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garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

新春若手花形落語会

おでかけ すてきな人 イベント 落語

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今年も行ってきました。新春若手花形落語会~練馬文化センター

2015年、2016年、2017年と3年連続です。

3年も続ければ、我が家の恒例行事といっていいかもしれぬ。

ここ何年かで落語を楽しむ機会が凄く増えました。

暮から正月にかけてもテレビで「超入門!落語 THE MOVIE - NHK」の一挙連続放送を見てしまいまったし。。。(^^♪

 

わたくしごとですが

去年の胃潰瘍入院の退院直後にふらふらしながら「志の輔らくご」に行き、快気しましたが、

今回も7日に退院したその翌日に、ふらふらしながら「新春~落語会」に行きました。

胃潰瘍と落語が付き物になるとは妙な具合ですが、快気祝いになったことは確かです。

元気を沢山もらいましたから。

 

そんなワケで、1月8日も、ふらふらしながら練馬に向かいました。

寒かったなぁ、雨もザーザー降っていましたし、、、

でも、会場は面白い噺を心待ちにしているお客さんの熱気で温かい。

今年も二階席でしたけど、どんな噺が飛び出すか楽しみ❤

 

 

子ほめ 桃月庵はまぐり

f:id:garadanikki:20170109185430j:plain隠居のところにやってきた八五郎。

入るなり「ただの酒飲ませろ」と言って隠居を仰天させる。

「ただの酒」ではなく「灘の酒」の間違いだったのだが、八五郎の態度にあきれた隠居は苦言を呈す。

「口が悪いと損をするぞ。酒をおごって欲しければヨイショのひとつも覚えるもんだ」

 

「例えばだ。道で知人に会って、相手が日焼けしていたらこう言うんだ。

 『あらまあ、随分とお黒くなりましたな。どこかにお出かけで? 顔がお黒いのは、

 たいそうお働きなさった証拠です。でもあなたさまは元来色白なのだから、

 しばらくすれば元通りの色白美男子になられることでしょう』こんな具合に褒めるのさ。

 仕事に精を出していると言われて悪い気はしない。それでもダメなら奥の手だ。

 例えば四十五くらいの男には『どう見ても厄そこそこ』と言え。

 三つ四つ若くみられて悪い気はしない。」

 

ご隠居にアドバイスされた八五郎は、誰ぞに酒でもおごってもらいたいと町に飛び出す。

ところが、そう都合よく知り合いに出くわすものではない。

やっと会えたは顔見知りの伊勢屋の番頭。ところが番頭に「いよっ、町内の色男」と逆に褒められ、ご馳走をさせられそうになる。

 

今度は、知らない男に出会う。まあいいや。男の年を聞くと四十だと言うが、無理やり男に「四十五だ」と言わせ「厄そこそこにしかみえないなぁ」とまあ、相手を怒らせてしまう。

 

今度こそ、と訪れたのが竹の家。

竹に子供が生まれた時祝儀を取られたもんだから、それを取り戻そうというのだ。

「竹いるかい? 子供の面拝ませろ」

「今やっと寝たばかりなんだ、起こすない」

「いいだろ、祝儀やった恩てもんだ。しっかし、こいつ皺だらけだな」

「何いってんだ、そこに寝てるのは親父 (じじい) のほうだ」

「そうかどうりで年くって黒いと思った。

 こっちか子供は、じじいに似て長命の相をしてやがる。

 これなら死んだじいさんも喜ぶだろう」

「何だとう、親父はそこで、ぴんぴんしてる」

「そうかそうか。( 最後の手段だ ) でっこの小僧いくつになった」

「まだ生まれたばっか、数えでひとつだ」

「一つにしちゃ大そうお若い、どう見てもタダだ」

 

