『続・続・最後から二番目の恋』の柴田理恵さん

『続・続・最後から二番目の恋』を毎週、楽しみにしている。

このドラマは、2012年1月12日から3月22日までフジテレビ系「木曜劇場」枠で放送され人気を博していたが、長倉真平役の坂口憲二さんが2018年に突発性大腿骨頭壊死症を公表して芸能活動を休止していたことから、今回の第三弾は11年ぶりであった。

第三弾も前回同様、主役ふたりの中高年の恋模様だけでなく、家族ひとりひとり、そして周囲の人間ひとりひとりにキチンと焦点があたっていて全員が魅力的に描かれている。

第四話では特に、柴田理恵さんの演技が素晴らしかった。

3分半の殆どを、鎌倉市長・伊佐山良子 ( 柴田理恵 ) がリードする形で進行するが、

話のテンポと、市長たるものの貫禄がにじみ出ていて感心した。

勿論、受け手の中井貴一さんの演技も良かったから成立しているのである。

鎌倉市長・伊佐山良子の役柄設定

伊佐山良子は『続・最後から二番目』で市長として登場し、和平さんは観光課の課長と市長の秘書を兼任していた。市長からは「私と結婚してください」と本気か嘘かわからないプロポーズをされ《長倉和平モテキがやってきた》というエピソードになっていた。

今回の『続・続・最後から二番目』では定年を迎えたあとも再任用制度で「指導監」という役職で鎌倉市で働いている和平さんが、伊佐山市長に食事に誘われるシーンだった。

3分半もの長台詞はこちら。

市長「私の後継者になってください。鎌倉市長に立候補しませんか？

もうすぐ市長選です、私も随分長いことやってきまして、次はないなと思っていまして、後継者はいないものかと思っていたんです。

そして長倉さん、あなたしかいないという結論になりました。」

和平「あっいや、でも私は・・・」

市長「ストップ！　黙って。すぐに返事をするのはやめてください。

どうせあなたのことですから『とんでもない、私なんかそういう人間ではないですから、人の前に立つようなタイプではないし、無理です無理です』などというつまらない返事をすぐにするんでしょうが。そうですよね。」

和平「つまらないっていわれるのはあれですが・・・そうです私は・・・」

市長「返事は、そうですねぇ、例えば、5月29日にしましょう。

そこまで返事は受け付けません。」

和平「しかし、あの私は・・・」

市長「時間をおいても変わらないということですよね。それでもです。

それでもそこまでちゃんと考えて悩んでください。

いいですか、長倉さん」

和平「はい」

市長「自分で思っている自分と、人から見た自分は必ずしも同じではありません。

私はこれでも鎌倉のことは心から大切に思っています。

そんな私があなたがいいと言っているんです。そこにはちゃんと理由があります。

鎌倉市長だからです。たとえば、国会議員とか、神奈川県県知事にあなたを推薦しようなどとは全く思いません、無理です。

鎌倉のために《困る》のが、鎌倉市長の仕事です。」

和平「《困る》のが仕事？」

市長「そうです。あなたに向いてると思いませんか？

困るというのはね、誠実で愛があることなのだと私は思うのです。

不誠実な人は困りません。困っているふりをしているだけです。

でもあなたは違う。いつだって真剣に困っている。

それにね、長倉さん。なかなかあることではないと思うんですよ、市長にならないかって誘われるって。まずはそれを誇りに思ってください。そして、期待されているという時間をちゃんと味わってください。断るにしてもです。

少し世界が違ってみえるはずですよ。お願いします。」

和平「・・・はい。ありがとうございます。わかりました。市長がそのように思ってくださっていることをキチンと受け止めて、じっくり考えさせていただきたいと思います。

でも市長、5月29日って市長のお誕生日でしたよね、あのそれには何か意味が」

市長「なかなかその日は断りにくいかと思いまして。『お誕生日おめでとうございます。実はちちょっと』とはなかなか言いにくいかと。」

和平「えっそんな理由で」

市長「二者択一、どちらを選ぶか楽しみにしていますよ。」

和平「立候補するか、しないか」

市長「ではなく、市長に立候補するか。私と結婚するか」

和平「えっなんでその二つなんですか」

市長「うっふふふふふ」

和平「はははは」

市長「あっははははは」