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garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

好楽ちゃん祭り 夜公演

「三遊亭好楽が記念の落語会をやるらしいけど、凄いメンバーだぜ。」

MOURI が、こんな情報を聞きつけ調べていました。

『好楽ちゃん祭』

三遊亭好楽さんの芸歴50周年&古希のお祝いだそうで、

昼の部は笑点メンバー ( 桂歌丸・林家木久扇・三遊亭小遊三・三遊亭円楽・林家たい平 ) 。

 

そして夜の部は、な な な~んと。

桂文枝・春風亭小朝・春風亭昇太・立川志の輔、そして好楽さんの息子--三遊亭王楽。f:id:garadanikki:20161002164552j:plain

凄い、凄すぎるメンバーではないですか。

 

瞬殺で無くなると噂されたチケットでしたが、MOURI のくじ運は凄い。

前回は、あの、なかなか取れないという志の輔さんのチケットもあっさりGetしたし、

このところむかうところ敵なしで、七連勝記録でチケットをGetしまくっています。

 

そんなワケで、好楽ちゃん祭り 夜の部に出かけます。

読売ホール

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実は私、読売ホールは初めて。

二階席からの風景なんだけれど、素晴らしい。

なだらかの曲線でまるで一階席のような眺め。

天井、そして壁面のカーブも、包み込まれるような温かさがあって落ち着きます。

最大級のエンターテイメントの神様が住んでいる殿堂なんじゃないかしら。

 

さあ。

このメンバー、誰から現れるのかしら。

 

幕が上がると、口開けはやはり息子の王楽さん。

遠いのでお顔立ちまではわからないが、凄く可愛い顔をしているらしい。

何でも二代目・星の王子さまと言われているんですって。

 

「落語界の星の王子さま」

ご存知ですか? 

五代目・三遊亭圓楽さんが若い時、そう呼ばれていたんです。

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5代目 三遊亭 圓楽

朝日新聞社 p.20 『アサヒグラフ』1959年6月28日号、朝日新聞社

三遊亭全生時代。1959年6月6日

 

王楽さんは、

父親に比べて自分はどうしてこんなに可愛い顔をしているのか、

なんて話から、本当の父親は違う人なのかも知れない

そうだ、笑点で父親と付き合いが長い小遊三師匠に聞いてみよう。

そしたら小遊三師匠 「俺がお前のホントウの父親だ」と言われた。

なんて話をして笑かしてました。

その話ぶりが生意気でも嫌らしくもなく、とってもチャーミング。

しかもなかなか堂々としていて好感が持てます。

声も良し、口跡も良し、いい落語家さんだなあと感じました。

 

王楽さんが落語家になる時、

好楽さんは自分の弟子にせず、自分の師匠にあたる五代目・三遊亭圓楽さんの弟子にしてもらったんですと。

なので好楽さんと王楽さんは、親子だけど兄弟弟子の関係になる。

ちなみに、王楽さんは五代目圓楽さんの最期の弟子なんだそうです。

 

 

そして。

次に登場したのは、えええっ? 志の輔さんじゃないですか。

場内がざわつきます。

そうよね、このメンバーでしたらどんな順番でも仕方がない。

志の輔師匠は、開口一番こんな話を。。。

「ええっ、この度は三遊亭好楽さんの古希のお祝いということで、、、

僕は身内でも一門でもなんでもなく、義理も何もありませんが。。。」

場内爆笑。

師匠の話は、好楽さんの身内いじりに入ります。

好楽さんが息子を自分の師匠に弟子入りさせたという話から、

「私にも息子がいるんですが、もし息子が落語家になりたいといっても、

 僕は自分の師匠に弟子入りはさせませんね。・・・・談志ですもの」

場内、ドッ!!!

「でね、好楽さんは本当に家族思い、いつもご家族が一緒なんです。

 ご家族っていうのがとてもユニークな方たちで、

 いつだったか、好楽さんのパーティーに行ったんですよ。

 そしたら好楽さんの次女っていうのが、不思議っていうか、何ていうか、、、

 初対面ですよ。私がはばかりに行こうと思ったら『しのちゃん、1人で行ける?』って言うんです。

 家族にも『しのちゃん』って呼ばれたことないのに。

 そしたらそれを聞いた好楽の奥さん『何を言ってるの』までは良かった。

 てっきり『そんな失礼なことを言って』とか何とかおっしゃるのかと思ったら、違った

 『何言ってるの、行けるわよ、1人で』だって」

 

好楽さんのご家族の話は、その後小朝さんも、文枝さんも話題にしてましたから、

本当に面白い人たちみたいです。

 

そんな志の輔師匠の話は「こぶとりじいさん」

今までホール落語を見ていましたから、30分とか40分とか古典落語とか全編をきくことの方が多かった。

なので、こういうコンパクトな小話は初めてです。

寄席に行くと、みんな10分とか15分のこういう感じなんだと知りました。

 

で。

その「こぶとりじいさん」 面白かった。

こんな感じの話。

 

長屋の男Aが、息子が学校の宿題の読書感想文が書けないと困ってるんだという話をしたら、長屋の男Bが、「小学生だろ? そんくらい父親がちょちょちょっと書いてやったって、先生は怒んないだろう」と言う。

するとA 「そうなんだが、これが難しいんだ。こぶとりじいさんの話なんだけどな、何が言いたいかわからないんだ」と言う。

Bそんなの簡単だろう。だいたいああいう話は、いいおじいさんと悪いおじいさんが出て来るから、悪いおじいさんのことを『あんなことをするから、いけないと思います』 みてぇなこと書きゃいいんだ」と言う。

