Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

大塚 滝不動さん

 

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大塚駅、世界飯店の隣に奇妙な施設があります。

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「滝不動」という看板があるその建物は、ビルのはざまにありました。

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お堂があります。

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脇には小さな滝? 水が流れているお池? ww

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とても奇妙な ( といっては罰があたるか ) 施設です。

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 入口の由緒書きがありました。

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元位置に移設された「滝不動」

かつて、豊島区地域の東側ほぼ北西部から南東部に向けて谷端川(やばたがわ)が流れていた頃、現豊島区北大塚一丁目十四番付近の谷端川沿いに 石造不動明王立像(せきぞうふどうみょうおうりゅうぞう)があり、地元の人々の信仰を集めていた。

川の流れが小さな滝のようになっていた場所に位置していたため「滝不動(たきふどう)」と呼ばれていたという。

 

ところが、昭和10年 ( 1935 ) 頃に行われた谷端川の暗渠化工事に伴い、「滝不動」は所在場所の近隣居住者 ( 北豊島郡巣鴨町2040番地 ) の個人所有となり、敷地内で維持管理されるようになった。その後、アジア太平洋戦争中の昭和20年4月13日に空襲の直撃を受け、台座部分を残して破損してしまった。

 

昭和30年頃、かつての所有者が石造不動明王座像(ざぞう)として再造立し、空襲の際に破損を免れた台座に据え、所有者敷地内 ( 南大塚三丁目二十八番 ) に安置した。

その後、平成11年 ( 1999 ) 9月の所有者自社ビル建築に伴い、石造不動明王像も当地に移設されたのである。

 

かつて谷端川沿いに所在した「滝不動」に関する情報は少なく、その姿を記憶している人も僅かである。しかしながら、本来地域住民の共有財産であったはずの「滝不動」が、形態は変化しながらも現在に伝えられ、再び元の所在地近くに移設されたことは、身近に所在する文化財を後世に蔦お手いくことを考えるうえで重要である。

  平成11年10月

東京都豊島区教育委員会

 

なになに? 大塚に川が流れていたって?

好奇心にメラメラ火がついた。

 

当時の川のはこんな感じだった     大正5~10年 ( 1916~1921 ) 頃

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「現豊島区北大塚一丁目十四番付近の谷端川沿いに石造不動明王立像(せきぞうふどうみょうおうりゅうぞう)があり」との由、

現在の地図に上の古地図から川と、必要箇所を足してみました。

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地図にお引越しの番号を書いてみました⤵

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⓪ 現豊島区北大塚1-14 付近の谷端川沿いに「不動明王立像」があり、

  川の流れが小さな滝のようになってたから「滝不動」と呼ばれていた。

① 昭和10年の暗渠化工事で、近隣 ( 2040番地 ) の人が個人所有として維持管理した。

② 昭和20年の空襲で台座部分が破損し、かつての所有者が座像として再造立し、

  所有者の敷地内 ( 南大塚3-28 ) に安置。

③ 平成11年に所有者自社ビル建築に伴い、元の場所に移設された。

 

 

由緒書きでは、

巣鴨町2040の居住者は、南大塚3-28にもお家があったようにも読み取れます。

大塚の大地主さんなのでしょうか。

更に「平成11年 ( 1999 ) 9月の所有者自社ビル建築に伴い、石造不動明王像も当地に移設された」とある。

それこそ大変なお金持ち?

 

で、そのビルはどこだろう。

現地の地図では「滝不動」は「日米ビル」の内にあるように書かれています。

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が。
俯瞰の写真で見ると「日米ビル」ではなく、隣の大きな建物にくっついているように見えます。

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大きな建物には、R&Bホテルとロイヤルホストと山下書店が入っています。

山下書店を紹介する記事に

「山下書店大塚店は1999年9月の開業の」とありました。

「平成11年 ( 1999 ) 9月の所有者自社ビル建築に伴い」と、年月が一致することから、

《所有者》の自社ビルは大きい建物と推測されます。

※ 詳しくは登記簿でも調べればわかるのかも知れませんが、わかったとして、

  そこまでつまびらかにする必要も個人情報の上でもなかろうと思い、ここまでにします。

 

流れを整理すると、

暗渠化に伴い「滝不動」を個人で維持管理されていた所有者は、

空襲で破損した「立像」を「座像」として再造立し大切に安置し、

自社ビル建築に伴い、元の場所に移設した。

 

再造立費用に加え、現在に至るまでの維持管理費や、この施設の建設、維持管理を考えると相当なものでしょう。

信仰心も地域への貢献度も高い。

 

ビルの谷間にひっそりと安置された「滝不動」を最初に見た時は「なんで?」と思いましたが、

経緯がわかればわかるほど、「滝不動」を守っていてくれた方の徳の高さを感じます。

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この施設だって、12年も経っているのにピカピカ。

凄いことだと思いました。

 

今回調べていて、ひとつだけ、わからず仕舞いだったのが、ご本尊です。

堂内にちらりと見える像は、上 ( お首? ) の部分が破損したように見えます。

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もしかして「台座部分を残して破損」とある破損した本体なのか。

由緒書きには「石造不動明王座像(ざぞう)として再造立し、空襲の際に破損を免れた台座に据え安置」とあるので破損しているはずはないようですが、、、

その辺のことはわからず仕舞いで、滝不動をあとにしました。