北陸旅行一夜目。 これは富山駅の壁画です。
そうか、富山といえば「風の盆」だった。
今日が26日で、あと5日あとだったら風の盆のおわらが観られたのね。
・・・なんて、その時期だったら宿も取れようはずもない。
街には風の盆のポスターやのれんが沢山かかっている。
まあね仕方なし。。。というか今回の目的は旨い肴と酒でした。
「さあ飲むぞ、よし食うぞ」と繰り出した二人連れ。
松本からの移動中、スマホでリサーチした店に向かいます。
ここかぁ、大衆割烹「あら川」
うぉぉぉ、メニューも豊富。
まだ予約した時間の10分前だから、一回りしてみますか。
路地に入ると、なんともレトロなビルディング
3階は住いなのかしら。。。
時間が来たので、入店。
「いらっしゃいませ」
のれんをくぐると右手にカウンター、左手に座敷があります。
まだカウンターに2人だけ、あとは全席テーブルに予約のプレートです。
「予約した〇〇です」
「〇〇さま・・・???」
まさかのダブルブッキングか? おいおい。いい感じでいい年齢の板前さんが二人、
「もしかして、支店の方をご予約されたのでは。。。」
「たぶん、そうだと思います。今日はもう他のお客様の予約で一杯で。。。」
しょっくーーーー
あら川は、本店「あら川」と支店「米清あら川」の2店あるそうで、メニューもほぼ同じなのだそうです。
来た早々、表に貼ってあったメニューを眺め、「これ食べたいね」「これも食おう」なんぞと胸ふくらませていたものだから。板前さんの「ほぼ」という言葉を聞いて、ちょっと落ち込みます。
「・・・そういえば、スマホで見た時、あら川の前に漢字二文字ついてたかも」
逃がした魚は大きい系だけど、仕方ない。支店だという「米清あら川」に向かいます。
米清としか書いてない。何だかスナックみたいで雰囲気がまるで違う。
カランコロンとなりそうなドアを開けると、今度は和服のうら若き女子がお出迎え。
本店は男子で、こちらは女子なのか。。。
一抹の不安を抱えながら店に入ると、間口の割に置くまで続いています。
手前に、へんてこりんに仕切られた個室、奥にカウンター。
「どちらにしましょう」
折角、来たんだもの。お店の人と話もしたいし迷わずカウンターをお願いする。
メニューをパラパラ この辺は焼酎とノンアルコールね
生ビールは米清オリジナルとのこと
MOURI はジョッキ、ワタシはグラスをお願いします。
乾杯~ グビグビグビ おいっし~
品川庄司の「みきてぃ~」くらい雄叫びたい。
甘くて爽やかで、でもキリッとしてて、こんな美味しいビールはなかなかない。
オリジナルでこの位、旨いビールを提供するほどだから、期待が膨らむ。
刺身盛
手前は真鯛。奥はフクラギといって、ぶりの三つ前。
ぶりは出世魚でしょう?
関東では、ワカシ・ワカナゴ → イナダ → ワラサ → ブリ なんてい風に言いますが、
本陸では、ツバエリ → コズクラ → フクラギ → アオブリ → ハナジロ → ブリ と
聞き慣れない名前で呼ばれます。ぷりっとしていて、まだねっとり感よりも、スッキリ感の方があるところは、イナダあたりの味でしょうか。
で。
これが、「白エビ」の刺身ですって。
うぉぉぉぉ~ 何て美味しいんだ。
甘エビより、弾力があって気品のある味がする。
甘いんだけど、甘エビの甘さとは全然違う。
これ一尾一尾剥くのって大変だろうなぁ。
やっぱり、これならお酒でしょう。
こちらも「米清」さんが酒蔵に頼んで作ったオリジナルのお酒
いや~キリッとしつつ、ふくよかで綺麗なお酒。
蔵元は、富美菊酒造
これに合うのは、、、ホタルイカの沖漬はどうよ
これがまた驚きですの
全然きじょっぱくなくて、苦味がない。
普通、ホタルイカって丸っこいけれど、米清さんちのはスレンダー。
もしかして中のワタ取ってあるのかしら。
それならこれはどうよ。岩かき
これまた、うまーいっ!!!!
よく牡蠣を表現するのにミルキーというけど、この時期のは肉厚でブルンとしていて水っぽさが無い。
本当のミルキーさっていうのは、無駄な水気のない濃縮したミネラルの味なんだと実感させられました。
「美味しいねぇ」と言ったら、後ろにいた和服の若い女子 ( 女将 ) が
「ワタシも食べた~い」
「こればかりは、盗み食いしたらバレちゃいますもん。お買い上げです」だって。
お店の女の子は2人とも若くて綺麗なんだけど、しっかり落ち着いていて、
店をうまく切り盛りしている感じがします。
「ワタシも食べた~い」とおっしゃった方は「女将みたいなの」という立場の人で、
本業は歌手らしい。
化粧室に「自称女将みたいなのが、新曲発売しました」というポップがありました。
さて、このお店の板さんは・・・
カウンターにはこんな感じの酒瓶が並べられていて、客と板さんは遮られています。
凄く恥ずかしがりやなんだろうと思う。
感じが悪いというのじゃないが、全然目を合わせないんだもの。
但し、彼の味付けは素晴らしい。
最後に頼んだ「豚肉の味噌焼き」
味噌漬けなのに、しょっぱくなくて、優しくて豚の甘さがよくわかって。
そしてそしてこの焼き方。
どうするとこんなに柔らかく焼けるのだろうと思うほど、素晴らしい出来栄えでした。
富山の米清あら川さん。
無口な板さんと、人をそらせない女性たちとのチームワークで、人気の居酒屋なんじゃないでしょうか。
北陸初日、第一件目。
素敵なお店に出会えて幸せ。
ああ、いい旅になりそうです。