ドラマ『団地のふたり』を視聴後、原作本を読んだ。
大抵、原作→映画・ドラマの順だが、今回は逆だったので、
出演者の小林聡美さんと小泉今日子さんの顔が浮かんでの読書となった。
だが、いつものように原作を読んでからの映像だったとしても、
多分、このふたりの顔が思う浮かんだだろう。
このお話には、事件らしい事件は起こらない。
昭和30年代に建てられた団地で育った幼馴染のなっちゃんとノエチが、独立後に親の住む団地に出戻ってきて暮らしている。
ふたりの年は50歳。
なっちゃん ( 小林聡美 ) は、売れないイラスタレーターで同居している母親が、親戚の介護の為郷里の静岡に行っていて、現在は留守宅でひとり住まい。生計のメインはもっぱらフリマアプリの売り上げという暮らしだ。
ノエチ ( 小泉今日子 ) は、非常勤講師の仕事のストレスを日々友に吐き出している。ノエチの方は結婚したものの離婚し両親の住む団地に出戻っている身。親と食事をするよりもなっちゃんの家に入り浸り、彼女の手料理に舌鼓をうつ毎日だった。
ふたりは保育園からの付き合いで、お互いの長所も短所も知り尽くしている。
ささいなことで喧嘩もするが、何日かするとまた元通りの緩いのんびりした関係に戻っていく。
この物語で好きなのは、中高年の生活が暗くなく描かれていることだ。
これから人生が大きく開けるようなこともない50歳という年齢の女性が、将来を見据えて暗くなるわけでもなくのんびりマイペースに過ごしている姿を描いてくれるドラマは希少。
築60年の団地の住人は彼女たちの親世代が多く、その中にいて、ふたりはまだまだ「若いもん」であるのが愉快。
佐久間のおばちゃんに頼まれてサッシの張替えをしたら、他のおばちゃんにも知れ渡り「なっちゃん うちのサッシもお願いよ」と言われ、あっちこっちに出向するはめになったりする。
都心での生活は隣人とふれあう機会も減り、年配者との交流はさらに少ない。
血の繋がらないおばちゃんやおじちゃんの困っていることを手伝って「お駄賃」を貰うなんてことも団地でないとなかなかないかも知れない。
ドラマでも佐久間のおばちゃんを由紀さおりさんが好演。
不思議にモテる福田さんを名取裕子さんが好演している。
ノエチの両親、橋爪功さん・丘みつ子さんもいい。
好きだなあと思う本やドラマは、それに触れている間、自分もその空間に住まっているような錯覚になるのだが、この物語もしかりで、私も団地の住人になった気分で楽しめた。
因みに、
ドラマのロケ地として使われた団地は、東京都東久留米市にある滝川団地で、
ドラマ『日曜の夜ぐらいは……』でも使われたあの団地だった。
『日曜の夜ぐらいは・・・』でサチがハイタッチするパンダも、
滝山団地のシンボルとして健在。
本日の昼ごはん
味噌煮込みうどん
今日はなめこが入っておりました💛
本日の夜ごはん
サーモンの刺身は、越前蟹職人・甲羅組で取寄せたもの。
大きな一枚を3等分に切り、冷凍しておけたものの ひと柵。
魚もよいが、ワンパクに肉も食べたくなった。
甘辛醤油でソテーした豚肉を、白いご飯にのっけて食べるなんてたまにはいいんじゃない