子褒めという演目は、前座さんがするものらしいですが、結構難しい話ではないかしら。

ただ酒を飲ませてもらいたいという八五郎の人物像がいまひとつ描かれていない気がするんです。

チャーミングに見える要素が足りないというかなぁ。

口は悪いが可愛げがある、粗忽だが憎めないという、そんな若者だからご隠居が色々教えてくれるのだと思うんですね。

短い話だから人物像がはっきりしないと「ただ酒のませろ」が唐突に聞こえてしまうように思います。

前座さんには試練なのだろうな。

 

当日の桃月庵はまぐりさんは、風邪気味だったようで、何度かせき込みながらの高座。

本人が苦しそうだっただけに、見ているこっちも可哀そうになり、噺に集中しきれない、ちょっと惜しまれた一席でした。

 

 

首ったけ 桃月庵白酒

f:id:garadanikki:20170109185431j:plain辰の相方-紅梅は、客がたてこんでてんてこ舞い。

隣の座敷で他の客とドンチャン騒ぎをしているものだから辰はおかんむり。

待てどもなかなか部屋に来ない紅梅に腹を立てた辰は若い衆を呼び文句を言う。

なだめ役のはずの若い衆の言い草にさらにヒートアップするうちに、やっと姿を見せた紅梅だが、可愛げがない。

売り言葉に買い言葉で、

「あたまにきた、今日は帰るぞ」

「そんなに嫌なら、帰るがいいわ」

「何かお前は客を追い出す気か?」

「そうじゃないさ。

 そんなにお嫌で、出ていきたいというなら、

 そこまでおっしゃるお客を止めるのも失礼だろうということさ」

「わかったわかった。もう二度と来るかい」

けつをまくって見世を飛び出したはいいが、大引け時。

真っ暗で、帰るに帰れない辰は、向かいの見世に明かりがついているのを見て頼みこむ。

「一晩泊めてくれ」

辰が紅梅の客だと知る、向いの主人は「客を横取りしたと言われては困る。紅梅さんとはもう切れた ( 二度と向いに行かない ) というのならお泊めする」と言われてしまう。

「実はうちの若柳は、ああたのことを前からいい男だいい男だと言って恋こがれているんでございますよ」

主人のヨイショに悪い気はがしない辰は、見世替えをしてしまう。

若柳と紅梅はライバル関係にあったのだ。

 

それから毎晩、若柳の元に通う辰だったが、ある日のお昼間、吉原から火が出た。

若柳を助けようと飛んで行ったが、表は人だかり。

吉原は普段は大門からしか出入りは出来ないが、非常時にはお歯黒どぶに板をかけ裏からでも出られることになる。

煙にまかれ、花魁たちが大騒ぎする中、一人の花魁が押されてどぶに落ちてしまった。

「助けて~」

見ると、喧嘩別れをした紅梅だった。

「よる夜中、おっぽり出すような薄情な女は助けねぇ」

「辰つぁん、そんなこと言わないで手を貸しておくれよ」

「いいや助けねぇ」

「そんなこと言わないで、どぶ水に首まで浸かってるんだからさ。

 もうさ、首ったけなんだから」

 

 

白酒さんの「首ったけ」

白酒さんの花魁は何とも色っぽい。

売り言葉で買い言葉で憎らしいことを言う場面でも、紅梅の可愛らしさが存分に匂ってきます。

愛しさあまって憎さが、、、じゃないですが、好きだから後回しにされた辰の怒りが増すというもの。その辺りの人間模様がとてもよく伝わってきました。

 

「回される」

向かいの見世に泊めてくれ頼む辰でしたが、寝ず番の親父若い衆主人と三人にたらい回しにされ、同じ事情を話さなければならなかったり、三人からは同様に「紅梅さんの、うふっ良い人じゃないですか」とからかわれる場面が、また違った「まわされた感」で笑えます。

白酒さんは、大筋とは別の細部まで、笑いを盛り込んでいます。

 

細部といえば吉原の描写。

ひとしきり吉原のどぶの様子や、昼間の花魁の描写をした白酒さんがこんなことを言いました。

「吉原の描写については、古今亭は見事に細かい描写をいたしますが、春風亭はねぇ。。。」

後に控えた一之輔さんを意識した一言だと思います。

前回の枕のリレーバトルじゃないですが、息の合った噺家さんのこういう振り振られ合戦が、落語会のまたひとつの楽しみです。

 

