ラストの夜は、待ちにまった金沢。
福井から北上して富山に入り、また戻る位置にあるけれど、
日曜が「いたる」の定休日だった為、月曜日泊にしたのです。
富山から国道をしばらく走ると 視野の右端に何か変なものが見えました。
何だろう、あの木
ねじねじのや、オシャレに刈り込まれたスピッツみたいなのや、左の方は一列に並んでいる。
車は急に止まれない
後ろ髪を引かれながらも通り過ぎてしまいました。
なんだったんだろうなぁ。
笑蔵::エムゾー(id:mzo) さん、国道8号線の小江部に向かう道の右側なんですが、
ご存知ないですか? もしわかったら教えてください。
金沢着 17:30
ホテルは前回も利用したアパホテル。
金沢にはアパホテルが沢山あります。
その中、居酒屋への利便性から片町のアパホテルにします。
しかし、片町にも3つあって迷うんです。
アパヴィラホテルだったか、金沢中央だったか、片町だったかなあ。。。
昨年泊ったアパが、BarSpoonからも酔っても転がって帰れる距離にあり、なおかつ展望風呂もあるので再びそこにしたいんです。
電話で問い合わせた結果、アパホテル金沢中央だとわかりました。
金沢中央の向い側には、アパヴィラホテル金沢片町があって、そっちは全室セミスイート ( 32平米~ ) なんだって。元々はマンションだったというのが広さの理由。
但し、駐車場がなく ( 近所の契約駐車場を利用 ) 。風呂と朝食は通りを渡った金沢中央のを利用しなければならない。それって面倒でしょう? どう考えても。
想像してください。
風呂からもう一度着替えて、道路を渡って帰らなきゃならない。
広さ ( アパヴィラ ) と風呂・朝食 ( 金沢中央 ) を比較して前と同じホテルにしました。
金沢中央の名物 天然サウナ片町 男性露店風呂
ホテルにチェックインして「いたる」に電話。
すると、、、、ショック~~ 満席なんですって。
何の為月曜日にしたんだか
そう思いましたよ。
でも私たちは転んでも泣かない強い子です。
泣かないばかりか、ただでは起きません。
違う店にしよう
猩猩 ( しょうじょう ) に電話をしてみたら、8時から予約があるのでそれまでならということ。
早速 向かいます。
あーら いい感じの佇まいではないですか。
せせらぎ通りというんですか、右側に川が流れていまして、
お店はその川にかかる橋を渡って入ります。
あら素敵。ワクワク
猩猩は、6名ほどの座敷に、カウンター8席ほどの小さな店。
感じの良いご主人と、これまた明るくて感じの良い加賀美人に出迎えられました。
ビールを飲んで、汗がひいたところで注文。
そして「お料理の写真撮らせてもらっていいでしょうか」と聞く。
その女性「ええ、どうぞ。美味しそうに撮ってくださいね❤」とのこと。
美味しそうにか、ハードルあがった。
美味しいものを、忠実に美味しそうに撮るのって結構至難の技だもの。
でも頑張る。
お通し
卵を溶いて寒天で固めたもので、金沢の郷土料理だそうです。
名前を「えびす」別名「べろべろ」と言うらしい。
何て剽軽な名前なんだろう。
お出汁と卵だけの簡単なものだから、胡麻化しはきかない。
お通しから、こういったものを提供するたあ、
ご主人やるわい。
さて注文ですが、私達は8時前には退散しないといけないんで、要領よく頼みます。
黒板に書いてあるのはどれも美味しそう。
色々目移りするけれど、特に気になったものを何品かまとめてお願いしました。
手作り豆腐
おいしい。
柔らかくまろやかで濃厚な、でも癖のない品の良い大豆の風味が広がります。
塩を少しつけていただくと、冷酒がすすみます。
砂肝の塩麹蒸し
これは凄い。
名前の通り、砂肝を塩麹で蒸している。
コリコリと弾力はあるものの、柔らかく仕上がったのは塩麹のお蔭かな。
「鶏臭さが気になる」という人がいたら是非、試してみるといい。
塩麹で鶏独特の匂いもかぐわしい風合になると思われます。
