Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

とっぴんぱらりの風太郎 を読み終えました。

「とっぴんばらりの風太郎」 ふーーーっ、読み終わりました。

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大抵3~4冊併読している私にとって、この本は面白くも、厚さのせいで持ち出せず、、、、

家にいる時に読むとなると、その時間がなかなかない、、、、

しかしラスト1/3は ( 家人が一日留守の日に ) 一気に読みました。

一気にとは《時間が取れた》という理由もあるけれど、後半面白くて止まらなかったということです。

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面白かったです すごく

 

内容は、乱世の頃の忍者のお話です。

今回はあえてあらすじ ( ネタバレ ) を割愛します。

出来たら読んで欲しいから。

 

それで登場人物をこんな形で紹介します。

ふっと笑えるところ担当は、風太郎と腐れ縁の相棒---黒弓との関係。

 忍びとして育った風太郎がしくじって、伊賀から追い出される原因を作ったのも黒弓でした。

 黒弓はマイペースで、京都でも結構うまいこと立ち回り生きている。

 しかし愛想のない、不器用な風太郎はニートのままなのです。

 

・・・・。

そうか、風太郎というのは、ぷうたろう、プー太郎ということか。

何をいまさらと言わないでください。にぶいのです私は。(;'∀')

 

コワッと背筋が寒くなる担当は、風太郎の頭---采女様と、敵対する月次組の頭---残菊。

 采女様は忍びの者を束ねる頭なんだけど、人を人とも思っていない。

 忍びの才能がないとみれば、幼い内からどんどん殺していき、

 忍びそのものが必要なくなれば、どんな手を使っても人減らしをしていく。

 この人に睨まれたら怖いだろうなぁという上司。

 

 もうひとり恐ろしいのは残菊という奴なんだけど、めっぽう強くて残虐なんです。

 残菊の手にかかって、バッタバッタと死んでいくのがもう恐ろしくて恐ろしくて。

 

不思議ちゃん担当は、ひょうたんの精っちゅうか、仙人っちゅうか、神さまっちゅうかそんなシト。

 何千年も昔に別れた相棒の神さんと会いたいとかで、風太郎をこき使います。

 神出鬼没に現れて、荒唐無稽なこと言ったりやったして、滅茶苦茶な世界に風太郎を引きずり込みます。

 

ほんわか担当は、世間知らずの公家---ひさご様。

 物語の中盤で風太郎がアルバイトとして駆り出されるのですが。

 その役目が、ひさご様の警護というかお守役。

 屋敷から一歩も外に出たことがない《ひさごさま》というお公家さんが、

 京都の町を歩いてみてみたいっちゅうことで、さる高貴な方に頼まれるんです。

 

 ひさご様と皆で蹴鞠をするシーンが微笑ましかったです。

 ひさご様はずんぐりデブ体形。動きもにぶいが、蹴鞠だけは上手いんです。

 一方、忍びの風太郎や黒弓は鞠なんぞ見たこともない。

 ただ運動神経だけはいいもんだから、やっている内に蹴鞠のコツをつかんでいく。

 京の広場で蹴鞠を始めた一行は、100とか200とか鞠を落とさないで蹴りつづけ記録更新しちゃう。

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京都御所に貼ってあった蹴鞠の写真

 

 知らなかったんですが、蹴鞠っていうのはバトルじゃないんですね、

 いかに相手に取りやすい鞠が蹴れるかという紳士の遊びなんですって。

 鞠を蹴りながら「ここいらの記録はいくつだ?」と回りの人に聞き、

 みんなでフーフー言いながら蹴り続け記録をやぶる。

 「凄いものやっとるぞ」と皆が集まってきて、やんややんやの喝采が起こる。

 後日、ひさご様が「あれは楽しかったなあ」という述懐したのにジーンとしました。

 

ほんわか担当のひさご様ですが、気の毒で悲しい担当でもあります。

 物語の後半、ひさご様がどんな境遇の人かもわかってくるワケですが、

 ひさご様は、黒弓や風太郎たちを人間として対等に扱い、優しく接します。

 風太郎は今までそんな風にされたことはないもんですが、ど感動します。

 ひさごさまのた~めなら、えーんやこーらー。

 

人間が人のために死を決して動くということは、こういうことなんですわ。

どこぞの国の大将のように、恐怖政治ではこうはいかぬ。

人徳が大事です。

目下の者をいかに大切にするか、愛するかです。

愛された人は、その人のために何百倍もの力を発揮しますから。

 

ネットを見てたら、本のイメージがわかる動画がありました⤵

 

この物語は、徳川の時代になろうとする頃、

平和な京が戦の匂いできな臭くなり、大坂の陣が勃発するという頃です。

 

忍びとして育てられた風太郎、蝉左右衛門、百市、常世は問題やしがらみや葛藤や苦悩を抱えている。

それがひとつひとつ判明していくたびに、全部悲しいし可哀そうで泣けてきます。

 

クライマックスの風太郎には大号泣です

本の一番最後の文章が、忍びたち全員が思っていただろう気持ちを代弁していて感動したからです。

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凄いものを読みました。

沢山泣きました。沢山しんみりしました。残酷なシーンも沢山ありました。

しかしそれが、こんな時代に生まれた人々、忍びとして育てられて子たちの性なんでしょう。

打ちのめされました。

 

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興味のわかれた方はぜひにと、ネタバレにならないように書きました。

なんだかわからんと思いますが、読んだらわかっていただけるだろうと願います。

ご容赦ください。

 

最後に。

私もやりたかった《キャスティング》ごっこを、これ以上ないというほど、

完璧にされた方のサイトを紹介させていただきます。

 

ワカバノキモチ 朝暮日記のwakabanokimochi さんです。

キャスティングもうなるほどバッチリだし、あらすじも完璧です。⤵