Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

バカリズムのブラッシュアップが凄い

 

「ブラッシュアップライフってドラマ 面白いらしいよ」

MOURI が友人から仕入れてきた情報だ。

バカリズムさんが手掛ける作品は、シュールで洗練されていてチクリと刺さるものがあるから、

「さぞかし」と期待して、追っかけまとめ観することにした。

主人公の近藤麻美 ( 安藤サクラ ) は、地元の市役所で働く実家住まいの独身女性、33歳。

ところが彼女は、トラックにはねられ、あっけなく死んでしまう。

気が付くと麻美は真っ白な空間にいて

「 ⵈⵈ え?  ⵈⵈ 死んだ?  ⵈⵈ 嘘でしょ?」

困惑する麻美に、死後の世界の案内人なる男 ( バカリズム ) が告げる。

「近藤麻美様ですね。33年間、お疲れさまでした。これから新しい生命にご案内します」

 

休む間もなく宣言された来世は人間ではなく ⵈⵈ 。

ガッカリする麻美に、案内係から朗報があった。

もう一度、同じ人生をやり直して徳を積めば人間に生まれ変われる確率が上がるという。

「だったらそれがいいです」

麻美は人生のやり直しを選択し、麻美の人生2周目が始まった。

 

 

生まれ変わるならもう一度自分がいい あの時の失敗をやり直したい

そう思ったことがあるのは私だけではないだろう。

そんな願望をドラマにしてくれたバカリズムさんだが、皮肉もたっぷりきいているし、

なるほどそうかこういう苦労もあるのかと思わせてくれるエピソード満載だ。

 

どんな苦労があるかといえば、例えば。

好きな時点から始められればいいが、そうはいかず、赤ちゃんからやり直さなければいけない。

赤ちゃんといっても、二周目の麻美は33歳までやっているので大人の知能を持っている。

ダルいなと思いながらも、パブパブと両親に可愛がられる赤ちゃんをつとめ、

反抗期には、父親への嫌悪も大人として対応する。

一周目で気になる男子も、二周目では物足りないガキにしか見えなかったり。

そんなひとつひとつのエピソードか、ああなるほどと笑わせてくれる。

 

とはいえ。

淡々と映し出される第一話にちょっと混乱もしたり、物足りなさも感じたりした。

ところが、第二話、第三話と回を経るごとに、一話目ではわからなかった伏線が回収されていく。

 

何回も学校に通う内に、学力もあがっていきブラッシュアップされていった麻美は、

一周目は市役所勤め、二周目は薬剤師、三周目はテレビ局社員、四周目は研究医となっていく。

凄いのは、そのどれもに麻美は一生懸命に取り組んでいる。

麻美を演じる安藤サクラさんも、職業ごとに違う顔、歩き方、仕草をして演じ分けている。

 

特に驚いたのがプロデューサーの回だった。

ADはどういう仕事をするのかもドラマではキチンと描かれている。

さすがにその世界のことはバカリズムさんも縁者もよくわかっているだろうが、

わかる世界だから見落としがちな部分もあるはず。

だけれど、丁寧に《あるある》と思われるギョーカイのエピソード満載なのが見事だし、

このプロデューサーは多分この世界でもデキる人なんだろうなと感心もしてしまった。

自分が初めて手掛けた作品が放送される夜に、それを見られずに事故死してしまう麻美が哀しい。

 

しかし、その辺はシュールな世界を作るバカリズムさんだもの、

麻美の悲しみも、あの世への案内シーンで 笑いに塗り替えている。

 

脚本が面白いと演者も乗っているのか、ドラマに登場する人物はみな生き生きしている。

地元の友だちたちも、職場ごとの仲間たちも、麻美の家族もナイスキャスティング。

たまごっちなど その頃 流行っていたものや、音楽やアニメやドラマも網羅し盛り込まれるのも楽しい。

「ブラッシュアップライフ」は、見逃しているかもしれないエピソードや隠れた事柄が、まだまだ沢山あるかも知れないと感じさせてくれる緻密なドラマ。

だから私も、何回も繰り返して観るだろうなと予感する次第。

 

見逃し配信はhuluで。

最新話まで全話配信中!ですってよ。

 

 

 

本日の昼ごはん

明太子パスタ

 

 

本日の夜ごはん

昼のパスタが残っているのが恥ずかしい。←作り過ぎと叱られた