今朝 朝食会場で驚きました。
松山REIホテルのビュッフェ、半端なくゴージャスなので。
食器も全部、陶器。
メニューは、ホテルの (夜の) バイキングといっても良いほどの品揃え。
温かいものは、キャセロールに入っていて保温。
とても美味しそうに見えます。
いえいえ。美味しそうではなく実際に美味しかったです。
コックさんが卵を調理してくれたりして。。。
白衣のコック姿は絵になります。
席も広々としていて、過ごしやすい。
ちょっとずつ、全部盛りしてみました。
お味噌汁の上は、とろろです。
ただのとろろ汁ではない。麦味噌が入っているようで、味がふかいです。
サラダだって、色とりどりの豆を調理したものや、
カリフラワー、ブロッコリーまであります。
松山名物のきびなごとじゃこ天もありました。
フランセーズと、サトイモの煮っころがし、ソーセージのトマト煮も抜群にうまい。
私のホテルの朝食ランキング ( ※ 中ランクのビジネスホテル ) の順位が変わりました。
堂々の一位です。
ひとつひとつがとても丁寧に作られていて、ホテルの朝食のレベルではない。
ああ、本当に美味しかった。
あとで聞いたのですが、松山でREIホテルの朝食は「凄い」と有名なんですと。
立地条件も最高だし、お部屋も綺麗だし、良いホテルを選んだんだと興奮しました。
出足が良いと旅にも弾みがつく。
まずは「伊丹十三記念館」に向かいます。
伊丹十三さんが亡くなられて21年も経つなんて。。。
※ 伊丹十三さんは1997年12月死去。
記念館は、伊丹さんが亡くなられて10年後に建てられ、館長は宮本信子さん。
記念館は、ホテルから車で15分ほど離れた川沿いにありました。
センスの良い建物だ。
敷地の角にガレージがありました。
中には黒のベントレーがデデンと停めてある。
伊丹さんが「さあ、出かけよう」とガレージに入ってくるのを
愛車ベントレーが、静かに待っているように見えました。
私が自分のロータス・エランを赤にしたのは、こいつなら赤でも目立たない、と思ったからでありますが、さらに念を入れるなら、この車はよごれっぱなしのほうがいい。
埃や泥はもちろん、小さな引っかき傷や、軽いへこみも、そのままにしておいたほうがいい。
私の分類では、こいつは、雨具や履物の部類に属する。
仕立ておろしのレインコートや、ま新しい靴というのが、どうにも気恥ずかしいものであると同様、
車も、ある程度薄汚れた感じのほうが、私には乗り心地がいい。
ま、そういうわけで、私は自分のロータスを掃除しないことにしている。
晩年の暮には、ひと月ばかりガレージにいれっぱなしにしておいたから、実にいい具合に埃がつもって、その埃の上に猫の足あとなんかついて、ほとんど私の理想に近い、芸術的なよごれをみせるようになった。
私は、この埃の上に、指で絵を描こうと思った。
そうだ! 注連飾りの絵を描いて年始に出よう、と思った。
「女たちよ!」より
エッセイの文章を読んでも、ポートレイトの「やあ、いらっしゃい」を見ても、
伊丹さんの声が聞こえてくるようだ。
展示室は13のブースで構成されています。
① 池内岳彦 ② 音楽愛好家 ③ 商業デザイナー ④ 俳優
⑤ エッセイスト ⑥ イラストレーター ⑦ 料理通 ⑧ 乗り物マニア
⑨ テレビマン ⑩ 猫好き ⑪ 精神分析啓蒙家 ⑫ CM作家
⑬ 映画監督
十三だから13 ( ´艸`) なのね。
「猫好き」というくくりに、ホホホと笑ってしまうところもあったけど、
確かに伊丹さんはいくつもの顔を持っていたなぁと思います。
マルチタレントという言葉も、伊丹さんが先駆けだったのではないでしょうか。
《池内岳彦》というのは、伊丹さんの本名 ( 正式には通称で、本名は義弘 )
高校卒業して俳優になる前までの貴重な写真や日記、絵などが展示してあります。
それにしても、よく残してあったものだなあ。
こういう資料は、ご両親がキチンと整理保管してくれない限りはなくなってしまうものでしょう。
真ん中の男性は、お父様で映画監督の伊丹万作さん。
お母さん ( キミさんに ) に抱かれている赤ちゃんが義弘さん。
2歳頃の写真 鉄道標識の真似をしている写真
4歳頃 賢そうなお顔だ
精密な絵です。小さい時からこういう見事な
ああ、この写真はもう伊丹さんですね。
伊丹さんは、本当に趣味人だったんですねぇ。
音楽にも造詣深く、バイオリンもギターも弾きこなす。
料理だってお得意。
伊丹さんは、絵もお上手な方でしたね。
記念館では、商業デザイナーとイラストレーターと二つに分けて展示していました。
こんな装丁や、
こんなデザイン書きや、
こんなシュールなイラストも素敵。
エッセイを書かせても、抜群でした。
ヨーロッパ退屈日記、女たちよ! 問い詰められたパパのママの本は、
私の本棚の奥の方にも眠っている。
俳優としての伊丹さんは、ハンサムで声もよいけれど、
演技は正直言ってお上手とは言えなかったかも。。。なんて、失礼ですが。
左は吉良上野介をやった時の写真です。
巧くはないが、味のある俳優さんだったと思います。
「うまくはない」なんて、言ってしまいましたが、俳優以外に沢山の才能があって
他の才能が凄すぎたからそれに比べてということです。
伊丹さんが一番すごかったのは、やはり映画監督としてでしょう。
数々の問題作をヒットさせましたもの。
ほとんど見ました。うなりました。面白かった。
そんなマルチの才能を持った伊丹さんが、こよなく猫を愛していたとは。。。
記念館にも猫のスケッチや、写真が沢山ありました。
この写真、いいなぁ。
記念館のパンフの表紙にも使われていた写真です。
この写真も好き。
伊丹さんの猫好きは、お父様ゆずりなのかも知れません。
記念館には、収蔵庫がありますから、
展示品も色々と入れ替えたりするのでしょう。
今回お邪魔した時には、伊丹さんの洋服がそんなに展示されてなかったのが残念。
伊丹十三さんのイメージとしては、
映画監督の時によく着ていらした刺し子のちゃんちゃんこみたいなの。
ああいうのが展示されてたら見たかったなあと思いました。
展示室のほとんどは撮影可能でしたが、喫茶と映画のコーナーは不可でした。
映画は他出演者の肖像権などの問題もあるからなんでしょうか、
展示室には、絵コンテとか、取材資料なども細かく整理して見られるようになっていたので、
伊丹映画ファンは必見です。
館長の宮本信子さんも頻繁に来館されるそうだし、また訪れてみたい記念館でした。
参考資料 伊丹十三記念館のパンフなどは、下のとじ込みにあります⤵