本を読む
原田マハ 著『異邦人 ( いりびと ) 』を読了 この作品は先月視聴したドラマ『異邦人』WOWOWが面白かったので、読んでみたくなった一冊。 原田マハさんの本は初めてだった。 garadanikki.hatenablog.com 京都に、夜、到着したのはこれが初めてだった。春の宵…
吉田修一 著『flowers』を読了。 本作は、吉田修一コレクションⅣ「長崎」に収録 また文春文庫「最後の息子」に収録 自由な発想の女と、ルーティンを守る男の話 主人公の僕 ( 石田 ) は、妻の鞠子が東京で喜劇役者をやりたいというので九州から上京する。 東…
吉田修一 著『破片』を読了 本作は、吉田修一コレクションⅣ「長崎」に収録 また文春文庫「最後の息子」に収録 一年ぶりに東京から長崎に帰郷した兄・大海と、実家の酒屋を継いだ弟・岳志は、父親・昭三とともに磯遊びに出かける。三人が向かう磯は昔から家族…
吉田修一 コレクションから『キャンセルされた街の案内』『長崎乱楽坂』を読んだ。 作品が書かれた順は《キャンセル》が1998年で、《長崎》が2002年なのだが、 《キャンセル》に出てくる主人公の兄が、《長崎》の主人公と重なる。 《長崎》の方は兄目線で物…
三田 完 著『モーニングサービス』を読了。 浅草は観音裏、昭和の香りを色濃く残す喫茶店「カサブランカ」。美味しいコーヒーと亭主夫妻の人柄に惹かれ、今日もまた、風変わりな客たちがやってくる。芸者の大姐さん、吉原の泡姫、秘密を抱えた医大生・・・そ…
図書館から借りた吉田修一さんの本が驚くほど厚いので超大作なのかと頁をめくると、 長編小説ではなく、全集の4巻目だった。 昭和の作家のものはあるが、昨今の流行作家の全集は珍しい。 第四巻「長崎」 吉田修一さんの出身が長崎なので、長崎にまつわる小説…
吉田修一 著『路 ( ルウ ) 』を読了。 1999年、台北~高雄間の台湾高速鉄道を日本の新幹線が走ることになった。 入社4年目の商社員、多田春香は現地への出向が決まった。 春香には大学時代に初めて台湾を訪れた6年前の夏、エリックという英語名の台湾人青年…
このところ青山美智子さんの本を立て続けに楽しんでいる。 読んだ順番に並べるとこんな感じ 『お探し物は図書室まで』 『鎌倉うずまき案内所』 『月曜日の抹茶カフェ』 『木曜日にはココアを』 『猫のお告げは樹の下で』 目についたものから手あたり次第 読…
林真理子 著『小説8050』を読了 人間性と経済問題について深く考えさせられた小説だった 私は林真理子さんがあまり得意ではない。 インタビューなどを拝見して「この人とは肌が合わないな」と思うこともあった。 林さんの小説はとても売れているというのは知…
今日は、最新作『ビブリア古書堂』に出てきた鎌倉文庫に関連して話を始めます。 私が鎌倉好きなのには色々わけがありますがそのひとつには、 好きな作家が鎌倉にこぞってお住まいだったということも関係しています。 《作家》より《文士》という方がお似合い…
三上 延 著『ビブリア古書堂の事件手帖』Ⅳ ~扉子たちと継がれる道~ 読了 ビブリアは、栞子さんシリーズが7巻、娘・扉子さんシリーズが4巻、計11巻の人気作品。 今回は戦中、鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわる話を、 ビブリア古書堂…
吉田修一 著『湖の女たち』を読了。 最近 読んだ本は、ほんわかした内容が多かったので、毛色が変わり衝撃的だった。 【内容】 琵琶湖に近い介護施設で、100歳の入居者が死んだ。 亡くなった入居者 (市島民男) は人工呼吸器をつけて療養中だったが、朝方心肺…
青山美智子 著『鎌倉うずまき案内所』読了、第一回目 あえて《第一回目》と書いたのは、もう一回読んでみようと思っているからだ。 青山さんの本は、沢山の気づきがあって面白い。 前回読んだ『お探し物は図書室まで』もそうだったように garadanikki.hatena…
瀬尾まいこ著 『幸福な食卓』を読了 佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けにくる母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて・・・。それぞれ切なさを抱え…
『続 横道世之介』を読了。 前作『横道世之介』は1987年を舞台に、大学進学で上京した横道世之介の一年間を描いた小説だったが、二作目は1993年、24歳になった世之介の話だ。 就職活動で52社全敗し大学を卒業した世之介は、アルバイトとパチンコにあけくれ、…