 

 

千早ふる 春風亭一之輔

f:id:garadanikki:20170109185432j:plain物知りで「先生」と異名を持つご隠居に、なじみの八が訪ねてくる。

なんでも娘が友達とかるたのような、こんなことをしていて、

カリフラワーがなんとかっていう作者の、

歌みたいなのを詠んで楽しんでいるのだが、

まったく意味が分からないという。

 

“かるたのような” は、百人一首のこと。

“ カリフラワーみてぇな名前” は、在原業平。

うたは「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」でしたが、ご隠居は知らなかった。

知らぬと答えるのは沽券にかかわると、ご隠居は即興で適当なことを言う。

「むかしむかし、人気の相撲取りがいてな」

「ふーん。むかしっていつだ」

「んっ? 江戸時代だ。

 で、その竜田川という人気の関取が吉原に遊びに行って、千早という花魁に一目ぼれしたんだ。

 ところが千早は力士が嫌い。竜田川はフラれてしまうから『千早振る』なのさ。

 フラれた竜田川、今度は千早の妹分の神代に言い寄るが『姐さんが嫌なものは、わちきも嫌でありん

 す』と、これが『神代も聞かず竜田川』だ」

「なんで? 人気力士なんだから誰もほっとかないだろうよ、花魁に二人もフラれちゃうのかい?」

「・・・・口が臭かったのさ、竜田川は。 傷心の竜田川は力士をやめて故郷に戻り豆腐屋を始める」

「なんで力士が豆腐屋なんだ」

「・・・豆腐屋をやるのが夢だったのさ」

「力士が夢じゃなかったのかい」

「・・・・実家がさ、豆腐屋だったから継がなきゃならなかったんだ」

「ふーん」

「それから何年かして、竜田川の店に女乞食がやってきて『何も食べていないのでおからを恵んでくだ

 さい』という。喜んでおからをあげようと思うと、それが零落した千早だったのさ」

「あれ? 竜田川ってのは力士の時の名だろ? 

 なんでそれが豆腐湯の屋号なんだ。

 それから確か竜田川「おいどん」と言ってたな、ということは国は薩摩だ。

 千早はそこまで流れてきたのか?」

 

八の素朴な疑問はどんどんご隠居を苦しめる。

「いいんだ、うるさい、黙って聞け。

 竜田川は怒っておからを踏みにじり、千早を突き飛ばす。

 千早はそばにあった井戸に飛び込み入水自殺をするのさ、

 だから『 (お)からくれないに水くぐる』だ」

「はーん。。。。で『とは』は何さ」

「そのくらい まけろ」

「だってさ~」

「千早は源氏名で、本名が『とわ』だったんだ」

 

 

一之輔さんの「千早ふる」

頭は弱いが、八のツッコミは鋭い。

八が一生懸命ご隠居の話の矛盾点を考える、その時の一之輔さんの顔がいいんです。

上を向いて白目をむいて、口をちょこっととんがらせて考える様が、

それだけ見ていて笑ってしまうんだもの。あの顔大好き。

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f:id:garadanikki:20170114135600p:plain去年あたりの一之輔さんは、難しい演目に取り組んだり、ちょっと模索をしている感がありました。

でも暮からここにきて、吹っ切れたような気がします。

 

彼の「へー」「そうなの~」という声が、

おぎやはぎの矢作健さんにソックリだと笑ってしまうのは私だけかしら ww

 

振られた話は受けましょう

白酒さんの「首ったけ」の中で、吉原の描写は古今亭は細かいが、春風亭は雑。

みたいなことを言われた一之輔さん。

どう返すのか楽しみにしていたところ、たっぷりと綺麗に吉原の描写をした上で一息間を入れてこう言った。

「春風亭だって、やるときはやるんです」

お客さんどっとウケました。

落語会っていうのは、こういう噺家さんのリレーがまた楽しみです。

 

