先日、同級生のブログを読んでいて気付いたことがあります。
昭和30年代生れの私たちにとって、朝の音は「コケコッコー」であり「トントントン」だったってこと。
「トントントン」お母さんがまな板で何かを切っている音です。
お母さんがまな板を使うのは朝だけではないけれど、「トントントン」は、何故か朝の音なんです。
早朝はまだ物音が少なくて「トントントン」が響くから。
因みに、夕方は音よりも匂いの印象が強いです。
夕飯時に近所の家から秋刀魚の焼ける匂いがしたり、煮物の醤油の香りがしたりする。
ところで。
最近、隣地で家を建て始めたらしく、窓を開けていると奇妙な音が聞こえてきます。
「バシャッ、バシャッ、バシャッ」大きなホチキスみたいな道具で、建具と建具をつなぐ音です。
妙に癇に障る音なんです。
昔は、トンカチの小気味の良い音だったのに。
「トントントン」という抜けの良い響きが、乾いた空気に乗って聞こえてくると、
自分の家でもないのに、完成が待ち遠しくウキウキした気分になったものでした。
「バシャッ、バシャッ、バシャッ」という音に、そんな感慨深さを感じないのは、
私だけなのでしょうか。