豊橋にお邪魔をした時に、 よんばば (id:yonnbaba) さん からお土産を頂戴してしまいました。
凄いものです。美味しそうです。
若松園のゼリー
早速いただきます
美味しい~~~
黄色いゼリーは見た目にも美しく。
口に運べばサラッと喉ごしがよく。
甘すぎず酸っぱ過ぎず、爽やかな幸せが広がります。
果実は日向夏だそうですが、これがまたサッパリして、いいアクセントになっている。
デパートの地下食品街には、有名ブランドのゼリーが並んでいますが、
そのどれよりもさっぱりと、すっきりとしています。
余分なことをしていないというかな、果実の味をそこねていないと言う感じ。
実はこのゼリー、井上靖さんの生誕100年を記念して復活させたお菓子なんですって。
若松園は井上の生誕100年を迎えた2007年に、井上靖文学館の依頼などを受け、
このゼリーを復刻した。
戦災でレシピは既になく、先代の「原料に夏ミカンを使った」という言葉を便りに研究を重ね最高級の日向夏を使って「溶けるように美味い」味を再現した。
じゃ何故、井上靖さんの生誕を記念して作られたかというと、
井上靖さんの自伝的長編小説「しろばんば」に、このゼリーが登場するからです。
主人公の耕作がゼリーを食べた様子は、こんな風に描かれていました。
あす耕作とおぬい婆さんが帰国するという前日、夕食が終わってから、耕作は、母の七重と小夜子と女中の四人で繁華地区へ買物に出掛けた。
そして若松園という大きな菓子屋へ立ち寄って、その喫茶部で菓子を食べた。
こうしたところで、菓子を食べるということは、耕作には初めてのことであった。
黄色いゼリーの菓子で、スプーンを入れるのか勿体ないように、耕作にはそれが美しく見えた。
口に入れると溶けるように美味かった。
耕作は、この美味しさを上の家の祖母や、さき子や、幸夫たちに知らせることができないのが残念に思われた。言葉で幾ら説明しても、説明できるとは思われなかった。
「しろばんば」第3章より
「言葉で幾ら説明しても、説明できるとは思えない」
そうです、これが ≪本当に感動するくらい美味しいもの≫ を食べた時の形容です。
景色だったら ♬ 絵~にも描けない美しさ って、いうでしょう?
件のゼリーのこと、先に拙い筆でグダグダ書きましたが無理でした。
どんなに言葉を尽くしても形容できないというのが、このゼリーなのだから。
でもね。このゼリーを何倍も美味しくしてくれたのは「豊橋土産に、是非食べてみて欲しい」という、
よんばばさんのお心遣いなのです。
よんばばさんに、お会いしたことだけで十分嬉しいことなのに、
本当に色々とごちそうになってしまいました。