今年のゴールデンウィークはどこにも行かずに家で過ごている。 MOURI が 会社勤めをしていた時には、旗日にしか出かけられなかったけれど、 在宅ワークになった今では、旅行は時期を外せるから有難い。 だが今年は、国内旅行はバカバカしいほど高いので、観…
『横道世之介』に続けて読んだのが『52ヘルツのクジラたち』だった。 読みやすくてベッドに入り一晩で読んでしまった。 町田そのこさんの本は、最近よく手にしている。 garadanikki.hatenablog.com garadanikki.hatenablog.com garadanikki.hatenablog.com …
吉田修一 著『横道世之介』を読了 【あらすじ、というか世之介の周りに変なひとたち紹介】 1980年代後半バブルの真っただ中。 大学進学のために長崎から上京してきた世之介青年の一年間をつづった物語。 入学式で隣同士になった倉持君や、初めての講義で隣同…
ブックオフ購入の本から手始めに読んだのは『ビブリア古書堂の事件手帖』だった。 第二シリーズ・扉子編のⅢ「扉子と虚ろな夢」 ビブリア古書堂の事件手帖は、今までに11巻 発行されている。 ※ 栞子編が7巻 扉子編が4巻 【概 要】 栞子は、北鎌倉にあるビ…
映画『横道世之介』を鑑賞 横道世之介については去年の11月、つるひめさんが『永遠と横道世之介』という本を紹介されていて、 その記事に感銘を受けて、本を読んだことから始まる。 こちらを是非! 素晴らしい書評です⤵ tsuruhime-beat.hatenablog.com 『永…
山本一力 著『ワシントンハイツの旋風 ( かぜ ) 』を読了 この本は、図書館の《渋谷コーナー》にあった本を4~5冊まとめて借りてきた中の一冊だった。 この小説は、時代小説作家の山本一力さんの自伝的作品。 山本さんの略歴を見ると、 高知県に生まれ。生家…
瀬尾まいこ著 『夜明けのすべて』を読了 【あらすじ】 HPより 知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。 「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」 職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS ( 月経前症候…
藤岡陽子著『おしょりん』を読了。 「おしょりん」初めて聞く言葉だが福井県の方言で、田畑を覆う雪が固く凍った状態を指すのだそうだ。 福井の鯖江市は国産めがねフレームのシェア95%を占めるが、 最初に眼鏡づくりを始めたのは、鯖江市に隣接する麻生津地…
「神様のカルテ」5冊と、姉妹作品「勿忘草の咲く町で」を読了。 いやー面白い!! 栗原一止 が活躍する松本の、医療現場の世界観にずっぽり浸った一週間だった。 憧れの地、信州松本で繰り広げられるドラマというだけでワクワクするが、 そこで奮闘する医療…
夏川草介さんの本を二冊読んだところで、 代表作「神様のカルテ」にとりかかっている。 本作はテレビドラマにも映画にもなったので、 まとめ買いした古書の帯にはキャストの写真がのっている。 読む前にこういう写真を見たくはないが、自分が読み始めるのが…
青山美智子『鎌倉うずまき案内所』『木曜日にはココアを』の図書館の順番予約がまだなので、 その前に『お探し物は図書室まで』を読んだ。 この本は、既によんばばさんも、つるひめさんも読まれていて、 とうの昔に書評をアップされている。 hikikomoriobaba…
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』読了 公式HPより⤵ 私には五人の 父と母がある。その全員を大好きだ。 高校二年生の森宮優子。 生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮優子を名乗っている。 名付けた人物…
吉屋信子著『徳川秀忠の妻』読了 浅井三姉妹の末娘達子 (みちこ) ( お江 ) の波乱万丈の人生を描いた作品。 三姉妹の母は、言わずと知れたお市の方。 長姉の茶々は秀吉の側室とし後の淀君。末妹の達子は徳川家に嫁ぎ二代将軍・秀忠の実台所となる。 つまり姉…
冬に逆戻りのような寒さ。 雨も降っているし、暖かくしてゆっくり読書ときめこむ。 尾碕翠さんのことを書いた本があったので、読みはじめたが途中下車する。 人称がコロコロ変わり、誰の話をしているのかがわからなくなり迷子になった。 著者自身の話として…
そういえば、私は吉屋さんの小説を読んだことがない。 鎌倉によく行くのに吉屋記念館も素通りしていた。 勝手にややこしい小説を書く人なのかと思い込み、食わず嫌いだったことを悔いている。 今回『私の見た人』を読んで、しっかりした意思の持ち主でありな…