後のスピーチにニコールの力不足が否めなかったこと。
イブ・モンタンは「レストランのメニューを読むだけで、
ワタシが見た映画でも、 映画「ヘンリー五世」 で、ケネス・ブラナーが、自軍の人々を鼓舞し、励ます演説は感動ものだった。 「エリザベス・ゴールデンエイジ」 でのケイト・ブランシェット ( エリザベス1世 ) の演説も凄かったなあ。この2作品は戦場のシーンだから、スピーチとテンションは違います。
だけどグレースのスピーチは、列席する人々を見方につけなくちゃいけない大切なアプローチ、魅了するという意味では一緒でしょう?
その場にいる人と共に、映画を観ている人も高揚されてくれるようでなくちゃ。
ひとつにはニコール・キッドマンの綺麗すぎる声と、声量と表現力不足にあるかも知れません。ちょっと荷が重かったかな。スピーチが終わり、皆がシーンとする場面の、シーンとする意味が違って感じてしまったのは痛い。
それを支えたのが演出。
檀上に向かうグレースに、深い溜息ひとつと、心臓音 ( 効果音 ) がかぶせてあって、なかなかニクかった。
映画の中で、何回かグレースが「私のおとぎ話」という言葉を使います。
グレースは、自分のように王室へ嫁ぐことを夢見る女性が多いことも知っていて、
彼女自身、夢は強く願えば実現できると信じて生きてきました。
しかしロイヤルウエディングの果てに、彼女が本当に望んだことは、自分の居場所を見つけることだった。
自分の居場所を作ることは、誰にとっても難しいことだけど、
それが見つかった時の幸福感は何にも勝るものなんだろうなあ。
そんなことを考えながら、映画館をあとにしました。