本を読む
宮下奈都 著『羊と鋼の森』読了 高校生の時、学校のピアノの調律に来た調律師-板鳥さんの音に魅せられ、調律の世界に飛び込んだ外村青年。ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していくひとりの調律師の姿を、暖かく静謐な筆致で綴った感動…
佐藤正午 著『永遠の1/2』読了 【内容】 失業したとたんにツキがまわってきた。 年の暮れに会社をやめた。 大晦日の朝 婚約者から速達が届き、結婚の話は御破算にしたいといわれた。 年が明けると競輪は負け知らずで、失業保険も手付かずのまま懐の心配はな…
小川洋子 著『博士の愛した数式』を読了 【内容】 家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。 彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字…
久々のアンソロジー作、 『いつか、アジアの街角で』を読了 中島京子さんと角田光代さんは読んだことがあるが、それ以外は初めての作家さんだった。 《アジアの街角》と銘打つ短編集だが、アジアのことがちゃんと描かれている作品は思いのほか少ない。実際に…
小川洋子 著『猫を抱いて象と泳ぐ』を読了 この本を手に取るキッカケは、よんばばさんのブログだった。 よんばばさんの紹介文を読み、すぐさま図書館に走った。 あらすじは毎度のことながら、素晴らしいよんばばさんの説明を読んでいただきたいです。 hikiko…
村田喜代子 著『飛族ひぞく』を読了 「わしは生まれて九十年がとこ、この島に住んで、 今が一番悩みもねえで、安気な暮らしじゃ。 おまえは妙な気遣いばせんで、 さっさと水曜の朝に船で去んでしまえ」 かつて漁業で栄えた養生島に、女がふたりだけで暮らし…
阿部暁子 著『カフネ』を読了 この本のことは、つるひめさんのブログで知った。 tsuruhime-beat.hatenablog.com すぐに図書館にリクエストをしたが順番待ちで5か月もかかった。 私のあとにも待っている人がいるという人気の本である。 一緒に生きよう。 あな…
朱野帰子 著『対岸の家事』読了 「専業主婦なんか、絶滅危惧種だよね」 村上詩穂は、今ドキ珍しい「専業主婦」。居酒屋に勤める激務の夫と、おてんばな2歳の娘。 決して裕福ではないけれど、家族のために専業主婦という道を選んだ詩穂のまわりには、同じ主…
第三巻に出て来た、ベルツッチオという男が面白い。 この人物の告白が後の伏線になっているようなので、ここを抑えておかないと迷子になる。 ベルツッチオは、ダンテスが投獄されている間、ヴィルフォールやカドルッスなどと関わっていて彼らの闇を目撃して…
モンテ・クリスト伯、岩波文庫版 第三巻を読了 第三巻は、ダンテスをだました三人の男たちが出て来る。 この回ではダンテスは「モンテ・クリスト伯」を名乗っていて、国籍不明の金持ちとして登場し、フランスには行ったことがないと言っている。 モンテ・ク…
佐藤賢一 著『黒い悪魔』読了 この作品は『モンテクリスト伯』の作者アレクサンドル・デュマの父親-デュマ将軍の生涯を描いたものだが、佐藤さんはフィクションをいくつか使い物語に厚みを出していた。 内容的には、ナポレオンと同時期に軍人となったデュマ…
今回のトマトスパゲティは、美味しさ更新! トマト鍋の残りスープで作ったんですが、それはそれは上手に出来ました。 下地はモランボンのトマト鍋 このスープは、モランボンが精力込めて作りあげた美味しいエキスが詰まっているから、それだけでも美味しいス…
トム・リース著 『ナポレオンに背いた黒い将軍』読了 2段組みで注釈が多い本だったので、読み終わるのにかなりの時間を要した。 この本は『モンテクリスト伯』の著書であるアレクサンドル・デュマの父親、デュマ将軍について書かれたもので、小説ではない。 …
中島京子 著『夢見る帝都図書館』読了 本書は、よんばばさんが紹介されていたので読みたくなったものだ。 早速図書館に走り、借りてきてあっという間に読み切ってしまった。 よんばばさん、そのくらい面白くて 度ストライクの本でした。 いつも素敵な本のご…
目下『ナポレオンに背いた黒い将軍』という本を読んでいるのだが、 膨大な情報のひとつひとつに興味をとられ、なかなか進まない。 時間がかかっても、それはそれで楽しいからいいけれど。 この本は 借り入れ延長を繰り替えすことになりそうだ。 現在 気にな…