Aそりゃそうなんだがね。これがな。よーく読んでみると、二番目に出てくるじじい、そんなに悪い事してんのかなと思うんだ

Bどういうことだ

Aだってこうだ。

  あるところに、こぶとりじいさんが2人住んでいる。

  1人目のじいさんが、森で迷子になって困っていると、鬼が酒盛りをしてる。

  飲めや歌えの大騒ぎ。見てるとあんまり楽しそうだから鬼の前に出てきて踊っちゃう。

  すると鬼がとても喜んで、明日の晩も来て踊れと命じ、

  来ないといけないからお前の一番大事なものをひとつ置いていけと言う。

  おじいさんは「このこぶが一番大事です」と言うと、

  鬼はおじいさんのこぶを「すぽん」と傷も残さず取ってしまった。

  それを聞いた隣のじいさんが、自分もこぶを取ってもらおうと出かける。

  同じように鬼が宴会している。隣のじいさんは出鱈目で下手な踊りだったんだな。

  そしたら鬼は怒ってしまい 「二度と来るな」 と言って、

  昨日のじいさんから取り上げたこぶをそのじいさんの反対側の頬っぺたにつけて

  追い返してしまうんだ。

  どうだ。二番目のじいさん、何か悪いことしたか? 

  ただ気の毒なだけじゃねーか?

B 「・・・・待て待て、どっかに悪いとこがあるはずだ。それがパターンだ。

   一番目がいい、二番目が悪いっていうのが日本昔話の。。。そうだなぁ。。。

   ちょっと待てよ。。。そうだ、話聞いちゃってから行ったんだもん

A  「それ悪いか?

B 「ん。。。。わかった。踊がヘタだった

A 踊がヘタは悪い人か?

B  「いや、別に悪  くは、、ないか。ちょっと待てよ。

   いやなんかあるんだ悪いことが、わかった1人で行ったからいけないんだ。

   一番目のじいさんは知らないで行ったら鬼がいたんだよな

   でも二番目のじいさんは鬼がいるのがわかって、1人で行ったんだ。

   ダメじゃないか、犬とか猿とかきじとか連れてかなきゃ

A 「話が違うだろう、そりゃ桃太郎だ

B   「だいたい題名が悪いな、だってこぶとりじいさん。

   ホントはこぶとられじいさんってのが正しいだろう。

   こぶとりと来るんなら鬼でしょう。こぶ取り鬼か、こぶ取られじいさん。

Aその話、おいとこうよ。そうじゃなくてさ。

   一番目のじいさんが大事なものだからってんで鬼はこぶを預かったんだろう?

   二番目のじいさんが踊がヘタだっていうんならやっぱりこぶ取らなきゃ。

   なんで付けるんだ。

B ・・・・ほんとだなぁ

 

こんな話の応酬なんです。

実はこの話、YouTubeでもありましたので聞いてみたんですが、ちょっと違いました。

YouTubeとかであったのは、もっと沢山の人が出てきてチャチャを入れるんです。

そっちの方も面白いので、是非聞いてみてください。

 

 

志の輔さんは本当にウマい。

今まで何回かきかせてもらいましたが、つまらなかったことがない。

今回の枕も最高でした。

故郷富山の市議会議員の話をしていました。

寄席の楽屋でみんなに言われるんですって「また師匠の地元でやらかしてますね」って、それを自虐ネタにしてる。

「でも富山の市議会議員は凄いんですよ。ぐだぐだしてない。ハッキリしてる。

 『使いました。酒飲みました。酒。』

 あそこまで堂々と言われると、笑うしかないでしょう?」

こんな不始末も志の輔さんのフィルターを通すと、面白い話題になってしまう、

やっぱり最高にエンターテイナーだと思います、志の輔師匠は。

 

で。

好楽ちゃん祭り、、、

実は志の輔さんの後は、小朝さんで、そのあとが文枝さん。

 ( 下の演目表は、文枝さんと小朝さんが間違っています。

  正しくは、「妻の手紙」が春風亭小朝、「誕生日」が桂文枝 )

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驚いたことに、そのお2人の話が退屈で仕方がなかったんです。

これはあくまでも私の好み。個人的見解です。

小朝さんは、36年前、36人抜きで真打になった当時の才気走った天才ぶりに感動したものでした。

若い頃の「明烏」良かったなぁ。

 

ところが昨今。

何だかぬるい感じがしてしまうんです。

なんなんだろうかしら。。。ごめんなさい。本当に個人的な感想なんで、

ファンの方には申し訳けなく思います。

 

文枝さんは、最初からあまり興味を抱けない方なんで割愛をさせていただくとして。。。

 

仲入り後の口上。

これは面白かったです。とにかくグズグズなところが。

口上といえば、歌舞伎でも、主役がビシッと頭を下げたままで、

端から1人1人がその主役を盛り立てる口上をきっていくでしょう?

それが好楽さんはへぇらへらとあっち向いたり、こっち見たり、

みーんなに家族のこといじられてヘラッヘラしてるのが面白い。

第一古希にもなる人が自分の記念公演のタイトルを「好楽ちゃん」と銘打つなんて、

やっぱりおバカっぽくていいですね。

確かその辺も誰かに言われていました。

 

後半は、春風亭昇太さんが「人生が二度あれば」という新作落語を披露。

最初は地味でしたが、最後はキチっと笑わせていました。

このお話はまたいずれ。

 

トリの好楽さんは、作品がひどくて気の毒でした。

好楽さんは、面白い人なのになぁ。。。

いや失礼。

 

こんなに贅沢なラインナップでしたが、ちょっと残念な部分もありました。

しのぎを削るっていうのを期待していたんですが、なかなか難しいものなんですかな。

しかし、王楽さん、志の輔さんをみられて幸せ。

落語は本当に面白い。