下高井戸シネマで『特集 樹木希林』が企画されていました。
『あん』は先日、テレビで鑑賞して大泣きたばかり。
『万引き家族』も観たいし、『日々是好日』も観たいが、これはDVDで見られそうな気がする。
絶対に映画館に行かないと見れそうもないのが、
『神宮希林 わたしの神様』『モリのいる場所』『そして人生フルーツ』か。
『人生フルーツ』はなんとしても観たい。
樹木希林さんがナレーションするこの作品は、津端夫妻のドキュメント映画。
おふたりのことは、テレビで偶然拝見し、たちまちくぎ付けになったんです。
これだけは絶対に観たい。
津端修一さんと英子さんご夫婦のことを知ったのは、2013年のことでした。
何気なくつけたテレビでお二人のことを放送していたんですが、途中からでした。
その時の記事がこちら⤵
本も買いました。料理のレシピも載っていて宝物。
下高井戸シネマは、しぶい映画を上演している単館映画館です。
『人生フルーツ』は、朝10:00の回だけで、5日間の短い開催なので急がないと。。。
あれっ? なんか人がいっぱい。
10時5分前に、入り口に行列が出来ています。
行列の最後尾は、階段下まで続いています。
定席はすでに満席で、補助席がいくつ出せるかやってる最中らしい。
ダメ元で並んでみました。
私の3人前までで補助席が終了。
「あとは御立見になりますが」とのこと。
どうしようか・・・・な
今日はめまいがないので出かけてきたけれど、どうしようかな、立って見られるかな。
私の後ろには70代の男性も並んでいます。
おじいさまも立ち見? それなら私も・・・頑張るか。
1時間半くらいだからまあ、なんとかなるか
観終わりました。
静かな感動につつまれました。ムリしてでも観てよかった。
観客は、年配者が多かったです。
津端さんご夫婦の、チャーミングなシーンになると会場から「うふふ」と笑い声があがります。
そして。。。
実は修一さんは、このドキュメンタリー映画を撮っている時 ( 2015年6月 ) に永眠されまして、
そのことに触れたシーンになると会場のあちこちから、すすり泣きが聞こえました。
もちろん私もその中のひとり。
観客はみんな、このご夫婦が愛しくて愛しくてたまならないみたい。
憧れなんだと思う、本当に素敵なカップルなんだもの。
ここが、津端さんの家。
愛知県の高蔵寺ニュータウンの一隅にある、雑木林に囲まれた平屋。
建築家の修一さんが、師であるアントニン・レーモンドさんの自邸に倣って建てたものだそうです。
修一さんは日本住宅公団のエースとして、この高蔵寺ニュータウンの都市計画を携わられました。
彼のコンセプトは「風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウン」でした。
しかし時代はそれを許さず。
結局、完成したニュータウンは修一さんの理想とはほど遠い無機質な大規模団地でした。
修一さんは自ら手掛けたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育て始めました。
自分たちが山を切り崩し開発した土地を、もう一度緑豊かな場所に戻したかったからです。
それから50年。
津端夫妻は、コツコツ、ゆっくりと土地を耕し、肥沃な土を作ってきました。
この映画は、津端さん夫婦の日常を、2年の歳月をかけて記録したもの。
多くの方が注目しているのは、キッチンガーデンの素晴らしさもあるけれど、
その野菜や果物で作る英子さんの手料理の見事さも魅力だし、
修一さんのイラストの愛らしさも魅力です。
修一さんは日に何通も、こんな絵はがきを送られるそうです ⤵
手紙の送り先は、魚屋さんだったり肉屋さんだったり。
英子さんが町に出て買ってきた魚や肉を、
美味しかったですとか、こんな風にして食べましたと書いて送る。
嬉しいだろうなぁ、こんな素敵な礼状をいただいたら。
修一さんが書いた二人のイラスト⤵
修一さんは、菜園に立てる木札を黄色いペンキで作ります。
どれも可愛い。
本編に、のっぽの修一さんが棘のある枝に頭をぶつけてしまうシーンがありました。
英子さんが「もっとかがんで」と言って、修一さんの頭から枝を払ってました。
次のカットに、椅子に座らされてる修一さんの頭に、マキロンを塗ってる英子さん。
とても可愛いのです。
大先輩に可愛いなんて失礼ですが、本当にお二人のしぐさが可愛いのです。
英子さんの作る朝ごはん⤵
野菜があまり好きでない修一さんは朝からうなぎだったりする。
朝食は修一さんは和食。英子さんはパン食。
好きなものを食べるのが健康の秘訣だそうな。
鯵のひものの下に、近所のにゃんこ⤵
心にしみる映画でした。
立ち見だったけれど、あっという間に思えました。
お二人を見習って、コツコツと何かをやっていこうと思いました。
おまけの写真
世田谷線
ドラマ「家政婦は見た」の大沢家政婦紹介所として使われていたお家。
因みに。
『人生フルーツ』は自主映画会をする団体 ( 人 ) を募集してました。
もうひとつ因みに⤵
私の愛してやまない場所、阿佐ヶ谷住宅は、津端修一さんが手掛けられたものでした。
⤴
今はなき、阿佐ヶ谷住宅は、それこそ「風が吹き抜ける素敵な空間」でした。
⤵
garadanikki-dokoiku.hatenablog.com
阿佐ヶ谷住宅のお話はまたの機会に、是非聞いてください。
追記
人生フルーツのテレビ放送は今のところない模様ですが、
YouTubeで予告編がありましたので貼り付けておきます。