garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

作家・学者

里見弴『怡吾庵酔語』より 泉鏡花さんの話

久方ぶりに里見弴のことを書いて、随筆を読み返してみたくなりました。 手にとったのは『怡吾庵酔語』。※ いごあん すいご、と読みます。 どういう意味かなと思いましたが、もしかしたら少年の頃からのつきあいの志賀直哉や武者小路実篤たちから「伊吾」と呼…

江口きちの生涯 

今、島本久恵:著『江口きちの生涯』を読み進めています。 右が江口きちさん。 最後の上京の時に撮られた写真というので24歳の写真です。 きちの生涯 江口きちは、大正2年、群馬県利根郡川場村に生まれました。 父は博奕打ち、母は奉公人。 千葉県生まれの父…

有川浩「アンマーとぼくら」

有川著「アンマーとぼくら」を読みました。 有川さんの本を読むのは実に6年ぶり。 自衛隊シリーズ、図書館シリーズ、三匹のおっさん、シアター! 阪急電車などなど 殆どすべての作品を愛読してきましたが、久しぶりです。 久しぶりの有川ワールドに震え、感…

ネコメンタリー再放送決定!

朗報です! ネコメンタリー猫も、杓子も。の 「吉田修一と金ちゃん銀ちゃん」の再放送が決まりました。 2020年5月3日 ( 日 ) 午後6時30分 Eテレ ネコメンタリーは、養老孟子さんのまるでハマって、他の回もとりあえず全部観ましたが、 吉田修一さんの回だけ…

奥田英朗 箸『罪の轍』

積読本・併読本に囲まれる中、 MOURI から「面白いから読んでみないか?」と勧められた一冊を読み始めました。 奥田英朗 著『罪の轍(わだち)』 「面白いから読んでみない?」と私が薦める本で、彼の琴線に触れるものは少ないが、 彼の推薦本の殆どが興味深く…

三角寛とサンカ小説について

先日、2012年の過去記事「雑司が谷を歩く 2 料亭 “寛” 」をアップしたのがキッカケで、 三角寛という人物とサンカについて知りたくなりました。 ※ 以下、大変長いです。 興味なき方は、どうぞスルーしてください。 まず借り出したのはこんなところ。 図書館…

シャーロック・ホームズ 文庫いろいろ

現在、手に入る「シャーロック・ホームズの冒険」を取り寄せてみました。 全部を読み比べするところまでいっていませんが、 「ボヘミアの醜聞」だけでも読み比べてみたいと思います。 件の作品、タイトルもちょっとずつ違います。 「ボヘミアの醜聞」「ボヘ…

『BUTTER』著:柚木麻子

題 名:BUTTER著 者:柚木麻子発 行:新潮社種 別:単行本 1,760円発売日:2017/04/21読了日:2019/11/01 柚木麻子さんの『BUTTER』を読みました。 レコーディングダイエット ( カロリー計算をしながらの摂食 ) を実施している身には、 通常では気づかないこ…

女たちのテロル からの寄り道

「女たちのテロル」を半分ほど読んだところで、 迷子になりました。 イングランドやアイルランドの関係性に無知だったからです。 「女たちのテロル」は、英国在住の作家・ブレイディみかこさんが、100年前に生き 闘った三人に女の生涯を紡いだエッセイです。…

併読中の本「志賀直哉・天皇・中野重治」

以下は現在、併読中の本 藤枝静男:著「志賀直哉・天皇・中野重治」 柚木麻子:箸「BUTTER」 夏目鏡子:箸「漱石の思ひ出」 みなそれぞれに興味深く、面白さが違ってやめられない。 しかしこのラインナップ、頭がこんがりそうです。 BUTTERは、図書館で借り…

『終点のあの子』箸:柚木麻子

柚木麻子さんの作品、 三冊目として「終点のあの子」を読みました。 この本は、第88回オール讀物新人賞を受賞した 「フォーケットミー、ノットブルー」を含む 4作品を収載した単行本です。 まず目をひくのは、ハッと息をのむほど美しいブルーの表紙です。 …

森鴎外の妻 漱石の妻

唐突ですが、鴎外と漱石に関しての備忘録を投稿します。 森鴎外と夏目漱石は、一時期同じ千駄木に住んでいたことがありました。 地名でいえば、 漱石の旧居は、文京区向丘2丁目20−7 鴎外の旧居は、文京区千駄木1丁目23-4 薮下通りを歩いて6分くらい…

鎌倉 西御門サローネ ( 旧里見弴邸 )