 

稲葉さんの大冒険

f:id:garadanikki:20170109185433j:plain同じ時間に会社を出て、同じ電車に乗り、同じ時間に帰宅、ご飯も、就寝時間も同じ。

版で押したように毎日決まった通りの生活を送る真面目なサラリーマンの稲葉さんの話です。

稲葉さんは、帰宅の駅前でティッシュを手渡されます。

風俗店の宣伝ティッシュでした。

こんなもの持って帰れないと、捨てようとしますが「小学生が拾って、あの子の人生が曲がってしまったら困る」と捨てるに捨てられない。

お回りさんが来れば「不振に思われるかな」と捨てられない。

公園があった、そこのトイレに流してしまおうと思うが

「トイレが詰まって掃除のおばさんに迷惑がかかる」

「そのおばさんがこのピンクちらしを見て『私だってトイレ掃除じゃなく、風俗嬢でも出来るかも』なん

 て、おばさんの人生を狂わせるかもしれない」と、真面目な稲葉さんの妄想はどんどん広がる。

 

よし公園の植栽の根本に埋めてしまおう。

公園の松の木の根本を掘っていると、犬を連れた長谷川さんという老人が通りがかります。

おせっかいの長谷川老人はこう言います。

「稲葉さん、あんたしみったれた団地のベランダでガーデニングをするのが趣味なんでしょう?

 わかりました。私があなたに代わって土を掘ってあげましょう」

松の木の根元の土を掘り、犬の〇んち用のビニール袋に入れてくれました。

 

長谷川老人が行ってしまうと、稲葉さんは土を元に戻して再びティッシュを埋めようとします。

するとまた老人が戻ってきた。

「間違っていたようです。稲葉さん、あんたは私が土をやってもちっとも嬉しそうじゃなかった。

 そうだ、あなたは釣が趣味なんだ。

 安サラリーマンが月に一度の釣りのためにここでミミズを集めていたんだ。

 ・・・・ぐふぐふ。稲葉さん、手伝わせてください」

老人はそう言うと、集めたミミズを、さっきのビニールに入れてくれました。

 

老人が去ると、稲葉さんはミミズを戻し、再びテッシュを埋めようとします。

そこに老人再登場。

「稲葉さん、私はまた見間違ったようだ。あなたの趣味は釣りじゃあない。

 あなたはもっと大きい、そう、この松を育ててみたいと思ったんでしょう。

 わかりますわかります。

 庭とてない団地住まいでも、共同の敷地にこの松を植えて育ててみたい。

 あんたのそんな思いに、、、ぐふっぐふっ。。。。稲葉さん、手伝わせてください」

老人は、シャキーンシャキーンと二本のシャベルを振り回し、松を掘り起こし、

稲葉さんの背中に荒縄でくくりつけてくれました。

イエスキリスト、磔の態の稲葉さんは、ズルッズルッと括りつけられた松を引きずるように

団地に向かうのでありました。

 

 

喬太郎さんの『稲葉さんの大冒険』

一昨年このホールで大笑いしたあの「稲葉さんの大冒険」をまた聞けるとは。

本題に入ったときに「もしやこれは」と小躍りしました。

違う演目も聞きたかったようにも思いますが、

あの「黙れペス!!! この馬鹿犬がっ」という長谷川老人の怒号が聞けて嬉しかった。

 

いやーほんとに落語は楽しい。

同じ演目でも同じじゃないもの。

 

 

最近、日本人の“聞く能力”が、更に低下していると聞きました。

映像がないと、聞くだけではイメージがつかめないらしい。

そんな子供たちが、いい良い年の大人になってきているとか。。。

耳だけでイメージを広げられないというのでは、落語は厳しいかも知れません。

 

我が家で今はまっている番組に、NHKの落語THE MOVIEがあります。

落語に映像をつけるという趣向なんです。はじめは抵抗があったものの、これが結構面白い。

そんな落語THE MOVIE については、また別の機会に。。。

 

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