Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

江戸東京たてもの園 Vol.6 三井八郎右衛門邸

 

ここまで見てきて思ったのですが、この江戸東京たてもの園は多岐にわたった建築物があります。

彦摩呂さん流にいえば「建築の宝石箱や~」ってところ。

ここいらで大御所の登場となります。

財閥も大財閥、三井の総領家 ( 北家 ) 三井八郎右衛門高公さんの自邸だというじゃありませんか。

「八郎右衛門」とはまた、凄いお名前だと思ったら、三井越後屋呉服店の三都店御用名前であり、

後に三井家の代表名前となった名前----要するに当主が継ぐ名前なんですと。

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高公さんは、三井家11代当主とのこと。

 

入口の扉も、もちろん特注ですね。

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だってほら、家紋入りですもの。

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電燈の飾りも、四つ目結びの家紋をデザインしてる。

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入ってすぐ、突き当りに、、、 

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大きな日本画。

この邸宅のご主人 ( 高公 ) のお父様、 第10代当主の高棟 さん作でした。

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f:id:garadanikki:20151125123734j:plain 高棟さん は、三井総領家 ( 北家 ) であると共に、「八郎右衛門」としては第15代にあたる人なんですって。

三井のHPによると明治から昭和にかけて、日本の近代化への歩みとともに三井家の制度改革を数々成し、財閥体制を盤石にした。三井家にとって最も華やかな時代に当主だった人なんだそうです。

 

隠居後は神奈川県大磯にある北家の別荘、城山荘で絵を描いたり茶の湯をしたり悠々自適の生活をした文化人だったんですって。

メチャクチャ多趣味の方で、弓、書、絵画、能楽、建築、茶の湯、陶芸、築庭、印章、写真と多岐にわたり、なかでも建築に非常に関心をもっていたそうです。

 

 

三井邸は、回廊式になってます。

・・・なんか、目黒雅叙園に似てる 

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雅叙園の百段階段の、 

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丸い天井画

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そうそう、これは玄関にあった照明ですが、フランスのガラス工芸家、

ルネ・ラリックによるアール・デコの佳品。

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これは、2階に天井にドーンと存在感のあるシャンデリア。

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なんでも日本で一番古いものなんだそうです。

 

この櫛形の窓は、桂離宮の意匠への志向を表して作られたとか。

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すっごく、口の悪いことを言ってしまうけど、

このお屋敷の丁度は支離滅裂、統一感がない気がします。

家紋を使ったデザインもやたら多い。。。

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このツクバイも、何か意味があるのかな?

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波のような模様の石がある。

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その謎が、お蔵の写真で解けました。

このお屋敷は、元々あった今井町 ( 現・港区 ) の邸宅が戦災により焼失したため、

財閥解体を経た1952年に西麻布に新しく建てたものなんだそうですが、その建築部材は、三井家が所有していた京都油小路、神奈川大磯、世田谷用賀などの施設から集められたものだったんです。

 

お屋敷を一巡して印象に残っていたのは、公私の対比。

お客様が多かったんでしょうね、台所は、配膳室と調理室がホテルみたい。

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ドラマ で見た「天皇の料理番」を思い出してしまった。

 

一方、2階にあるご主人と奥様の寝室は、質素な感じ。 

 

ご主人                                         奥さま

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これは何と言う物なんでしょう。

奥さまの部屋に一段上がった部屋がありまして、

趣味や着替えに使われたお部屋だそうですが、その唐紙に刺繍がほどこしてあるんですが、、 

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何か寂しい色合い。

 

テレビで見た九州の炭鉱王・伊藤伝衛門の家を思い出してしまった。

「花子とアン」でも有名の柳原白蓮の嫁ぎ先のお屋敷です。

白蓮さんは、二階の自室で静かに過ごしていたという話でしたが、その部屋の雰囲気と似ている。

窓からは、こんな風に庭が見えるところが。。。 

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(笑)でも、三井の奥様は、可哀想な人ではなかったでしょうから、

ただ、お部屋の印象だけなんですけど。

 

もうひとつ、ひときわ目を引いたのが、二階にある仏間でした。

撮影不可なので写真はありませんが、

大きな仏壇の左側に、初代三井高利夫妻の画像がかかっていて、

歴代の当主の手による襖絵、剪さい ( 色糸や絹布などで作った細工物 ) 、

青磁の器などが飾られていて、祖先の霊を弔う造りになっているんです。

その仏間の広さというのも尋常ではない。

三井家ほどの代々続いた家柄だと、先祖のお弔いも大変なんだろうなぁと、

妙に気になった仏間でした。

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三井八郎右衛門邸。

色々と知ってから来ると、また面白いことに出会えそうな気がするお宅でした。

 

たてもの園、も少し続きます (^^♪