Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

浅田次郎:著 『一路』

浅田次郎さんの『一路』を読了しました。

とーーーっても痛快で、気持ちよく笑える、楽しい本でした。

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「一路」を知ったキッカケは、テレビでした。

何気なくつけたテレビでドラマを放送していたんですが、、

どうやら参勤交代の話らしく面白そうなんです。

しかし私が観た時点でストーリーも中盤にさしかかっていて、

お殿様の大切にしていた白馬が死んでしまうシーンでした。

 

面白そう

主演は永山絢斗さん。瑛太の弟さんです。

瑛太さんも良い仕事してますが、絢斗さんも出演した作品に爪痕を残す良い俳優さんだと思います。

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「いいや、再放送で観よう」と思いましたが、なかなかやってくれない。

ツタヤディスカスでDVDになっていないか探したのですが、DVD化してないみたい。

 

だったら原作を

「だったら」なんて失礼この上ない言いようですわ。

浅田次郎さんの作品は、これまでの読んだもののどれひとつとって、つまらなかったものはなし。

早速、古本 ( 上下で600円 ) を購入。

一気に読了しました。

 

【物語】

父の不慮の事故により家督を相続することになった一路は、参勤行列を差配する役目・道中御供頭を命じられた。しかし江戸で育った十九歳の一路は、参勤交代の作法すら知らない。

困った一路は、先祖伝来の書「行軍録」を唯一のてがかりに、古式に則った行列を仕立てたのであった。

いざ江戸見参の道中へ。

行列の人集め、道中の資金繰りや皆の志気を高めるための苦労、難所をどのように乗り越えようか。

お役目を果たせなければ家禄召し上げという身で、一所懸命におのれの本分を全うしようとする一路。

その前途に、真冬の中山道の難所が立ち塞がる。さらに行列の内部では、ひそかに御家乗っ取りの企みが......。

 

健気に頑張るものには、救いの手が差し伸べられるんだな

武士の世界は、身分や格式がメンドクサイ。

藩の中というのは出世争いや派閥で誰を頼ってよいかもわからない。

そんじゃ先祖伝来の行軍禄を助けにと思っても、「何を考えとる」だの「古くさー」と言われ笑いものになる。

だけども一生懸命奮闘すれば、気持ちは伝わるんですな、

馬鹿にしたり呆れたりしていた人たちが少しずつ協力してくれたり、

参勤交代の道中のお役人や、途中の藩の人たちまで、力を貸してくれたりします。

 

胸がすくお話

胸がすくというのは、こういうストーリーをいうのだと思いました。

もちろんそこには浅田さんの明るい筆があっての上で、

苦労をすればするほど、一路を応援したくなる。

そして出て来る人たちのキャラクターがとても面白いのです。

 

一路の上下巻、いっきに読み終えて、ブックカバーをはずして感動しました。

ここから先、絵を見てもらいたいので大画面にします⤵

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上下巻を合わせると、一路たちが歩いた中山道が描かれているではないですか。

 

しかも。

登場人物と、その人たちの印象的なセリフが描かれている。

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小野寺一路は「参勤道中は行軍でござる」と言ってます。

 

江戸への遅れを伝えてくれる、安中の殿様は「よおっし!」と言ってるし、

右上には 健脚3人組がいるじゃないか。

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一路の路の字で顔が隠れているのは、加賀藩 前田のお姫様。

「アッパレェー」というセリフでわかりました。

ご老女の「もそっとお近づきなされ」も笑える。

お姫さまの顔が隠れているのはわざとかも。

表紙絵って、時にイメージを特定してしまい嫌なこともありますから。

 

 

表紙のセリフは、この本を読んだ後には 全て笑えるのです。

一番笑えたのが「葱かよ・・・」というやつ。

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とにかく。

ここに描かれたキャラクターの数だけ、楽しいエピソードのつまったお話なんです。

本当に気分爽快になる、楽しいお話でした。

 

 

では今度は NHKのオンデマンドで、ドラマ「一路」を見始めるかな。

近い内に、、、ね。