『今夜、ロマンス劇場で』という映画を観ました。
何となくテレビの番組欄で見つけて録画したものだったんですが、感動しました。
主演は、綾瀬はるかと坂口健太郎
二人とも好きな役者さん。
脇役もいいです。
本田翼、北村一輝、中尾明慶、石橋杏奈、西岡徳馬、江本明、加藤剛
「おっ、葉っぱのあんちゃんに、サプリも出るのか」
なんのことやらでしょうね。
我が家では坂口健太郎さんのことを『とと姉ちゃん』に出演してた時のあだ名で『葉っぱのあんちゃん』と呼んでいて、本田翼さんのことを『安堂ロイド』で演じていた修理アンドロイドの『サプリ』という呼び名で定着してしまってるのです。
そんなことはどうでもよかたい!
そうそう、映画のことでした。
とても清々しくて、みんなみんな優しくて、感涙しました。大洪水。
『からたちの花』の歌にもありますけど、
人が泣くには色々あれど、 《みんなみんな優しくて》泣く、これが一番素敵な涙だと思います。
この映画は、まさにそういう涙を流させてくれる映画です。
ストーリーは、
世の中が好景気で、映画産業も華々しき昭和35年頃が舞台。
映画監督を夢見る青年・健司 ( 坂口健太郎 ) が密かに想いを寄せるのは、通い慣れた映画館・ロマンス劇場の映写室で見つけた古いモノクロ映画のお姫様・美雪 ( 綾瀬はるか ) 。
今は誰も見なくなったその映画を、毎日のようにくり返し見ていた健司の前に、ある奇跡が起きる。
美雪が健司の前に突然現れたのだ。
モノクロの世界しか知らない美雪にカラフルな現実世界を案内する健司。
同じ時間を過ごす中で、2人は次第に惹かれ合っていく。
しかし、美雪にはある秘密があった。
現実の世界に来るための代償で、人のぬくもりに触れたら美雪は消えてしまうのだ。
そんな中、美雪は映画会社の社長令嬢・塔子 ( 本田翼 ) が健司に想いを寄せていることを知る。
好きだから触れたい、でも触れられない ⵈⵈ 。
この切ない真実に2人はどう向き合い、どんな答えを出すのか⸺。
この映画が地上波でオンエアされた5月16日は、コロナ渦でソーシャル・ディスタンス真っただ中。
それに事寄せて選ばれた映画だとしたら、少し複雑な思いもしますが、
「好きだから触れたい」という想いを感動的に表現している映画であることに間違いはない。
映画の前半は、
《触れてはならない》が、お姫様と下僕の関係だからと思って観ていました。
お姫さま女優の美雪が、健司のことを「下僕」と呼びこきつかっていたからです。
二人の姿勢に注目❤
綾瀬はるかの姿勢の良さに姫を、
坂口健太郎の猫背に下僕を感じませんかねwww
姫は、下僕がちょっとでも触れようとすると、コーラ瓶で殴るは、日傘で突っつくはします。
乱暴されるのは、健司だけではない。
警察官であろうが、人気の大スターであろうが、姫はお構いなしである。
この目つき、単純にお転婆姫だからだと思っていました。
でも。
「現実の世界に来るための代償で、人に触れたら消えてしまう」と知ってから見ると、
彼女のイメージがはかなく健気な少女にしか見えなくなります。
美雪は、塔子に健司を委ねる決心をします。
それがこのシーン。
美雪「前に言っていたな、恋に自信が持てないと」
塔子「それは」
美雪「何にも心配はいらないさ。あいつはきっと、お前のことを好きになる。だから安心するといい。
あいつは弱い奴だ。すぐ落ち込むし、うじうじするし、男としては情けないところが一杯ある。
だからもし、あいつが落ち込んでいる時は、その時は、手をにぎって慰めてやってくれ。
休みの時はどこかに連れてってもらうといい。あいつは少しくらいのわがままなら喜んで聞いてくれる。
叩いても 橋から落としても怒ったりしないから。
あと、一緒に遊びをするといい お題を決めて思いついたものを言い合うんだ。
赤いものならバラ ポスト もみじ、、、
そんな風にずっとあいつの隣にいてやってくれ」
塔子から、美雪と会ってこんな風に言われたと告げられた健司。
その健司の顔を見た時、塔子は二人の愛の強さには叶わないと悟ります。
金持ちの令嬢との縁談でヒロインが去るというのは、恋愛映画にはありがちな筋書。
しかし、この映画の令嬢・塔子はどこまでも真っすぐでした。
真っすぐでチャーミングな人間がもう1人いました。
人気絶頂ナイスガイ俳優・俊藤龍之介です。
普通だったら高慢ちきで、自分自分の役どころ。
しかし、この映画の大スターは違います。
健司の失敗で、ペンキをかぶってしまった時も、決して怒らない。
「俺の心は青空のように広い。
でも、もしこれが並みの俳優だったらお前、血の雨が降ってたぞ。」
そう言って終いにします。
「勉強になりますっ!」←これは付き人たちの台詞。
美雪のなにげない悪戯が元で、 ダイナマイトが爆発し、大けがをしても、
彼はこう言い放つ。
「人は爆発すると人生観が変わるということだ。ではみな、来世で会おう!」
付き人一同「勉強になりますっ!」
美雪が落ち込んでいるのに気づいたのも俊藤でした。
こういうつなぎ役は、仲間とか友達役が担ったりするけど、
一番の、傲慢でいいはずの大スター俊藤が、その役どころを担います。
それが新鮮で良かった。
俊藤は助監督の健司をつかまえてこう言います。
俊藤「大丈夫か 彼女。
妙なことを言ってたからな。
元の世界に戻れる方法を知ってるかとか、
随分落ち込んでたから心配してたんだよ。」
俊藤「男が簡単に下を向くな。男の視線は常に未来。
好きな女との未来を見つめて、生きるものさ。
下を向いてたら、今しか見えないぜ。」
付き人一同「勉強になりますっ」
この辺が 泣けますの。
そして笑えますの。
人が人を思いやるまなざしのなんと温かいことか。
映画館店主の江本明も、
この映画が遺作となった加藤剛もすごく良かった。
でも。
なにより素敵でチャーミングだったのはナイスガイの一輝さんでした。
こういう役は、この人しかできない。
因みに。。。北村一輝さんを以前一度 お見掛けしたことがあります。
カメラを通さない彼の素顔は、暑っ苦しい面立ちではなく、端正な顔立ちの美しい人でした。
お芝居の楽屋見舞いに居合わせたのですが、楽屋待ちの通路に佇む彼の姿にはギラギラしたところもなく、気恥ずかし気に立っているのが印象的でした。
多分、先輩俳優さんの楽屋見舞いだったのでしょうが、芝居を観たあとの高揚感と感動した面持が全身から感じられ、可愛らしくもありました。
「ああこの人、純粋ないい人なんだろうな」と感じさせる澄んだ目をしていました。
こういう人がカメラの前で大化けするんだろうな、と想像力が膨らみました。
葉っぱのあんちゃん、基! 坂口健太郎さんの仔犬のような可愛らしさと、
綾瀬はるかの魅惑の衣装 ( 25変化 ) 代えも、見どころのひとつです。
今日のご飯は粗食
あんまりお腹が空いてないというので、
サッパリした4品でお酒を飲みました。
みつばとナルトをごま油で混ぜてポン酢をかけたもの。
簡単だが、みつばの風味が効いてなかなかです。