Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

雨の日文庫 『しじゅうから日記』  著:ビアンキ

 

雨の日文庫 (第一集 七) 『しじゅうから日記』を読みます。

雨の日でもないのに (;'∀') ←しばらくは雨の日文庫を読む度にこう言うかも w

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物語の主人公は、ジーニカというメスの しじゅうから です。

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親離れをしたばかりの何も知らない しじゅうから が色々なことを経験しながら大人になっていく話です。

章立ては1月から12月までの12で、ジーニカは1年を通して学んでいくというしくみ。

四季折々の動物たちの暮らしぶりがうかがえて、面白い作品でした。


本には、他にも色々な動物が登場しますが、ジーニカは特に物知り雀のじいさんに世話になります。

童話で《物知り爺さん》といえば《フクロウ》が多いですが、この本は《雀》でした。

他にも、木ネズミやウサギが出てきます。

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f:id:garadanikki:20151203095406j:plain熊や人間の女の子も登場します。


作者は動物学者で、登場する動物たちの生態は正しく描いているそうです。

動物同士が会話をするかは別として、

「狼とウサギが友だちになる」といったおとぎ話と違うところが、教育絵本においては重要なのかも知れません。


 しじゅうから は馴染みのない動物だったけれど、この本で「すばしっこい鳥」だと知りました。


本の中で、 しじゅうから は「ジン・ジン・チュ!」と鳴いたり、「ジン・ジン・タン!」と鳴いたりします。

春が来て、嬉しい時の鳴き声は「ジン・ジン・ナ!」でした。

女の子に熊がいるのを教える時は「ジン・ジン・ヴェン!」でした。

こういう鳴き声の使い分けが臨場感があって面白い。

そういえば、和名の “しじゅうから” も、鳴き声からきているようですね。

 


子供の頃から私は、涙を誘うような動物物が苦手でした。

動物が試練に合うような話は、映画でも本でも辛くて重い気持ちを引き摺ります。

でも、こういった自然を淡々と表現するような本なら好きです。

 

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話は変わりますが、

雨の日文庫って、結構大雑把ですの。

今回は、作者の表記が間違っていました。

雨の日文庫は「アンキ」と書いてあるんですが、「アンキ」と濁のが正しい名前。

ヴィタリー・ヴァレンチーノヴィチ・ビアンキ
(ロシア語:Виталий Валентинович Бианки )
(1894年2月11日 - 1959年6月10日)

 

この本読んで育った子は苦労するでしょう。

子供の頃の印象は深く刻まれますから、間違った音で覚えてしまったらなかなか抜けませんからね。

※ 因みに私は、ネットで「ピアンキ」がヒットせず困りました。



ビアンキさんの作品は、日本でも何冊も発行されているようです。

『しじゅうから日記』は創元社 世界少年少女文學全集47に収録されていて、翻訳者も同じ ( 袋一平 ) 。

理論社 (1981-10) から出ている本に「ビアンキ動物記〈7〉しじゅうからのカレンダー」というタイトルがありましたが恐らく同じ内容ではないかしら。

『しじゅうからカレンダー』は、イラストも翻訳者も違うので、また別の楽しみが得られそうです。

※ イラスト/牧野 四子吉 、 翻訳/松谷 さやか

比較的手に入りやすいようなので、また別の機会に。

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【ビアンキさんの作品】

あれ、「きつねとねずみ」がお友だち的な本もありました (;^ω^)

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