Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

KUNIYOSHI & KUNISADA

幕末の浮世絵両雄 ( ツートップ ) が渋谷で激突 ( マッチアップ )

と銘打って開催された、ボストン美術館所蔵の展覧会に行ってきました。

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うおっ混んでる。入場制限が。入るまで30分待ちだそうです。

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そうよね、予想はしてました。

テレビで宣伝番組やっていたんだもの。

私たちもそれを見て、来たいと思ったんだもの。

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ナビゲーターは、中村七之助さん。

番組では、

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ボストン美術館に行ってレポートをしてました。

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今回、Bunkamura ミュージアムで開催される「国芳 & 国貞」の浮世絵は、アメリカの地から里帰りしたもの。何だか複雑ね、日本の美術館が所蔵しているよりもはるかに多い、貴重な浮世絵をボストン美術館が所蔵しているんだもの。

 

日本で出展されのはボストン美術館史上初。

170件、約350枚なんだそうです。

 

テレビに映し出された浮世絵を見て、こんなに精密なものだと初めて知りました。

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浮世絵って、総合芸術なんですね。

もちろん素晴らしい絵師がいないとダメですが、彫師がいて、摺師がいないと成り立たない。

こんなに緻密な絵なんだもの、そりゃあ骨の折れる仕事ですよね。

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江戸時代の浮世絵師といえば、北斎や広重が有名ですよね。

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その同じ時代に才能をぶつけあった2人の浮世絵師がいます。

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初代豊国の弟子国貞と、12歳年下の弟弟子国芳です。

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ボストン美術館本美術課キュレーターのセーラ・E・トンプソンさんの話によると、

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今なら、国芳の方が注目されそうだが、当時は兄弟子の国貞の方が人気だったんですって。

 

国貞さんは、歌舞伎役者とかをバンバン書いていたからねぇ。

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歌舞伎役者の浮世絵は、つまりアイドルの写真のように皆が買うワケです。

 

一方の国芳さんは、出遅れてた。

ある日、柳橋を歩いていると下から舟遊びをしていた顔見知りの芸者に声をかけられる。

見ると遊び客は国貞だった。国芳は肩を落として帰ったとさ。

そんな国芳さんは猫が大好き。

Attention:::クリックすると絵、おっきくなります

 

歌川国芳

「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」
弘化2(1845)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.28900 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

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よく見てください。着物の柄の髑髏は、猫で書かれているんです。

 

 

それからこんな奇怪なデザイン。

歌川国芳

「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」
弘化元(1844)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.30468-70 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

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後世、これを模した映画が作られた。高畑勲監督『平成狸合戦ぽんぽこ』のがいこつは、国芳の代表作のがいこつをお借りしてたんですって。

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浮世絵にスペクタクルな世界を持ちこんだ天才。

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歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」

嘉永4, 5(1851, 52)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.26999-7001 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

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歌川国芳「初雪の戯遊」 

弘化4-嘉永5(1847-52)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.16077-9 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

幕府によって似顔絵が禁止されると、「むだ書き」称してこーんな絵を描く。

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歌川国芳 「荷宝蔵壁のむだ書」(黄腰壁)
弘化5 (1848) 年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.27004 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

f:id:garadanikki:20160323130056j:plain笑かしてくれます。
あっと言わしてくれます、髑髏 ( スカル ) と猫好きの国芳さん。

 

 

一方、国貞さんはオーソドックスな魅力で迫ります。

それでもこんな可愛いお顔を描いたり。。。

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歌川国貞「大当狂言ノ内 八百屋お七」五代目岩井半四郎

文化11, 12(1814, 15)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.15096 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

国貞さんの描く女の人の着物の柄やかんざしを皆、参考にしたんだって。

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歌川国貞「当世三十弐相 よくうれ相」

文政4, 5(1821, 22)年頃 Nellie Parney Carter Collection―Bequest of Nellie Parney Carter, 34.489 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

これも凄い、歌舞伎の楽屋風景ですって。

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歌川国貞 「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図」
安政3(1856)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.28578-80 & 11.28581-3 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

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これには、七之助さんも大興奮。

「今でも、ほら、刀はこういう風に保管してますよ、ほら」って (笑)

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国貞さんは、途中から初代豊国の名前を継ぎます。

だから落款も「豊国」というのがある。

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歌川国貞 「八百屋お七」四代目市川小團次、「下女お杉」四代目尾上菊五郎、「土佐衛門伝吉」初代河原崎権十郎
安政3(1856)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.22004a-b Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

これなんかも凄い。役者絵に花を散りばめて、(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!

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歌川国貞 「御誂三段ぼかし 浮世伊之助」三代目岩井粂三郎、「葉歌乃新」初代河原崎権十郎、「野晒語助」四代目市川小團次、「夢乃市郎兵衛」五代目坂東彦三郎、「紅の甚三」二代目澤村訥升、「提婆乃仁三」初代中村福助
安政6(1859)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.42194-9 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

 

一番好きなのがこれ、でした。

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歌川国貞 「見立邯鄲」
文政13/天保元(1830)年 Gift of L. Aaron Lebowich, 53.505 Photogragh ©2015 Museum of Fine Arts, Boston

 

凄くないですか? この団扇の透かし。

 

混んでいたのもあるけれど、入場してから出口まで2時間半でした。

もうもう、面白かったけど、くったくた。

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個人的な感想ですけれど、我が家は国貞さんに2票入りました。

飽きないんですよ、遊びもあるけれど品があって風格もある。

 

展示コーナーは、もちろん撮影不可、、、のはずですが、

なんと最後のブースだけ撮影OKになっているのです。

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もうね、皆パチパチシャッター切ってました。

 

やっぱり生っていいですね。

でも、、もう少し空いた時に見られたら、もっと良かったかもしれない。

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「俺たちの国芳 わたしの国貞」 6月5日までやっています。

ご興味のある方は、是非❤