面白い映画を観ました。私のストライクゾーンのまん真ん中。
「Destiny 鎌倉ものがたり」これが本当に面白い。
《物語》
幽霊や魔物、妖怪といった「人ならざるもの」が日常的に姿を現す古都・鎌倉。
この地に居を構えるミステリー作家・一色正和のもとに嫁いできた亜紀子は、妖怪や幽霊が人と仲良く暮らす鎌倉の街に最初は驚くが、次第に溶け込んでいく。
正和は本業の執筆に加え、魔物や幽霊が関わる難事件の捜査で警察に協力することもあり、日々はにぎやかに過ぎていった。
しかし、そんなある日、亜紀子が不測の事態に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。正和は亜紀子を取り戻すため、黄泉の国へ行くことを決意するが……。
この映画で深く共感したのは
「鎌倉では、幽霊・神様・仏様・魔物や死神たちも仲良く暮らしている」という設定でした。
「そうよね 鎌倉だもの」と頷いてしまったのです。
鎌倉に通い続けて半世紀、いつも思うのはそこなんです。
私には霊感は全くありません。
魔物も幽霊も一度も見たことはないけれど、「なんか連れて帰ったかも、、」と思うことがあるんです。
連れて帰ったかもと思うものを、私は《小鬼》と呼んでいます。
小鬼は、何日か家でどたどたしたり、ちょっと悪戯をしたりして、、、
そして、あんまり悪戯が過ぎると私は神社に行きお清めをしてきます。
私の友達で霊感の強い人がいて、彼女はどんなに誘っても鎌倉には同行してくれません。
MOURI もなんとなく嫌がるし、一昨年亡くなったマダムも鎌倉には《行けない人》でした。
マダムとご主人は、神社仏閣と植物をこよなく愛する人たちなので、鎌倉好きだろうと思っていました。
ところがご主人はこんなことを言ってました。
「鎌倉ねぇ、ようこも僕も大好きだからよく行ったんだ。
でも帰ってくると、必ずようこが寝込むんだ。
念が強い土地だからようこは負けるんだろうなと、行かなくなっちゃった」
なるほど、そういうこと わかります。
霊感の強い友人も、マダムも、もしかしたらウチのMOURI も、鎌倉は辛いのかも知れません。
素敵な場所なのにね、鎌倉
映画の好きなシーンをいくつか
今の何?
ただの河童だろ。
ちょっと、やめてくださいよ。
ここは鎌倉だぜ、何前年も前からあらゆる妖気が溜まりにたまってるんだ。
河童なんて普通にいるよ。
先々代からって、先生のお祖父さんからのお手伝いさんなんですか?
キンさんって85歳にしてはシャンとしてますね。
85歳ねぇ、いや、本人はそう言い張ってるんだけどさぁ、ご主人を戦争で失くしたとも言ってるんだよね。
でも昔はお嫁に行くのも早かったというし、だいたい計算合うんじゃないですか?
それが日露戦争なんだ。合わないだろ、計算。だいぶサバ読んでるよな。
軽く100歳超えてるじゃない?
なんかのイベント?
ここはね、鎌倉に住む魔物たちの市場、通称妖市。
魔物専門の物だけには気をつけて、そうすればここは本当にお買い得なものがそろってるわよ。
で、さっきのおばあさんが?
瀬戸さんちの裕子さん、驚くなよ。去年に亡くなっている。
ちょっとちょっと。
ここ鎌倉は、幽霊も魔物も普通の人のように暮らしてるんだ。
そう、死んじゃってるの。わたし。
足もちゃんとあるんですね。
ここ鎌倉には、幽霊申請っていうのがあるのよ。
この町は妖気が濃~く充満してるじゃない? そのせいで幽霊もはっきりして、普通の人のように生活できるのよ。
ちょっと外に出ると、魔物がトコトコ歩いていたり、
死神が江ノ電に乗って死んだ人を迎えに来たり。
映画では、作家夫婦、お隣の老夫婦、編集者の夫婦、そして作家の両親など、それぞれの家庭の夫婦像が優しく描かれています。
大切な人を残して黄泉の国に旅立たなければならない妻や夫。
残された夫や妻の気持ちを思うと胸がきゅんとなる。
コミカルなところもあるし、泣きたくなるところもあるし、
そして、大好きな鎌倉のあの道、この寺が沢山出てくる映画でした。
素晴らしい俳優さんが沢山出演していましたが、
特に良かったのは死神役の安藤サクラさん。
死神役のサクラさん、最高です。