義父の手術中止に伴い、明日に備えて寝るとこの確保が必要になりましたが、
国際スズキメソード開催の影響で、どこも満室。
松本ホテル花月も昨日の部屋は埋まっていて、特別室なら取れるとのこと。
ええ~っ? どうする~?
観光に来たんじゃない。でも仕方がない。
松本は音楽や演劇や、とにかく文化水準の高い都市で、スズキメソードが終わったら、サイトウ・キネン・フェスティバル が始まるんだものね。
そうそう「サイトウ・キネン」は来年から「セイジ・オザワ・松本フェスティバル」に名称が変わるらしいわね。
宿も確保出来たし、じゃあ飯の確保か。(笑)
実は、松本に来たら行ってみたいと思っていた居酒屋さんがあって、昨日はその店休みだったから諦めてたんだけど、電話してみました。
居酒屋の名前は『きく蔵』といって、日本居酒屋紀行という番組で紹介していたんだけど、松本は、太田和彦さん(その番組のパーソナリティー)の故郷でもあることから、特に力を入れて推薦したのを思い出して。
とりあえず3人OKということでお邪魔することにしました。
お店に入ると、カウンター席の一番奥に先客が2人。そのお隣から詰めて座って下さいということ。
ワタシが座った席がちょうどご主人の作業する正面に位置することから、お手元も拝見できて楽しい♪
まずはお通し。
金針菜に、かけてあるマヨネーズは勿論、手を加えてあって美味しい。
マヨネーズのツンとする酸っぱさを抑える何かの工夫をしているんだけど、
うわ~、なんだろう。お出汁を足してあるのかな…
この貝も、わ~いの味です。
何ていう貝だったかなあ。
真ん中のおからがね、また凄く端正な味付けなの。
おからは、今まで藤沢「久昇」さんのが一番好きだったんだけど、これがベストに。
美味しいものを食べると、何が入っているのか頭の中がクルクルするんだけど、
うぅぅぅわからん。
どうしても、わからん。ウマすぎるだけに、悔しい。
馬刺し
昨晩のいとう家さんの馬刺しと同じ、赤いお味噌が添えてある。
これがまた合うんですよね。
松本 山賊焼き
ご主人曰く、山賊焼きは、松本のB級グルメなんですって。
鶏肉を切り伸ばして、片栗粉を付けてカリッと揚げてあるんだけど、この食感凄すぎ。
これを食べたら、普通の唐揚げが食べられない。
茶豆
茶豆の風味もさることながら、塩の塩梅、茹で具合パーフェクト。
かじかの唐揚げ
頭からバリバリ食べられるんだからもう。
焼き大あさり
火が燃えてます。
ユラユラ燃えてる殻の中で、ハマグリほどあるあさりがコトコト。
味はねハマグリと全然違って、大きいのにアサリの濃厚なこと。
食感もプリプリしていて、お汁も美味しい。。。最高っ!!
ぼたん海老の刺身
・・・・言葉は要らないでしょう?
新じゃが照り煮
薄く片栗をまとった新じゃがの照り煮、この甘辛、絶妙。
牛たんのお刺身
本当に信頼できる地場の仕入先のものでないと提供できないでしょうね。
るいべになっていて、とろんと甘くて美味しい。
焼きうちわ海老
形はえぐいが、一度食べたらくせになる。
海老と蟹のいいとこ取りの味なんだからもう。
焼いた海老の香りって、ご馳走だよね。もももも、物凄くウマっ!!
お香こ
隣の常連さんに「これ頼まないと駄目よ」と勧められたんですが、納得の味。
観光客ですゆえ、どうしてもダイナミックな一品料理ばっかり注文しがちでしょう?
流石に常連さん、渋いセレクトだよね、うん、お酒がすすみます。
「ええっ、食べられない」という母に、
「そんなこと言わない、食え、食え」と解して食べさせるMOURI
「美味しい~」「でしょう?」だって。
常連さん、義母⇔義息子の会話を聞いて笑ってます。
きく蔵さんに飾ってある生花も、それはそれはゴージャス。
お手洗いに、こんな凄い花、ないよね。
もうひとつ、常連さんに勧められたのがコレ。
きく蔵に来てコレ食べないなんて駄目だって。(笑)
鮑と冬瓜の旨煮
「写真撮らないんですか?」
ご主人に言われてパチリ。入店時「写真撮ってもいいでしょうか?」とお伺いしたら、
「もちろん、どうぞどうぞ」と言っていただいて。
これだけ、なかなか撮らないから、ご主人の方から促された。(笑)
おいし~い。今日のは鮑じゃなくて、○○だって言ってたけど、うう、何だっけ。
ご主人の姿がブレて写るのは、じっとしてないから、手元なんかもっと素早いの。
それなのにワサワサして見えないのは、お話のテンポがゆっくり丁寧だからかも知れない。
仕事をしながら、さりげなくお客さんの会話を聞いていて、聞きのがさないんだから。
「あらこれ、紫陽花の葉だ」なんて言ってると、
「そうそうこの間 『これも食べられるんだ』と手を伸ばされた方がいらして、
寸でのところで留めましたけどねぇ。あぶないあぶない。(笑)」
「岩ガキには大葉じゃ、敗けますよね。紫陽花バッチリね。」って言ったら、照れ笑いをされていた。
ご主人の素敵なところは、常連さんとご新規さんに対する態度が変わらない。
それって、なかなか出来ることじゃないと思う。
母が植物の話を始めたら、ゴソゴソっと何か引っ張り出してきてくれて…。
何かと思ったら、長野の食べられる植物の図鑑。
こうやって日々、研究されてるんだねぇ。
店内には、ご主人の描いたという絵も飾られていて、それも素晴らしいの。
絵からも、お話からも、もちろん作る料理からもご主人の人柄がにじみ出ていてね。
『きく蔵』さん、お料理も全部美味しかったけど、何よりもご主人の人柄で人気なんでしょうね。
ごちそうさまでした。美味しかったです。