Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

同潤会アパート 青山アパートメント

同潤会アパートをご存知でしょうか

東京の方なら、たぶん一度は耳にしたことがある名前でしょうけれど、

その方々の中に《実際に建物を見たことがある人》となれば、少ないかも知れません。

「知ってる」「懐かしー」と言われる御仁は、間違いなく昭和です。

 

私だって、16あったという同潤会アパートの内、見たことがあるのは代官山と青山だけです。

1996年 ( 平成8年 ) には代官山が、2003年 ( 平成15年 ) には青山が取り壊されたしまいました。

 

青山の建物は、当時から憧れの住いだったそうな。

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同潤会青山アパートメント 昭和初期

 

関東大震災の復興支援のために設立した同潤会 

同潤会アパートは、財団法人同潤会が大正時代末期から昭和時代初期にかけて東京・横浜の各地に建設した鉄筋コンクリート造の集合住宅の総称です。

関東大震災の復興支援のために設立された団体で、不燃の鉄筋コンクリート造の住居を供給することを目的としていました。

同潤会が建てた集合住宅はハイカラでした。

電気・都市ガス・水道・ダストシュート・水洗式便所など最先端の近代的な設備を備えてたんですから。

 

 

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上は、同潤会が建てた16のアパートメントの竣工と解体を図にしたものです。

エクセルで作ってアップしたら、小さくなってしまいました (;'∀')

 

1926年 ( 大正15年 ) から順次建てられていったアパートメントは、

早くは1982年 ( 昭和57年 )に 、最後は2013年 ( 平成25年 ) に解体されてしまいました。

100年もたなかったのか・・・・。

※ 青山アパートは75年で取り壊されました。


 

青山アパートメントがある表参道 ( 昭和20年代 ) の写真がこちら⤵

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昭和20年代の表参道

表参道は明治神宮の参道として建設され、神宮の鎮座祭が行われた翌年の大正10 ( 1921年 ) に、全体の工事が竣工しました。写真には大正15 ( 1926年 ) に建設された同潤会青山アパートと、戦後に植え直されたケヤキ並木がみえます。

同潤会アパートは真ん中を走っている黒い車の11時の方向にある黒っぽく写っているビル。

ケヤキもまだ低いので、道路が広く見えるし、電信柱がないのでスッキリしています。

 

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昭和38年頃の表参道、同潤会青山アパートメント

築36年位の時期かな?

1枚目の写真に比べて、ケヤキもかなり大きくなりました。

 

やがて青山アパートはその立地の良さから、住居としてよりお店として使われることが多くなりました。

レトロな建物の窓は個々に改装され、お洒落なブティックや輸入雑貨などのお店に変わっていきました。

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表参道がお洒落だったのは、ケヤキ並木と同潤会アパートがあったからだと私は思います。

電線も地下に埋められていたし。。。

 

 

しかし。

そんな青山アパートも、老朽化の問題で平成15 ( 2003年 ) 惜しまれつつ解体。

跡地は表参道ヒルズとなりました。

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平成18 ( 2006年 ) 表参道ヒルズ

 

表参道ヒルズより、同潤会アパートの方がなんぼか雰囲気があってお洒落だった。

そう思うのは私だけではないハズ。

 

ヨーロッパなんかは100年を超える建造物が現役でしょう?

77年で役目を終えなければならない日本の建築って、やはりどこかがオカシイ。

地震が多い国だとしても、老朽化老朽化と、ホントに取り壊わさなければいけなかったのか。

水回りなんかを考えると、修繕して使うよりぶっ壊してしまった方が安上りで、

建設業界も儲かるということなんでしょうが。

やっぱり古いものは大事にして欲しい。

 

 

これは、同潤会アパートが取り壊された跡地に、一棟だけ残されたもの。

エントランスの看板に「OMOTESANDO HILLS」と書いてありますが「同潤館」と言われています。

 

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写真は2015年7月22日に撮影したものですが、一階右はポップコーンショップでした。

内部は、当時の面影を残して・・・・いるようにしてありますが、

 

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正直いって、フェイクっぽく感じてしまった。

 

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無理くり残した感が否めない。

 

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壁も床も汚しをかけたような、綺麗にしたような中途半端なんだもの。

 

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関係者の方々には失礼で、誠に申し訳けないですが、

やはり同潤会アパートのセンスは踏襲できていないと感じました。

つくづく残念。

 

「でもなんで今頃、同潤会のことを?」と思われることでしょう。

実は先日、同潤会の大塚女子アパートメントの本を読み終わったばかりなので、

後日、その本の話をしたいと思っております。

まずは、その準備段階のような記事ですが、お付き合いいただきありがとうございました。