garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

「ナオミ と カナコ」 著:奥田英朗

 

f:id:garadanikki:20150223135123j:plain題 名 : ナオミ と カナコ
著 者 : 奥田英朗
初版本 : 幻冬舎
発 行 : 2014年11月10日
読了日 : 2015年02月23日 

 

カナコ と ナオミを読了。ひさしぶりの新刊。

MOURI もワタシも本好きだけれど、各々趣味があって。

2人の趣味の共通項にある作家は、奥田英朗、沢木耕太郎、永倉万治、池井戸潤といったところ。。

MOURI がこの本を読んでいる時に何回は「うう~ おっかね~」と言っていたっけ。

なるほど、わかるわかる。

この本の感想「おっかね~」で決まり。

 

望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。夫の暴力に耐える専業主婦の加奈子。

親友の加奈子が夫からDVを受けていることを知った直美はいう。

「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」

直美の父親も母親に暴力をふるう人間だったから、DVはトラウマだったのだ。

直美だって最初から「殺す」なんて言ってるわけじゃなく、「別れな」と言っていた。

加奈子は「もうやらないって反省してるから」と言う。

DVを受けた女性がよく言うセリフみたいね、それって。

 

暴力をふるう男が治るわけない。

しだいにエスカレートする夫に、加奈子ももう駄目かなと思うようになる。

それでもなかなか決心できない加奈子に直美が望みは何と聞く。加奈子はいう。

「ちゃんと眠れて、おいしい水が飲めればいい」

・・・なんて、重い話なんだろう。

 

 

DV男の殺害を決心するキッカケになったのは、中国人の女性経営者 朱美の言葉だったんだと思う。

中国人の朱美の言葉が直美の心を激しく揺さぶる。。。

朱美「日本の女の人、みんなやさし過ぎるのことですね。上海の女の人はみんな気が強いです。

   我慢して結婚生活を続けるなんてことは絶対にありえません。」

直美「もしも、旦那さんが奥さんに暴力をふるう人だったら、上海ではどうなりますか?」

朱美「仕返しされます。まず無事では済みません」

直美「奥さんが仕返しするんですか?」

朱美「自分で出来なければ、親兄弟が代わりに仕返しします。

   たとえば、もしわたしが旦那さんに暴力を振るわれて、自分の力では対抗できなかったら、

   いちばん上の兄がカナダから駆けつけて、やっつけるのことですね」

直美「わざわざカナダから?」

朱美「当たり前のことです。こういうときに助けなくて、とうして家族ですか。

   家族がいなければ近くの友だちが助けます。それが友情です。ちがいますか」

(中略)

打ち明けついでに、仲のいい友人が暴力被害を受けていて、悩んでいることを話した。

このとき朱美が表情を険しくし「殺しなさい」と言い放った。

『ナオミ と カナコ』 p.100より

やがて、直美も加奈子も、DV夫殺しを真剣に考えるようになる。

しかし彼女らは「殺す」という言葉は避けたくて、「排除」と言い換えるようになり、

更には、夫殺しをクリアランス計画と呼ぶようになる。

 

直美と加奈子は、DV夫を殺害後、山中に埋めることを企てる。

でもって。

埋める場所のロケハンをして、あらかじめ土を掘っておこうということで、

2人で出かけるシーンが。。。マックスのおっかなさなのである。

加奈子なんか、おにぎり作っちゃって。。。まるでピクニック

2人で芝生に座っておにぎりと唐揚げとポテトサラダを食べて。。

「空気が澄んでるね。遠足みたい」なんぞと言い、

「いい場所、見つかるといいね」ときた。

いい場所というのは、殺害した男を埋める場所のことなんですよ。

 

これを「おっかねぇ~」といわずになんという?

 

奥田英朗、常々力のある作家だと思っているが、

今回も先生の筆は、おっかねぇほどに冴えわたっています。

f:id:garadanikki:20150223135125j:plain

日頃、シミやヤケのある旧仮名のボロボロ古書ばかりだから。

新刊て、すごく 綺麗に思う。