蒲原有明さんの旧居のことを調べるにあたり、この一冊も大変参考になりました。
林 房雄著『文学的回想』
楽しみながらゆっくり読んでいます。
いま 半分まで来たところ。
昔の本は素敵だ。
布の平の出が美しい!
美しいだけでなく、とても良い肌触りです。
今、こんな豪華な造りの本は出来ないのではないでしょうか。
そして。
図書館は、こういう本にビニールのカバーを貼るのかしら。
昔の本を手に取ると、読む前に《ひと興奮》してしまいます。
この本は、著者が自身の作家人生を回想しているものです。
プロレタリア文学作家として出発した著者が、治安維持法で検挙、起訴、収監、転向をたどり、同じ志を持つプロレタリア作家と別れ、団体や政党から離脱し、やがて異なる思想や階級の作家たちとも交流していく様が綴られています。
著者は、《物書きとして》と《思想家として》のモチベーションをハッキリと別に考えていたので、同志と思われてたプロレタリア作家たちと激しく衝突。
文中には、中野重治の姿勢や、小林多喜二の文学性に対しても歯に衣着せぬずに非難しています。
それがとても小気味いい!
私は昔、中野重治さんの作品を読んで説明しがたい違和感に襲われたのですが、
この本を読んで「ああ、こういうことが違和感の元だったのか」と膝を叩きました。
その辺りの話は長くなりそうなので、次の機会とします。←するんかい
じっくりと煮詰めて整理しないといけないと思うので。
とにかく、林房雄という人は面白い!
左翼思考だと思っていたら、鎌倉でブルジョア作家たちとも交流を持ち『文學界』を創刊する。
創立メンバーは、宇野浩二、深田久弥、川端康成、武田麟太郎、小林秀雄、豊島興志雄、林房雄の8名。
当時の文壇は大きな衝撃をうけたようです。
賞賛と同時に、攻撃と非難が集中したが、非難の中で最も多く用いられた言葉は「呉越同舟」という文字だった。昨日まで敵であった芸術派とプロレタリア派が文壇制覇を目指して同じ舟に乗ったという意味だったようです。
林さんのふり幅は更に広がります。
戦中は戦争協力の文筆家となり、戦後は三島由紀夫との交流も持つ。
この人の頭の中 ( 政治思想や文学のあり方など ) は一体どうなっているのだろうと思います。
小林多喜二や中野重治の文学を激しく批判しているのですが、それも一理あると納得してしまいます。
左の思想家たちから、右の思想家たとまで、ウロウロとぐらつきがある人なのかと思うと、そうでもなさそうで、林さんは林さんなりの確固たる信念があるのは伝わってくる。
林房雄を周囲はどのようにとらえていたのかも気になりますが、
まずは本人の著作「青年」「絵の無い絵本」あたりから読んでみたいと思います。
いずれ、近いうちに、かならず。
本日の昼ごはん
うおーい、これ、ハマっとります
本日の夜ごはん
取り置きの本を買いに、ひさしぶりに渋谷へ。
渋谷西武7階の紀伊國屋書店に行きました。
書店で新品の本を買うなんて、なんと久しいことよ。
買い物を済ませ、地階の食品街で、焼きそばと天むすを買いました。
天むすって好きなんです。ほほほ。
海鮮焼きそば、美味しそうに見えたんですが、
野菜がクタクタで見た目ほどではありませんでした、残念。
出来合いばかりじゃ気がひけるので、トマトと卵とキクラゲで一品
これ、旬で買ったんですが、凄く美味しい!
流石に旬だ。
何の味醂干しだったかしら、、、、まあいいや、
また旬に行けばわかると思うから。(;^_^A