ずっと前から気になっていたお店に初めて入店します。
目黒川緑道に行く時に通りがかったカフェで、池ノ上の商店街のはずれにあります。
はずれだなんて失礼ね、でも池ノ上は商店街といってもすぐに住宅地になっていく静かな町なんです。
店の名はPUTTO CAFE、プトーカフェと読むのかna
店内は想像した通りに素晴らしい。
左に真鍮のバーが付いた上質なカウンター。
右には 4席 4席 4席と3つに区切られたテーブルがあり、
ステンドグラスの間仕切りの向うに、更にいくつかの席がある様子。
店内には吟味しつくされたアンティークの調度品が並んでいます。
私が案内されたのは、右側の真ん中の席でした。
壁面の席はベンチソファーになっていて、4 4 4のテーブルは2席づつに分解できる仕掛けです。
空間上は1人~2人客でも2つのテーブルをくっつけた4人席が落ち着きます。
初めての店なのでブレンドにします
深煎りのブレンド、たまにはこのくらいガッシリした味がいい。
美味しいです。
ちょっと小腹が空いたので、店頭に貼りだしてあったホットケーキも所望。
アイスクリームがどどんと乗ったのにします。
うほっ凄いボリュームだ。
疲れているのか、アイスクリームもホットケーキもバターもメイプルも
体内にどんどんしみ込んでいきます。
おいてぃーーーー
ベンチソファー ( 壁側 ) に座ると、左にはイタリア人の男性と2人の日本女性が談話中。
イタリア語です。
カフェかと思いましたが、このお店、イタリア料理店でもあるらしい。
しばらくすると、私の右席に文学者らしきご老人と中年の女性編集者らしき人が着席。
何やら、新しい企画で先生に書いてもらいたいという依頼の様子。
小説かどうかはわかりませんが、まあ文学ということにしますと、その先生、
一緒に記事になる顔ぶれを聞いて「僕なんかでいいのかなぁ」としきりに謙遜しています。
女性編集者の方は、そつなくアピールを重ね、どうやら商談成立 ( みたい ) 。
その後は彼女の会社 ( 出版社 ) についての雑談がぽつりぽつり。
「うちは兎に角、社長がワンマンですからね、ちょっとしたことでどんどん ( 社員が ) 飛ばされます」
ええ~っ、気になる。どこの会社だ? そりゃ。
早川かしら、角川? ベストセラーズ? とにかく大手の老舗っぽい。
耳がダンボになりますが、良い喫茶店は音響効果が心憎く、とぎれとぎれでしか聞こえない。
話がつつぬけにならないから、取材や商談にはもってこいのお店なんでしょうne
そして今度は左側。
さっきまでいたイタリア人と日本人の3人客が帰った席に、30代の男性がつきました。
すると待つでもなくドアから、もう1人若い女性が入ってきた。
「お待たせしましたか、スミマセン」
「いえ僕も今来たところです」
2人は名刺交換なぞして、やはり企画の話から、こちらも取材のようなのです。
「適当に、何点か自前の帽子を持ってきました」
なんだろう、ファッションの? ミュージシャンぽくも見えるけど、、、、
右も左も気になるが、横を向いてまじまじと見られるものではない。
とりあえずコーヒーを飲みながら自分に集中します。
偶然にも出版関係のふた組に囲まれて読書を開始しました。
池ノ上は、下北沢の隣駅です。
シモキタに比べて住宅地ですから、喫茶店の数も少ない。
待ち合わせをするにも落ち着いて話するにも選択肢はなし。
どうしても、このお店が選ばれるのでしょう。
「このお店しかないから」というのは違いますne
ちょっと歩いて下北沢に行けばいいのに、わざわざこの店を選ぶのは、
このお店が適度に暗くて落ち着いていて、隣にもあまり声が聞こえず、最適な空間だからでしょう。
プートカフェは、老舗のようです。
昼は喫茶に軽食。
夜はイタリアンレストランとしても、バーとしても利用される地元に愛される名店のようです。
テントに書かれた「23715」はこの場所の処番地でした。
お店の上はマンションになっていて、すぐ上のフロアには解放感あふれるベランダが見えます。
あることが理由で「食べ物屋さんの上は住むものではない」なんぞと言う人もいますが、
私は住んでみたい。
多分このマンションの住人になれたら、プトーカフェに入り浸ってしまうだろうna
用向きがない限り、なかなかな通る街ではありませんが、また来てみたい。
今度は一杯飲みにでも。
また来たいと思う、素敵なお店が増えました。