初日の会食からホテルに帰る道すがら、気になる店を見つけました。
昭和の良き佇まいのその店はひときわ目を惹きます。
「釜あげうどんって書いてあるわよ」
気になったのは私だけではないようで、何人かチェックして帰りました。
次の日、まだ時間があったので早速 出かけてみる。
お昼どき。
のれんをくぐると、店内は温かい湿気につつまれています。
厨房の、釜あげの湯がたぎっているからでしょう。
入って正面のガラスケースには、稲荷ずしと鯖寿司が並んでいます。
左手のレジで先にお金を払うのか、それとも食べた後の会計なのか、、、
システムがわからずちょっと迷っていると、お1人様テーブルに案内されました。
メニューはシンプル
釜あげうどんは、大と並、、それだけ。
サイドメニューの稲荷ずしと鯖寿司を頼もうかどうしようか。。。
じゃん
頼まずいらりょうか (笑)
押しずしですから、かなりのボリュームです。
1人だし、どうしようかと迷いましたが、そう来れる所でなし。
いや二度と訪れる機会がないかも知れぬ。
ちょっと多いと思いましたが、食べた分だけ 歩けばいいさ。
美味しい。
シンプルな寿司です。
酢飯は心もち甘めだけれど、焼き鯖の脂との相性はバッチリ。
小さく上に乗っているピンクは何かな? 紫蘇漬けのかぶかしら。
これまたいいアクセントになっているんだが、正体を確かめるには小っこ過ぎてわかりませんでした。
お昼時だし あまりパチパチも写真は撮れないから。
私の席の壁にはずらっと有名人の写真が飾ってあります。
すごい量の写真です。
新しいところではコブクロのお2人さん。
あらまあ、さだまさしさんの若いこと。
関口宏さんと山田邦子さんも一緒に入店されてます。
時代でしょうね、関口さんがかざしている空のどんぶりの、指にはたばこが。。。
ここは元々、宮崎キャンプで巨人軍の選手たち大勢が通った店らしい。
奥座敷には寄せ書きがありました。
特に、選手時代の長嶋さんはこの店をひいきにしていたようで、
店が有名になったのも「長嶋・王が愛した店」ということからみたいです。
店内には長嶋さんの現役時代の写真が沢山飾ってありました。
「いつまでも写真が飾られてしまう有名人って、どんな気分なのかな。。。」
つらつら思いふけっていると配膳されましたのがコチラ
おおーっシンプル
太さが不揃いな THE 手打ちうどん。
これをタレにくぐらせて食べるようです。
「しょっぱくはないのかい?」そんな想像をしちゃうほど濃い色の汁に天かすと子葱。
じーっしょく
最初は濃いかな?と思いましたが、適度に甘さがあって丁度いい。
うどんはモチモチというよりクタクタ一歩手前というほどの柔らかさ。
この柔らかさがいいのでしょう、この汁には。
ブルンと弾力があり過ぎるよか、トゥルンとした食感が合うんでしょう。
柔らかく うでた うどんだから、溶けだして表面がでこぼこしている。
その毛羽立ったところに、汁が馴染むのを計算しているんですな、きっと。
食べ進むうちに、うどんについた水分でつゆ自体の味が変わっていく。
最初キリリとしていた汁が、次第に甘さとマイルドさを増していくのが愉快。
そして。。。
食べ終わった丼ぶり ( うどんが入っていた方 ) の白湯の中に、つけ汁を入れて飲み干すのだそうです。
やってみました。
おいしーーーーーっ!!!
誰が考えたんでしょう。この食べかたは。
「一粒で二度美味しい」
いんや。食べ始め⇒真中⇒飲み干すの三段階に変化するつけ汁のウマさは絶品でした。
これはクセになる、、、といっても宮崎だもの。
そう食べられるものでない。
後ろ髪をひかれながら店を後にします。
いや美味しかった。ごちそうさまでした。