Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

「空の走者たち」 文庫版と単行本の文字色

空の走者たちを読了。

今回は感想文ではなく、文庫本の最後に書いてあった文字色についてのお話。

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文庫本の巻末にこのような記述がありました。

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ご興味があれば単行本のページも開いてみてください。

 

早速、見比べてみました。

左が文庫本、右が単行本です。 

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紙質、紙色が違うので、印刷されている文字色の印象も紙質に左右されます。

でも、確かに右の方が読みやすいというか、私も好きです。

「内容が同じなんだから、そんなこだわるものなのか」という向きもあるでしょうが、

作者が、どんな紙質で、どんな字体で、どんな文字色で読んでもらいたいと願う気持ちは理解できます。

 

同じものなら、目に入ってきやすいもので読みたいと、読者の私も思います。

私が古書で読みたいというのもそれが理由。

「古い作品だって綺麗な最新の文庫で読む方がいい」という人の方が多いでしょうが、

出来たら初出の頃の古書で読んでみたいと、どうしても思ってしまうんです。

⤴ 大差ない価格ならですけれど。

 

 

文庫本いえば、ちくま書房が好きのも読みやすいから。

『ちくま日本文学全集』は、るびが薄い色でした。

ちくまでは薄い色の文庫もある。

ですから、増山さんが書かれているように「文庫版の場合、印刷所の輪転機では、黒以外の色はできない」という意味がちょっとわからないんです。

 

が「ちくま日本文学全集」です。

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るびの色は、増山さんがイメージなさるような烏賊墨色っぽい感じでしょう?

何といっても凄いのが、印刷技。本文とルビ・注釈の色が違うんだから。
まず本文がぱっと目に入ってきて、ルビが控えめに目に映る。

「ちくま全集は、本文とルビの色が違うのよ」と、MOURIに話したら、

そんなことは絶対にあり得ないって言うのです。

2色使いにしたら尋常じゃないコストだからで、ルビには極細の字体を使っているから、薄い色に見えるんじゃないだろうかと言うのです。

そうか、それでグレーに見えたのかな。

技術的なことは素人なので、わかりません。

「文庫版の場合、印刷所の輪転機では黒以外の色ではできない」というのが、

技術の問題なのか、費用の問題なのか、、、、

ちくまの場合は文庫本でも出来るのですから、ハルキ出版が頼んでいる印刷所ができないということなのか。

 

文庫本と単行本の印刷の仕組みを含めて、この違いは何なのか知りたいと思いました。