Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

二冊の「眼中の人」

 

小島政二郎さんの「眼中の人」という本を二冊持っています。

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著書の小島政二郎さんは、芥川さんと菊池さんをこよなく愛し尊敬していて、

自分は凡庸だがこの二人にずっと憧れをもって付き合ってきたといっています。

実際に2人のそばにいたエピソードは豊富で、近しいものから見た魅力的なエピソードが面白いのです。

 

ご本人は自分のことを凡庸と言っていますが、とんでもない。

私は「あまから」や「食いしん坊」の小島さんの文章が大好きです。

小島さんに食のことを語らせたら興味がつきませんから。

私にとって小島政二郎さんは、ひとつの眼中の人です。

 

この本のことは、北村薫著『六の宮の姫君』にも出てきました。

菊池寛が旅行先で眠れないと芥川さんからもらった睡眠薬を飲み過ぎて爆睡する話が取り上げられていました。その睡眠薬というのが、芥川さんが自殺された時に服用されたものと同じだったらしい。

かなり強いものなので、薬を飲み慣れていない菊池さんには強すぎたのでしょう。

ところが。少し飲んで「効かない」と思ってしまった菊池さんは追加で飲んでしまったらしい。

菊池さんはコンコンと爆睡。同行した芥川さんたちはとても慌てたようです。

でもねぇ。

薬をあげる芥川さんも芥川さんだが、飲んで効かないと追加で飲むという菊池さんの豪胆さにも呆れます。

その辺が身近で接した人でないとわからないエピソードだと、とても面白く読みました。

 

小島政二郎さんを単独で拝察するに、何でも物を知っている大御所感がありますが、

その小島さんが二人の前だと尊敬で上がってしまうほどだったらしい。

芥川さんや菊池さんに対する小島さんの温かい眼差しが光る気持ちの良い本でした。

 

最初に読んだのは、古い方の本です。

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小島さんも本書で書かれているように「本は初版で読むのが一番面白い」

全く同感の私は、迷わず昭和17年 ( 三田文学出版 ) の版で読みました。

 

ですから、わざわざ新刊を買うこともないんです、いつもなら。

しかし、あることに魅了されて、もう一冊買ってしまいました。

装丁です。

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文京書房、昭和50年刊の表紙、いいじゃないですか。

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でも、、、この人たち 誰?

左から二番目の人は間違いなく芥川さんのシルエットだとわかる。

その右隣りは、おそらく菊池寛でしょう。

ところが、左端と右端の人物が判明しない。

どちらかが小島政二郎さんかしら、あと一人は鈴木三重吉さん? それとも永井荷風さん?

ずっと誰だかわからずにいるのですが、もう少し三重吉さんや荷風さんに触れていく機会があれば、やがてわかるだろうと思いながら眺めています。

 

 

挿絵は田中光さん。

いいでしょう? この芥川さん。

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田中さんの挿絵は、いつも躍動感があって魅力的です。

こんな挿絵や字をほどこしてもらって、小島政二郎さんも嬉しかったみたいです。

 

 

 

本日の夜ごはん

まだまだ腰が痛くて本調子ではないので、ごはんはMOURI に作ってもらっています。

何食べたい?と聞かれたので、キムチチゲをリクエスト。

食べたいのもあるけれど、簡単だろうとおもったからです。

でも、作り方がわからなくてネットで勉強してました。

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大丈夫! とても美味しく出来てますわよ。

本人的にはちょっと深みが足りなかったらしい。

難しいですよね、そういうののコツを伝授するのも・・・

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