図書館から何度も借りている本がある。
『大東京繁昌記』という本だ。
大正から昭和にかけて活躍した有名作家が、所縁のある土地を歩いて書いたルポライト物。
挿絵を描いているのも一流どころの画家・挿絵画家だ。
『大東京繁昌記』は、大正から改元した直後に「東京日日新聞」 (「毎日新聞」の前身 ) が打ち出した、壮大なシリーズ企画だった。
「昭和二年」という現在の時点の東京が描かれると同時に、それを見据える文学者の眼に浮かび上がるさまざまな位相の風景のおもしろさこそ、この連載がおのずと生み出した魅力となっている
と語るのは、毎日新聞刊『大東京繁昌記』の解説者 中島国彦氏。
とにかくメンバーが豪華であるし、当時の貴重な資料にもなっているので、
初版本から復刻版まで沢山発行されている。
場所 | 著者 | 画 | 連載年 | 到 | 迄 | 備考 |
丸の内 | 高浜虚子 | 石井鶴三 | 昭和2年 | 03月15日 | 03月31日 | 山手篇 |
目黒付近 | 上司小剣 | 中村岳陵 | 〃 | 04月01日 | 04月17日 | 山手篇 |
日本橋付近 | 田山花袋 | 堀進二 | 〃 | 04月19日 | 05月05日 | 下町篇 |
本所両国 | 芥川龍之介 | 小穴隆一 | 〃 | 05月06日 | 05月22日 | 下町篇 |
新古細句銀座通 | 岸田劉生 | 自画 | 〃 | 05月24日 | 06月10日 | 下町篇 |
早稲田神楽坂 | 加能作次郎 | 安宅安五郎 | 〃 | 06月11日 | 06月29日 | 山手篇 |
雷門以北 | 久保田万太郎 | 小村雪岱 | 〃 | 06月30日 | 07月16日 | 下町篇 |
深川浅景 | 泉鏡花 | 鏑木清方 | 〃 | 07月17日 | 08月07日 | 下町篇 |
大川端 | 吉井勇 | 木村荘八 | 〃 | 08月09日 | 08月25日 | 下町篇 |
大学界隈 | 徳田秋聲 | 木下孝則 | 〃 | 08月26日 | 09月03日 | 山手篇 |
上野近辺 | 藤井浩祐 | 自画 | 〃 | 09月04日 | 09月18日 | 山手篇 |
大川風景 | 北原白秋 | 山本鼎 | 〃 | 09月20日 | 09月25日 | 下町篇 |
小石川 | 藤森成吉 | 中川紀元 | 〃 | 09月27日 | 10月02日 | 山手篇 |
四谷、赤坂 | 宮島資夫 | 辻永 | 〃 | 10月04日 | 10月09日 | 山手篇 |
神保町辺 | 谷崎精二 | 田中咄哉 | 〃 | 10月11日 | 10月18日 | 山手篇 |
山の手麹町 | 有島生馬 | 自画 | 〃 | 10月19日 | 10月23日 | 山手篇 |
芝、麻布 | 小山内薫 | 森田恒友 | 〃 | 10月25日 | 10月30日 | 山手篇 |
初めて私が手にしたのは、講談社文芸文庫で、
下町篇は、春秋社『大東京繁昌記』(1928年9月刊 ) が底本になっている。
山手篇は、春秋社『大東京繁昌記』(1928年12月刊 ) が底本になっている。
春秋社の本というのがこれ
他にも復刻版として、講談社の単行本や
平凡社からも、復刻版が発行されている
色々な出版社から出すくらい人気の本なのだろう。
何度も借りているくらいなら買えば良さそうなものを、、、
いつもなら迷わずして入手しているのを、躊躇するのは《どの刊を買おうか迷っている》からなのだ。
手っ取り早く安価で手に入るのは、講談社文庫。
Amazonでも820円くらいで購入可能。
次に手が届きそうなのが、平凡社。
これもAmazonで新書915円が買える。
講談社の単行本も気になる。
これはヤフオクなどで購入可。山手篇・下町篇二冊で4,000円。
しかし、やはり気になるのが春秋社刊のこちら。
今なら日本の古本屋で、下町篇・山手篇の初函が11,000円で入手可能。
そんな風に、ぼやぼやしてる間に、春秋社のなどは人の手に渡ってしまうぞ。
⤴ やまもとりんだ
いやはや
こんなに躊躇するのも珍しいこと。
図書館から何度も借りるのは、一度に読めないぐらい、内容が濃いからで、
その場所を徘徊した度に、或いはその場所にまつわる小説を読んだ度に、
この本を読みかえして味わっているのです。
とにかく、一度に読んだら勿体ないくらいの本なのです。
追記 )
因みに、連載時には病気で参加できなかった島崎藤村さんの「飯倉付近」 ( 画・木村荘八 ) が、それぞれの山手篇に追加収録されている。
本日の昼ごはん
釜玉うどん 海苔ましまし
本日の夜ごはん
つまみ三品盛りが貧弱だけど、その分他の料理で頑張った
さつま揚げを甘辛くしたのが食べたいというので作った。
ひとつ食べて「このさつま揚げは、軽く焼いて生姜醤油が良かったのかな」と言い出した。
ちみが甘辛くしてと言ったんじゃないか。
鶏のむね肉を、ブレイン液につけておいてから焼いたやつ。
ねぎとおくらを、甘酢のタレで食べます。
うーん、ちょっとブレイン液に漬けすぎたようで、肉自体がショッパイ。
これは失敗作
もう一品は、ちくわチーズ
これもちくわ、チーズ、塩こぶと全部塩が付いているのでショッパイ。
ダメでしたわ、今日はしょっぱいしょっぱい。