図書館に借入予約をしているが、なかなか混みあって思う本が手に入らない。 だからといっては何だが、こんな本を読み始めている。 表題の<黒い将軍>というのは、 『モンテ・クリスト伯』作者アレクサンドル・デュマ・ペールの父親で、デュマ将軍のこと。 名…
岩波文庫版『モンテ・クリスト伯』は、実に面白い。 感慨深い話が、わんさかつまっている。 昨日読んだのは、主人公のダンテスが獄中でファリア司祭と出会うシーンだった。 ダンテスが無実の罪で投獄されて6年目、絶望から自殺を決意し、断食しはじめる。 だ…
昨年から、巌窟王の翻訳の読み比べを愉しんでいる。 最初に読んだ小学館版 ( 西條八十 訳 ) でこの作品に魅了されたが、ところどころ話が飛んでいることに気づき、創元社版 ( 木村庄三郎 訳 ) を読んでみた。 創元社版は、小学館版と違ったところがふくらん…
井上靖 著『夏草冬濤』読了 昨年行った沼津の千本浜公園で、この文学碑を見て読みたくなった作品だ。 井上靖さんは軍医の父が赴任する際、祖母に預けられたり、父方の叔母宅に下宿したりして育つ。その幼少期を『しろばんば』に書き、中学時代の話を『夏草冬…
北方謙三 著『黄昏のために』読了 画家である「私」は、今日も独り、絵を描いている。 モチーフは人形、薔薇、動物の頭骨、階段…… 裸婦は描くが、風景画は描かない。 物は物らしく、あるべき姿を写し取る。 ふた月に一度アトリエに訪れる画商・吉野に絵を売…
ギュンター・ヴァイゼンボルン 著『炎と果実』読了 1954年に山下肇 翻訳で刊行された古書。 著者の優れた才能と感受性と強さ、 そして著者がおかれたナチスドイツの時代の恐ろしさに触れ、心をわしづかみされる本だった。 ヴァイゼンボルンというドイツの作…
君嶋彼方 著『春のほとりで』読了 この本は、昨年の10月によんばばさんがブログにあげていたので読んでみたくなったものだ。 hikikomoriobaba.hatenadiary.com 本作品 ( 短編集 ) の主人公たちは、スクールカーストにさらされ、周囲の目を気にして学校生活を…
『巌窟王』を読み比べて、楽しんでいる。 最初のは、小学館名作文庫 ( 児童書 ) 西條八十 訳。 後の方は、創元社 世界大ロマン全集 木村庄三郎 訳。 二つを読み比べてみると、意外にも西條さんの方がかなり入念に書き込んでいる。 冒頭の部分だから丁寧に主…
A・デュマ著『巌窟王』読了 すごーい簡単なあらすじ エドモンド・ダンテスは、友だちに裏切られて、牢に閉じ込められる。 14年の後に脱獄に成功。宝を得て世に出て、復讐する。 もう少し詳しいあらすじ というか言の起こり ダンテスは19歳でファラオン号の一…
バロネス・オルツィ 著『紅はこべ』読了 【あらすじ】 1792年のフランス革命真っただ中のフランスは、ただ貴族や聖職者だと言うだけでギロチンにかけられる毎日だった。 そんな中、鮮やかな手口で貴族を救い出しイギリスに亡命させる謎の一団が現れる。革命…
ギュンター・ヴァイゼンボルン 著『天使が二人天降る』読了 奥付をみると、1956年 ( 昭和31年 ) とある。 今から58年も昔に刊行された本だ。 私が買った本には帯がなかったけれど、 ネットで検索したら《劇団「仲間」上演台本》だとわかった。 巻末の訳者あ…
平野啓一郎 著『マチネの終わりに』読了 【内容】 主人公の蒔野は、若くしてクラシックギターの最前線を背負ってきた天才ギタリスト。 ある日、演奏会後の友人との食事会にて、通信社でジャーナリストとして活躍する、記者の洋子と出会う。 出会った時からお…
村松友視 著『鎌倉のおばさん』を読了 鎌倉のおばさんとは、村松友視の祖父・村松梢風の愛人だった絹江のこと。 絹代は梢風死去、鎌倉の家で一人暮らしていたが、梢風の菩提寺である覚園寺先代未亡人宅で倒れて亡くなる。この物語は絹江が亡くなったというと…
原田マハ著『暗幕のゲルニカ』を読了。 原田さんの作品は、『異邦人』と『たゆたえども沈まず』を読んだが、 この本は『たゆたえども~』と同じ路線で、史実と創作が重なった組み立てだった。 読んでいる途中、どれが史実でどれが著者の創作なのだろうと気に…
ドラマ『団地のふたり』を視聴後、原作本を読んだ。 大抵、原作→映画・ドラマの順だが、今回は逆だったので、 出演者の小林聡美さんと小泉今日子さんの顔が浮かんでの読書となった。 だが、いつものように原作を読んでからの映像だったとしても、 多分、この…