西郷山公園。
ここは花見の名所です。
まだ桜は蕾だけれど、そろそろ枝垂桜が咲き出して。
お弁当を広げて子供を遊ばせているお母さんたちのグループがあちらこちら。
西郷山公園には入口が4ヵ所あって、一番便利なのは旧山手通り側からの入口。
そのまま大広場に出られるし、展望台へも近いんだけれど。。。
いち押しは、坂下の入口。
住宅地からの入口で階段を登る入るコースが好きな理由は、鎌倉 尾根歩きが好きなのと同じだからです。
苦労した先に幸せがある。
ゼーハーゼーハー登った頂上で見る景色は、
ポイント高いでしょ?
西郷山公園は、元気なウチは坂下から入ると決めました。
振り返るとこんな感じ。
坂道や階段を見ると『だらだら坂』という短編小説を思い出します。向田邦子さんの『思い出トランプ』に収められている話で、NHKでドラマ化した時は、樫山文枝江さんが演じてました。
ある男が愛人を囲うんですが、その愛人は美人でもなく、気が効くわけでもありませんでした。
何故そんな女を愛人にしたかというと、『女が気が効かない代わりに、先をくぐって気を回すこともしないから、気が休まる』というわけ。
しかし愛人の容子が変わってしまいます。一重まぶたを二重に整形し、美しくなっていく彼女を見て、男の愛着は日増しに薄れていく。
愛人宅は坂の中途にあって、いつも男は坂下でタクシーを降り、だらだら坂を登っていくことを楽しみにしていたんです。ところが ( 綺麗になった愛人が ) 疎ましくなってくると、男は坂の上に車をつけ、降りるようになっていくという話。ふ ふ ふかい。
楽しみがあるからこそ 《坂を登る行為》が面白いのだと、子供ながら妙に印象に残ったお話でした。
こぶし?
こんな大木、初めてみました。
『ユズリハ』って書いてある。
ユズリハ… いい響き。
春になり、若葉が出てると、前年の葉が場所を譲るように落葉するんだって。
その様子を親子に見立て、代々家が続くようにと正月の縁起物とされているとの由。
枝垂桜は、普通の桜より早い。満開。
今度は階段の上から見降ろす。
同じ木でも下からと上からだと違っておもろ。
木々の向こうに薄っすら見えるのは中目黒の街並み。
西郷山公園があるこの土地は、明治の初め、西郷隆盛の弟-従道さんが、郷里鹿児島に帰った兄の再起を願って購入したもの。従道は、ここに兄を迎えようとしたけれど、西南戦争に破れた隆盛は鹿児島で自刃してしまう。
洋館と和館、美しい庭園を設えた邸宅は、明治天皇も行幸された。当時の洋館は、 明治村(愛知県犬山市) に移築された。現在の公園は、かつての邸宅跡の一部なんだそうです。
↓洋館のベランダに、人がいる。ほら、2階の左の方
坂下の入口からの階段を登りきると、遊歩道がある。
フェンスの右側が、急斜面になっているから、遊歩道から見降ろす景気は最高。
自然の高低差をうまく生かした造りは素晴らしく、特にここから見る夕陽はなかなかのものらしい。
もう一度、地図を。
中央の展望台と書いてある遊歩道を境に、
右上半分と左下半分では、
高低差がはんぱないのです。
そうなると、あたりの地形を調べてみたくなるわけで、
渋谷と目黒川あたりの地形図を探してみました。
私の住んでる地域が、どこに行くにも坂を昇ったり降ったりです。
この地図を見ると、自転車で閉口する理由がわかりました。
下図の等高線から見ても、
↓ かなり急斜面であることがわかる。
目黒川を見下ろす位置にある西郷山公園。
その稜線には高級住宅地が広がっているのも、鉢山町、南平台、青葉台に代官山といった地名が示す通り、高台だから人気なのでしょう。
徘徊はさらに続きます。。。
ついでのお話
西郷山公園は東京ラブストーリーのタイトルロールのロケ地にもなっていた場所でした。