Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

古今亭 志ん朝 を楽しむ

 

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「正月だから、志ん朝 見ようぜ」

ナイスアイデア!

テレビのお正月番組にも飽きて、やることもなし。

こういう時でなけりゃ なかなか見られないもの。

 

写真は、我が家の家宝『古今亭 志ん朝 全集』上下 DVD 16枚組

5年前、発売されると同時に即決購入したものです。

それからというもの、一席ずつ大事に大事に楽しんできたけれど、44席の内、まだ半分も見ていません。

「一気見なんてもったいない」っていうか、不可能です。

 

時間があるなしの問題じゃない。

一席一席に込められた志ん朝さんの魂は、ジャケット写真でも分る通り、生半可なものではない。

それをキチンと感受したいと思えば思うほど、時間を要するのですこの全集を見るのには。

自然と、二人の体調と精神状態が良好な時で、ゆっくり余韻が楽しめる時に観るようになりました。


志ん朝さんが亡くなられて、もう12年か

落語のことを、そんなに知らなくても、志ん朝さんのことはご存知でしょう。

「中身もいいけど、器もいいねえ」という錦松梅のCM流行ったもの。

えっ? 知らない?

名落語家と言われる 志ん生さんの次男で、姪っ子は池波志乃で、、、、って

 

・・・・反応なしかい?

立川談志、圓楽、柳朝と共に『江戸落語四天王』と呼ばれたほどの名落語家ですよ。

もう本当にぃ。← と自然と志ん朝口調になっちゃう

 


そんなワケで、今日は上巻8枚目の『反魂香』『口入屋』『井戸の茶碗』を堪能しました。

【反魂香-はんごうこう】

長屋の八っつぁんが、長屋隣りの道哲がうるさいと文句を言いに行ったところ、「反魂香」という香を炊きしめて、亡くなった恋人の魂を呼び出していたと聞く。道哲というその老人は昔、吉原・三浦屋の高尾太夫と恋仲だった島田十三郎というお侍だった。恋人の高尾太夫は、仙台の殿様になびかなかった咎で、手打にされてしまう。
八っつぁんにせがまれて、実際に香を炊く道哲の前には、まごうことなき高尾太夫が現れる。それを見た八っつぁんは、自分も亡き恋女房と会いたくなり、練香を求め薬屋の木戸を叩く。ところが「反魂香」と「反魂丹」とを間違えて似ても似付かぬ丸薬を買ってしまう。長屋の自室で、ボウボウと炊いた丸薬の煙にむなしくむせぶばかりの八っつぁんであった。



【口入屋-くちいれや】

口入屋とは、今でいう職業紹介状で「口」は奉公口、仕事口を指している。
ある大店の小僧が、女将さんに言いつけられて、口入屋に向う。女将さんから、器量の悪い女中を連れてくるように言われるのだが、番頭から駄賃を握らされた小僧は、美人を連れて戻ってくる。番頭を始め、店の男衆が色めきたつ。女将が器量の悪い女と言ったのには、奉公人同士に間違いがあってはいけないという理由があったのだ。
番頭は、自らの地位を利用して、女中の閨へ忍び込む算段をするが、同じことを考えた二番番頭と鉢合わせてしまう。



【井戸の茶碗】

正直者と評判の屑屋の清兵衛が、年老いて貧乏な素浪人から仏像を買って欲しいと頼まれる。「自分は価値がわからないから、売れた分を折半という方法で良いなら」ということで仏像を預ることにする。清兵衛が屑と一緒に仏像を持ち歩いていると、細川藩の武士の目にとまる。言い値に多少の色をつけて購入した武士だったが、洗った仏像の中から小判が出てくる。「仏像は買ったが、小判を買った覚えはない」という武士は、清兵衛に元の持ち主に小判を返すように命ずる。ところが元の元主である素浪人もまた正直者で、「一度売ったのだから、小判も先方のもの、受取れん」と固辞するばかり。両者の押し問答に辟易するが清兵衛は、ある妥協案を打ち出す。素浪人に「ワタシが1両、貴方と先様で2両ずつ折半して手打ちにしてください。どうしてもタダで受取れないというなら、なんでもいいから身の回りにあるもの一つ相手に渡すということにしたらどうでしょう」。
それならと素浪人から手渡された茶碗を武士に渡して一件落着するはず…だった。
ところがその茶碗、今度は細川の殿様の目に留まり、またも大金を生み出してしまう。その大金を巡り、またも武士と素浪人の「受取れん」の押し問答に奔走する清兵衛である。

と、備忘録。

こうやって思い出して筋書きしていると、あらためて感動します。

「○○って、言っちゃうン」ていう志ん朝さんの、くすぐったいような茶目っ気たっぷりの口跡が、またも甦ってきます。