帰ったら、早速試してみよう。
赤イカの昆布締め
叩いた赤イカを昆布に乗せて一夜 ( かどうかは? ) 置いたもの。
イカがこれでもかという程ねっとりして、昆布のうま味成分がこれでもかと押し寄せてくる。
「なんでこんなに甘いのか」と思うほどの甘さだから、生姜をちょこんと乗せてみる。
たちまちスッキリした味になり、またお酒がすすみます。
お酒は遊穂と、お店の名前と同じ猩猩を飲みました。
少し酸味があるかしら。
肉料理とか少しこってり目のものと合いそうな気がします。
この酒器もいいですね、大胆で野趣あふれる様。
煌びやかな金沢の器と全く違う嗜好が面白い。
ご主人の遊び心かな、金箔や派手めな色つけの食器を使うのかと思いきや、
この裏切り感にクスリときた。
万願寺とうがらし
好きなんです、私達。
目がないのでやっぱり注文してしまいました。
おかかは要らない派だったんだけど、この糸けずり美味しい。
金時草と蟹の酢の物
黒板に「金時草」の文字を見て、即 お願いしました。
なるほど、こういう風に食べるのか。。。
昨年、近江町市場の北川食品さんで加賀野菜を山とこ買って帰りまして、
金時草はその中でも食べたことのなかった野菜でネットで見様見真似。
正解がわからず食したものでした。
こうやってプロの手にかかったものを食べてみますと、
茹で加減、金時草に合う酢加減が、とても参考になる。
いや、ウマい。
金時草の紫のつゆも美しい。ゼリー仕立てにした酢醤油も夏らしくて素敵。
そしてもうひとつ、大好きなコリンキーが添えてあって感動!!
シマダイの塩焼き
最後に配膳されたのが、シマダイの塩焼き。
待ち切れずにお腹のところをパクついてしまいました w
それが正解。
ほどよく脂がのっていて、柔らかいけれど弾力があって凄く美味しい。
こちらには、さっき冷酒で飲んだ猩々を、今度はぬる燗で飲んでみよう。
猩猩は、顔は人、体は猿、声は子供のようで、大酒飲みな中国の妖怪なんですと。
このお店「猩猩」のカウンターには目を惹くお人形があります。
6枚ほど前の「遊穂」のバックにチラッと写っている人形。
これは、お借りした写真です
加賀美人の彼女にお聞きしたら、金沢 ( ? ) 在住の女性作家さんの作品なんですって。
飾られている場所も特等席だし、
お店の印象をも決定づけるインパクトのあるお人形だもの、魅入ってしまいます。
日本のものでもない、海外?
なんだかアフリカの民族衣装のようでもあるし、様々な柄の端切れをまとった手足のやたら長い、指の長~い人形なんだけど、気になる、気になるぞ、気になって仕方がない。
座禅を組んでいる様が、チベットのお坊さんみたいで「オムマニペメフム」と唱えたくなる。
もしここにコケシとか達磨とか、はたまた東茶屋街に売ってるような人形があったら「ふーん」と思ってしまったろうに。。。
ご主人のそこはかとなく得体の知れない (失礼) 趣味人の一面が、人形から伝わってくる。
その辺のお話もご主人としたかったけれど、厨房にこもってしまわれていたので叶いませんでした。
でもしかし。
猩猩には、この人形に勝るとも劣らない2人の加賀美人がいらっしゃる。
1人は、先ほどよりセンスあふれる会話で私たちを楽しませてくれた女性。
お料理のこと、お酒のこと、何を聞いても即時に的確なコメントが口からこぼれ出す。
そしてもう1人は、先人よりも少し若いかな、笑顔が素晴らしい女性。
彼女は途中からカウンターに立たれたんですが、会った途端彼女の「にこ~」にやられました。
本当に笑顔って女性の最大の宝物だと思いました。
彼女の「にこ~」は日本一。
どんなにご機嫌が悪い男性も、彼女の「にこ~」を見たらたちまちノックアウトされるはず。
ご主人とはお話できなかったけれど、作って下さった美味しい料理とお2人の加賀美人のお蔭で大満足大感動で、一軒目楽しく過ごすことが出来ました。
猩猩の皆さん、ごちそうさま。美味しかったです。そして楽しかったです。