念願の西御門サローネ、初訪問です。 ここは、里見弴さんが39歳の時に自ら設計に携わり建てた家です。 昭和11年、里見さんが49歳で転居した後は、米軍接収やホテルとして使われ、 その後は、石川さんという方が所有して丁寧に住んでいらっしゃって、 毎週月…

芥川龍之介 『酒蟲』

【あらすじ】 大酒飲みだが、酔うことのない大富豪 劉大成のもとに、近頃評判になっている蛮僧がやってくる。 蛮僧は医療も加えれば、房術も施すと噂になっている男で、劉が酒虫による奇病に罹っていると言う。 酒を飲んでも酔わないのは、腹の中に酒虫がい…

芥川龍之介 『父』

なんとも切ない短篇です。 【あらすじ】 主人公(作者)が、中学4年の修学旅行の時の話です。 能勢という人を笑わせるのが得意な同級生が、集合場所で、通行人の特徴を捉えて辛らつなあだ名を付けるのに、同級生はウケまくっています。その時、体裁のあがら…

芥川龍之介 『虱』

【あらすじ】 長州征伐に向う船上での話。 虱に悩まされる武士たちだが、森という武士が、虱を集めて “ 飼う ” と言い出す。 虱が体にたかっていれば、痒いから掻く、掻くから温まる、温まるから眠くなる、眠くなれば痒いのも気にならない、というのだ。 そ…

芥川龍之介の鼻

禪智内供の鼻と云へば、池の尾でも知らない者はない。長さは五六寸あって、上唇の上から顎の下まで下がってゐる。形は元も先も同じやうに太い。云はゞ、細長い腸詰めのやうな物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下がってゐるのである。 で始まる『鼻』は、大正…

芥川龍之介 『ひょっとこ』

『ひょっとこ』は、大川端を舞台にした小説として『大川の水』『老年』に次ぐ三作目になります。この3つを“大川端3部作”と呼ばれているそうで、なるほどテイストは同じかも知れません。 【物語の序盤】 流石、生まれ育った土地を舞台にしているだけあって…

芥川龍之介 『老年』

『老年』は、生前の単行本にはならなかったが、芥川龍之介の「処女作」にあたる作品。 【あらすじ のようなもの】 物語は、橋場の玉川軒という料理屋で行われた一中節(いっちゅうぶし)の順講(意:おさらい)に、 小川の旦那や中洲の大将など多くの人が集…

芥川龍之介 『大川の水』

まるで老齢作家の懐古作品のようにも思えますが、このエッセーを書いた時、彼はまだ、文壇にデビューする前の若者でした。 (※ 大正三年(1914年)4月1日発行の雑誌『心の花』第十八巻第四号に「柳川隆之介」の署名で掲載されたが、本文末に(一九一二、一、)と…

芥川龍之介 『バルタザアル』

徳冨蘆花から始まり、大佛次郎、久米正雄、里見弴といった鎌倉に関連する作家たちの作品を濫読するなか、この辺で芥川龍之介の作品をまとめて読んでみようと思い立った。 芥川作品といえば、恥ずかしながら『羅生門』『鼻』くらいしか読んだことがない。 こ…

『鵠沼・東屋旅館物語』 高三啓輔 著

『鵠沼・東屋旅館物語』博文館新社 著:高三啓輔 ( Takami Keisuke ) 非常に興味深い一冊です。 この本を知ったきっかけは、里見弴の小説『潮風』。 小説の舞台がこの旅館で、冒頭部分に東屋の玄関先で大道芸見物をしている逗留客や仲居たちの様子が、見事な…

芥川龍之介『青年と死と』

いかにも芥川龍之介が好きそうな題材。この作品の元となったのは「龍樹菩薩伝」で、龍樹は、大乗仏教中観派の祖で八宗の祖師と称される人。真言宗では、真言八祖の1人であり、浄土真宗の七高僧の第一祖とされているそうです。その龍樹の俗伝の中に、以下のエ…

実篤公園

おいしいものを買いに行った途中で、立ち寄ったのが『実篤公園』。 仙川駅から徒歩10分、住宅地にあります。 公園内には、武者小路実篤さんが晩年の20年を過ごした邸宅がありました。 実篤公園の入口。右の写真は受付を拡大したところ。虫除けスプレーとキ…

偶然の賜物

Aneyと鎌倉に行き、道草した『鎌倉文学館』は、来きたいと思いながら、なかなか機会がなかった場所。 旧前田公爵別邸で “ 海を見下ろす瀟洒な洋館 ” “ バラ園の見事な景勝地 ”として人気のようですが、館内には、鎌倉文士を中心とした作家たちの直筆原稿も展…