茅場町から霊岸橋を渡り、新川一丁目の交差点を左に折れたところに、その店はある。
何度か車で通り、ずっと気になっていた店だった。
仕事が佳境にはいり「ちと みなさんお疲れモードか」と思い、甘いものを差入れしようと来店した。
以前来た時は、戸口にシャッターの支柱が立ててあり閉店直前だったが、今日は滑り込みセーフ。
のれんをくぐると、いきなりご内儀に、
「いちご大福、もうなくなってしまいました」と詫びられた。
いいんです、いちご大福は、
まさか《いちご大福 邪道派》だとは口が裂けても言えない。
さて何にしよう。
差し入れに「をぐら大島」という、伊豆大島の黒糖を練り込んだ皮で餡を包んだ蒸しまんじゅうを買い、
自宅用には、をぐら大島、桜もち、きみしぐれを買った。
田川堂の和菓子は、飾りっけ 一切なし。
きみしぐれ好きなので、和菓子屋さんでは必ず買ってしまうのだが、ここのは笑える。
店によっては表面がホロッと割れていたり、凝ってる店だと中生地がピンクだったりするが、ここのはツルン ww
無駄なことは一切しないところに、潔さを感じる。
年輩のご主人は会計が終わると、ささっと暖簾をおして居間へと入っていった。
「感じ悪い」と言うのでなく、サッパリしていて気持ちが良い。
田川堂の餡子は、普通より黒い。
餡にも黒糖を混ぜ込んでいるのか知らん。
丁寧に練るとこうなるのか餡が黒光りしいて、なめらかでとても美味しかった。
桜もちも良い香り、桜の葉の塩加減と餡子の甘さのバランスがいい。
昔ながらの和菓子を堪能できて、ホッとする一日でした。
ごちそうさま。