Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

水戸旅行 vo.5 春風萬里荘①

 

水戸に来て偕楽園の梅も見ないというのも「どうしたもんか」と思うが、

他で存分に梅香を楽しんだのでまあいいかと思っている。

個人的には梅林より、1~2本の梅が配置されている庭の方が好きだ。

 

ということで

今回一番良かったのは、春風萬里荘の梅だった。

 

白梅

 

紅梅

 

しかるべき所に一本、というのが風情がある。

 

春風萬里荘は、水戸で一番楽しみにしていた場所。

昨日は、休館日を確かめずに来たので門は固く閉じられていたので 💦

 

出直しました

今日は開いてる~(((o(*゚▽゚*)o)))


春風萬里荘は、1965年 ( 昭和40年 ) に北鎌倉より移築された北大路魯山人の家。

もともとは、高座郡御所見村 ( 現 神奈川県厚木市近郊 ) の豪族で大庄屋でもあった伊東家の母屋だったものを、1927年 ( 昭和2年 ) に北鎌倉山崎にひらいた星岡窯の母屋として魯山人が移築したもので、魯山人はもう一軒の慶雲閣と共に自らの住居としていた。

 

「旧北大路魯山人邸」というけれど・・・

笠間市内のあちこちに「旧北大路魯山人邸は、この先まっすぐ」というような看板があったが、それだと魯山人が笠間に住んでいたみたいにきこえてしまう。正確には魯山人が住んでいた母屋を移築しただけで、魯山人と笠間市は何の繋がりはない。

 

この屋敷を笠間に持ってきたのは、日動画廊の創始者の故 長谷川仁氏

長谷川さんと魯山人は面識はなかった。

魯山人の死後 荒れ果てていた北鎌倉の星岡窯からこの屋敷を移築し、公開してくださった。

そのまま鎌倉にあったら多分火災で焼失してしまっていただろう。

本当に有難いことだ。

春風萬里荘にある、長谷川仁・林子夫妻の銅像

制作者:菅原安男(1905~1974年)

164㎝、127㎝  

 

 

前置きが長くなってしまったが、園内に入ってみる

おっ! 65歳以上は割引になっている。

うーん こんなに大きく「65歳以上」って書かなくても (;^ω^)

入口で発見したものを持ってバーを押して入場。

母屋の係員にチケットを見せると、

「念のため、生れた年を昭和で教えてください」と言われ、大きな声でお返事する。

 

母屋の右側には、茶室「夢境庵」があった。

「夢境庵」は、千宗旦 ( 千利休の孫 ) によってつくられた裏千家の名茶室『又隠ゆういん 』を手本として、魯山人が設計した庵。北鎌倉に在った時は、母屋とは離れた場所にあった茅葺き入母屋造りの独立した茶室だった。

 

母屋を背にし 庭園を眺める

 

勝手口から入るとそこは土間になっていて、三和土の右手に 7畳敷の畳玄関があり、その奥に10畳の仏間、10畳の客間が続く。

写真は逆方向、客間から玄関を見渡した図⤵

調度品が魯山人の趣味っぽくない気がしたので係の方にお聞きしたら、

玄関にある衣桁いこう 以外は、日動美術館がしつらえたものだそうだ。

くせが強いなあ (;^ω^) この意匠

 

仏間から北側の和室を見た図

 

客間から見た竹扉

 

縁側を奥にすすむと、右手に茶室、奥が北側の和室

 

茶室、三畳控えの間の火灯窓かとうまど

障子ははまっていない。

庭の灯篭とつくばい が一幅の絵のように見えた。

 

茶室内部を撮りそびれたが、茶室から石庭がみえる。



こちらの石庭は、京都・龍安寺を模してつくられた枯山水で、

縁側に敷かれた緋毛氈で、石庭を眺めながら抹茶が飲めるらしい。 ( 有料 ) 

石庭も魯山人の好みでない気がした。

日動美術館の方で造成したのかなと感じたが、聞きそびれ不明。

 

茅葺きは定期的 ( 2007年、2012年に実施 ) に葺き替えが必要だが、材料不足や職人不足に加えて多額の費用がかかるから維持が難しい。また葺き替えするには1年から2年待ちの状況とのこと。

日動美術館では、2020年ころクラウドファンディングで資金を募った。

寄付者53人から集まった1,862,000円の寄付金と入館収入とを合わせて葺き替えが終了。

 

葺き替え前の苔むした屋根⤵

 

訪れた時には、こんなに綺麗になっていた⤵

 

春風萬里荘では、魯山人の所蔵品が閲覧できる。

北鎌倉からは、建物と一緒にこんなものも移築された。

 

魯山人作 アサガオ

三つも並んでいる。

女性用はなかった ww

 

こちらの浴槽タイルも移築したようだ

風呂場は脱衣所を含めると10畳程度の広さがあり、長州風呂と上がり湯と洗い場が配置されている。壁は魯山人自作の青竹を模した半円筒状の織部陶板がめぐらされ、棕櫚縄でしめられた絵付けがされている。

 

三和土の左側の、かつて馬小屋だった部分は洋間になっていた。

床には年輪を刻んだ欅の木目を見せた「木レンガ」が敷かれている。

凸凹しているので、気をつけないと突っかかりそうだわ

 

手斧削りの長椅子は座ってもいいそうです

 

こちらの棚も手斧削りかな

 

調度品は日動美術館の所蔵品らしい

 

朝倉文夫さんのブロンズがあった

 

こちらは伊東傀さんのブロンズ

 

洋間から三和土、和室を見た図

 

振り向くと、窓の外に長谷川夫妻の彫刻が見えた

室内の彫刻は、斎藤素巌の「池畔三少年像」

 

玄関左手にある展示室には、魯山人の作品が並んでいる。

係の方の話では、貸し出した作品が戻ってきていて、今が一番充実しているらしい。

 

久谷風 鉢

 

織部花器

 

辰砂竹雀俎板鉢

 

備前竹一重切花入

 

織部扇面鉢

 

をり偏升鉢

 

そめつけ鳥絵花入

 

信楽花入

 

赤呉須其楽陶々徳利

 

黄瀬戸盃と色絵醤油注

 

於里偏分銅向

 

織部櫛目灰器

 

総織部櫛目寿文扇面鉢

 

於里偏草彫四方鉢

 

染付 方鉢 満地清風

 

そめつけ福字平向

 

そめつけ向つけ

 

はけめ吉祥鉢

 

久谷風 龍安寺平向

あれっ?

先ほど見た北の石庭が「京都の龍安寺を模したもの」とあったが、この皿と関連あるのかな。

この皿があるから、石庭を造成したのだうか・・・


色絵糸巻皿

 

染付赤絵海老文鉢

 

備前手桶形花入


志野長方皿

 

黄瀬戸出汁入


織部土瓶

 

鉄絵円窓茶碗


織部釉大平鉢 ( 丸形 ) 

 

作品札の「織部」「染付」の字が色々あって面白い。

織部だったり、をり偏だったり、於里偏だったりして ( ´艸`)


長くなってしまったので、お庭の話は次回にします。 

それでも長いな、ごめんなさい