暖房ガンガンの部屋での作業で、みんなの喉の調子が心配になる。
そうだ。
友達に黒飴、買ってきてもらおう。
おうおう いいじゃないか。
シンプルな包装だが、中身が命。
この店の黒飴は、吟味された材料で作られているのだそうだ。
成分表に、赤糖と中双糖とある。
以前は黒糖を使っていたこともあったが、甘味とねっとり感の問題で赤糖にいきついたらしい。
中双糖は、ザラメのこと。
「サラッとして美味しい」と、食べた方がおっしゃってくれた。
富ヶ谷の岬屋は、由緒正しき京菓子屋である。
MOURIのお父さんが存命の頃、父の日に差し上げたことがあった。
お義父さんの感想がふるっていて「作家先生になった気分だ」との由。
岬屋には、古代蒸という商品がある。
小豆と大和芋を使った、それはたいそう上品な和菓子だ。
浮島といういわゆる蒸しケーキで、限定販売だったと思う。
15年ほど前に食べた時には、若い身にはもったいない菓子だと思った。
「もっと大人にならないと、このお菓子の良さは分からないんだろう」と。
岬屋の菓子は、どれも上品で手のこんだものだが、
何故か京菓子より、夏は水ようかん、冬は黒飴が人気だそうだ。
「ウチは飴屋じゃないんだけどな」と、ご店主がしょげているとか、いないとか。