Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

しろばんばのゼリー

豊橋にお邪魔をした時に、 よんばば (id:yonnbaba) さん からお土産を頂戴してしまいました。

凄いものです。美味しそうです。f:id:garadanikki:20161223120916j:plain

若松園のゼリー

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早速いただきます

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美味しい~~~

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黄色いゼリーは見た目にも美しく。

口に運べばサラッと喉ごしがよく。

甘すぎず酸っぱ過ぎず、爽やかな幸せが広がります。

果実は日向夏だそうですが、これがまたサッパリして、いいアクセントになっている。

デパートの地下食品街には、有名ブランドのゼリーが並んでいますが、

そのどれよりもさっぱりと、すっきりとしています。

余分なことをしていないというかな、果実の味をそこねていないと言う感じ。

 

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実はこのゼリー、井上靖さんの生誕100年を記念して復活させたお菓子なんですって。

若松園は井上の生誕100年を迎えた2007年に、井上靖文学館の依頼などを受け、

このゼリーを復刻した。

戦災でレシピは既になく、先代の「原料に夏ミカンを使った」という言葉を便りに研究を重ね最高級の日向夏を使って「溶けるように美味い」味を再現した。

 

 

じゃ何故、井上靖さんの生誕を記念して作られたかというと、

井上靖さんの自伝的長編小説「しろばんば」に、このゼリーが登場するからです。

主人公の耕作がゼリーを食べた様子は、こんな風に描かれていました。

 あす耕作とおぬい婆さんが帰国するという前日、夕食が終わってから、耕作は、母の七重と小夜子と女中の四人で繁華地区へ買物に出掛けた。

 そして若松園という大きな菓子屋へ立ち寄って、その喫茶部で菓子を食べた。

こうしたところで、菓子を食べるということは、耕作には初めてのことであった。

 黄色いゼリーの菓子で、スプーンを入れるのか勿体ないように、耕作にはそれが美しく見えた。

口に入れると溶けるように美味かった。

耕作は、この美味しさを上の家の祖母や、さき子や、幸夫たちに知らせることができないのが残念に思われた。言葉で幾ら説明しても、説明できるとは思われなかった。

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「しろばんば」第3章より

 

「言葉で幾ら説明しても、説明できるとは思えない」

そうです、これが ≪本当に感動するくらい美味しいもの≫ を食べた時の形容です。

景色だったら ♬ 絵~にも描けない美しさ って、いうでしょう?

件のゼリーのこと、先に拙い筆でグダグダ書きましたが無理でした。

どんなに言葉を尽くしても形容できないというのが、このゼリーなのだから。

 

でもね。このゼリーを何倍も美味しくしてくれたのは「豊橋土産に、是非食べてみて欲しい」という、

よんばばさんのお心遣いなのです。

よんばばさんに、お会いしたことだけで十分嬉しいことなのに、

本当に色々とごちそうになってしまいました。

 

よんばばさん

 美味しかったです。本当にどうもありがとうございました。