買ってしまいました。
「みをつくし料理帖」全10巻 ヤフオクで3,000円で落札!!!
普通に買ったら6,000円だもの、いいお買い物だと私は思う。
4がないのは、読んでいたから。
「今ごろなんで、みをつくし?」とお思いでしょうが、
NHK土曜時代ドラマの放送で知り、それを機にはまっております。
物語は、大坂に生まれた天涯孤独な少女・澪(みお)が、料理の腕だけを頼りに江戸に行き、艱難苦を乗り越えながら、やがて一流の女料理人になるまでの波乱万丈の奮闘記です。
関西で料理の修行を積んだ澪にとって、江戸の味付けは勿論 食材の違いや、風習、好みは常に戸惑うものばかり。
しかし店主の種市や、同じ長屋の住人 (伊佐三・おりょう夫婦) 、口入れ屋のご隠居りうたちの協力と励ましで、江戸っ子をうならせる料理をどんどん生み出していきます。
この作品、料理の話は勿論のこと、人間関係も丁寧に描かれていて泣かされます。
謎の浪人-小松原に密かな想いを寄せる澪。
廓に売られてしまった幼馴染-野江と澪の再開。
澪に亡き娘-つるの面影を重ねる店主-種市。
大阪の料理屋「天満一兆庵」のご寮さんで、今は店も夫も失い澪とともに暮らす芳。
弟はライバル店「登龍楼」に奉公、自分は「つる家」の下足番とした働くふき。
御典医である父との確執をかかえながら自身は町医者として精進する永田源斉。
などなど。
あっ、小松原も何やら深刻な事情を抱えているのでしょうね恐らくは。
( 現在 5冊目なのでわかりませんが・・・ )
作品の素晴らしさと奥深さは、周囲の人々の人生までもキチンと丁寧に描かれているからだと思います。
それぞれに悩みや苦しみを抱えて生きている。
辛い思いを経験しているからこそ、人に対して優しくなれる。
辛くて辛くて辛すぎて、人にも厳しくあたるということもあるかも知れません。
「人情ばなし」とひとことでは片付けられないエピソードのひとつひとつに人間の悲しさが詰まっている。
しかし、貧困や境遇、身分の差といった苦難の先に平等にあるもの、それは澪が作るウマい飯です。
つる屋の座敷で、澪の料理を口にする時には、みな平等に幸せになれる。
種市の口癖「こいつぁ、いけねえよう、うまいよぉ、お澪坊」が聞きたくて、
一話、また一話と、読み進んでしまいます。