NHK『映像の世紀バタフライエフェクト』という番組を毎回楽しみに視聴している。
豊富な映像と情報量をストックした公共放送ならではの濃厚な見ごたえのある番組だ。
ナレーターは、山田孝之。
彼の浮かれ過ぎず、重くなり過ぎないトーンもいい。
今回の放送は「世界を変えた“愚か者”フラーとジョブズ」
ジョブズは言わずと知れたアップル社の創業者。
彼が死の6年前に、スタンフォード大学で行ったスピーチしたスピーチは話題となった。
「Stay hungry,Stay foolish ( ハングリーであれ、愚かであれ) 」
私はこれをずっとジョブズの言葉だと思っていた。
2005年6月12日 スタンフォード大学卒業式、特別ゲスト アップル社CEO スティーブ・ジョブズ
ところが「ハングリーであれ、愚かであれ」は、フラーの言葉からの引用だったのだ。
正確にいえば、フラーの思想を元に創刊された『全宇宙カタログ』の裏表紙に記された言葉。
バックミンスター・フラーは、アメリカの工学者・発明家で、
1960年代「宇宙船地球号」という言葉を唱え、いち早く人類と地球の調和を説いた思想家である。
彼は「現代のレオナルド・ダヴィンチ」とも「狂人」とも称され、彼の地球環境を守る思想は多くの若者たち ( 当時は主にヒッピー ) に支持された。
実はその中に、若き日のスティーブ・ジョブズもいたのである。
フラーとジョブズの繋がりはさらにこんなところにもあった。
『全地球カタログ』が廃刊を記念したイベントで、
カタログの売上金2万ドルをユニークな使い道を発表した者に譲るという企画があった。
我さきに声が上がる中、ひとつのアイデアが飛び出した。
「100ドル札なんか燃やそう」
兵役を拒否し、世界を放浪してきたフレッド・ムーアが「金を燃やそう」と言い出した。
2万ドルは、ムーアに与えられた。
ところが彼はその金を燃やさずに、あるクラブの開設資金にあてた。
HOMEBREW COMPUTER CLUB ( ホームブリュー コンピューター クラブ )
コンピューター愛好家たちが情報とアイデアを無償で交換する場。
ここに大学を中退した一人の若者が参加していた。
スティーブジョブズ。
このクラブでコンピューターの知識を深めたジョブズは、
同じく会員だったエンジニア、ウォズニアックと共に企業を決意した。
クラブの会合に来ていたコンピューターショップの経営者がその会社アップルの最初の顧客となった。
『映像の世紀バタフライエフェクト』
「バタフライエフェクト」とは、“蝶のはばたきが、めぐりめぐって竜巻を起こす”という意味で、番組タイトルは《歴史はこの「バタフライエフェクト」が積み重なって積み上げられた》ことから名づけられたようだ。
前述のナレーター山田孝之と、山根基世のキャスティングも素晴らしいが、
加古隆の音楽も番組を盛り上げてくれている。
ラインナップは、Wikipediaでご覧ください⤵
本日の昼ごはん
半田そうめんのざる
本日の夜食
MOURI がささっと作ってくれたもの
紅生姜の盛り方が男らしくて笑える (;^ω^)