Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

『短編 ホテル』

 

『短編 ホテル』読了

ホテルを題材にした7人の作家のアンソロジー

桜木紫乃さんの『青い絵本』目当てで手に取った本。

 

ドラマ性のあるものやコミカルなもの、スリリングなもの、ホラー的なものなど多種多様。

〈ホテル〉というテーマでこんなに沢山の切口があるのかと感心した。

 

今まで読んだことがある作家さんは、桜木紫乃さん、柚月裕子さんぐらいだったので、平山さんや、東山さん、真藤さんの代表作なるものもこれを機に読んでみたいと思った。

先日読んだ『アジアの街角で』は、少し物足りなさがあったが、今回のアンソロジー『ホテル』はなかなかドキドキしたりハラハラしたりして一気読みできた。

 

特に面白かったのが、平山夢明さんの時空メビアスもの ( 蝸牛ホテル ) と、真藤順丈さんのコミカルなサスペンスもの ( グレート・ナンバーズ ) 。柚月裕子さんの『サンセールホテル』は、往年のホテルマンのドラマ『ホテル』 ( 出演*高嶋政伸・松方弘樹 ) を思い出させる話で、手堅くまとめられていたと思う。

 

 

大沢在昌『錦上ホテル』

物語は「売れっ子美人作家・桜井志穂に『あにさんも一緒にやろ!ね、ねっ』とせがまれ、いつ頷いてしまった」というところから始まる。

主人公の作家は短編アンソロジーの描きおろしを頼まれるがアイデアがなかなか思いつけない。

そんな時、映文社の外山から電話かかってきた。

「編集者の上野が定年なので、送別会をしたいと思うので発起人になって欲しい」という電話だった。

実務はすべて外山がするといい、会場は錦ホテルにしたいと上野が言っているとのことだ。

「錦上ホテルか、懐かしいな」

錦上ホテルは、30年前、若手のミステリ作家で「目高の会」というのを結成し、半年に一度パーティーを開いた場所だった。

 

 

下村敦史『聖夜に』

マリカ・サントスはホテルを見上げると、萎縮した。

ヴィクトリアン・ホテル⸻。

本当にここなのだろうか。フィリピンの貧しい地区から逃げるようにやって来た22歳の女にはあまりに不釣り合いで、興奮より恐怖を覚えた。

マリカは母国で、カツベという日本人に売春をさせられていた。

ある日、観光でやってきた純朴なノリと出会う。

ノリは日本に逃げてくるように、そしてクリスマスの夜、ヴィクトリアン・ホテルで会おうと言った。

 

東山彰良『ドン・ロドリゴと首なしお化け』

ぼくの同僚マヌエル・ブランコが介護士の仕事の裏で、麻薬を売っていることは公然の秘密だった。

実際にマヌエル・ブランコがどの程度裏の世界に首を突っ込んでいたのか、いまとなっては誰にもわからない。でも、すこしばかり突っ込み過ぎたのは間違いない。

その細い首に縄をかけられて歩道橋からぶらさげられたマヌエルをテレビで見たとき、ぼくは真っ先にやつからもらって一枚の写真を思い出した。

その写真にはぼくとマヌエルの間に、ドン・ロドリコが写っている。写真のぼくは顔の上半分が切れていた。

「いい写真でしょ?」ルーペが得意げに言った。

「半分しか笑わない人は半分だけ写ればいいのよ」

 

ぼくが介護を担当するドン・ロドリコは、自分のことを元殺し屋だと言っている。

それは彼の虚言なのかも知れないし、妄想かも知れない。

ある日。

ドン・ロドリコが昔住んでいたホテルが取り壊されることになり、彼は最後のお別れにホテルに行きたいという。

ぼくは施設に許可を得て、ドン・ロドリコに付き添うことになった。

 

真藤順丈『グレート・ナンバーズ』

〈コンシェルジェ〉

高層ホテルのコンシェルジェ影山は、ある大物から特別な任務をいいつけられている。

〈アッシャー〉

アッシャー ( ドアマン ) の森は職場で一番の若手だった。よくシフトを組むのは瓶子と貞尾という。

2人は森に、ジゴロだというお前の腕前をみたいと言い出し、森は、ホテルに来る女客にキスくらいなら簡単にできるといい、カケをすることになった。

〈姉弟〉

羽貫夕子と弟は、ホテルの入り口で家を出て行った父親を張っている。余命いくばくもない母親が死ぬ前に夫と別れたいというので、離婚届にサインをさせようと思っているのだった。

〈王子〉

国賓である王子は、どんな女でもいいなりになる力を持っている。今日も黒髪のフロント係に目をつけていたが、部屋に誘うのはまたにしようと思った。

明日の夜、世界最高の娼婦が、フレイヤが訪ねてくるからだ。

 

コンシェルジェは、依頼人から不肖の次男の子供を身ごもった娼婦とその関係者を抹殺するように命じられている。

娼婦とは、王子の部屋にやって来るフレイヤのことだった。

コンシェルジェは殺し屋を雇い、自ら勤務するホテルでフレイヤを狙う。

そこに〈姉弟〉が絡み、〈アッシャー〉が絡み、ややこしくなっていく。

 

柚月裕子『サンセールホテル』

広大が勤めるサンセールホテルは創業明治14年の、リゾートホテルだ。

彼はそこで客室の清掃係を担っている。

ある日、彼が清掃した部屋の水野という女性からクレームが入る。

お気に入りの指輪が、浴室で落としてしまい、慌てて拾おうとしたが排水口にひっかかって、取り出すのに30分もかかってしまった。取れたと思ってほっとしたら、温泉の酸で指輪の台座がまだらの変色してしまったという。

 

水野は設備の不具合のせいだ、弁償をしろと激怒。

客室係マネジャーの三輪が指輪を調べたところ、硫黄泉のホテルのお湯で変色するのは銀や銅で、水野が自分の指輪の台座が〈プラチナ〉と主張するなら変色しないという。

つまり水野が500万もする高額なプラチナの台座の指輪というのが偽物であるということで、それを水野にどう説明して納得してもらおうかという話になる。

ホテルマンの腕がためされる。

お客様のプライドを傷つけずに問題を解決するためには・・・。

 

平山夢明『蝸牛ホテル』

失業したノマは、5歳になる息子・コウを抱え職探しをする毎日。

ひょんなことから蝸牛ホテルという古い英国式ホテルで雇ってもらえることになる。

働き始めたノマは馘にならないように必死で業務を覚えるが、ホテルの様子がおかしいことに気づく。

客の姿が見かけないのに汚れ物の数が多かったり、やけに静かだったりするのだ。

ホテルの支配人はノマを重用し、息子のコウもホテルの託児所に入れてくれたり厚遇するが、そこには時を超えた壮大な計画が練られていた。

 

ノマが公衆電話で読み上げた番号は1945430・・・

ヒトラーと息子のコウをひっかけているのか・・・。

 

 

 

本日の昼ごはん 2025年05月01日

悪魔の鍋で作った雑炊

ほんとうに、、、、美味しい💛

 

 

本日の夜ごはん 2025年05月01日

Oさんの買出し祭

 

美味しそうな鯖があったのでサバの味噌煮を作った。

「えっなんで白味噌?」と言われた。そうだよねー

 

Oさんに頂いたデリカで、団子の中身は蓮根だった

 

筍が小さかったから、水煮になっているのを使って煮たら、何か違う。

 

桔梗屋の信玄餅が中に入っているというので飛びついた。

シューが食いちぎれないほど伸びた 💦