5/16、旧小坂邸に再訪。
今日は内部の写真を細部に至るまで撮ろうと思いやって来た。

玄関をあがったところは畳廊下になっていて、奥に見えるのは12畳の居間。
まずは畳廊下を右に進み、突き当たり右奥の書斎から見ていきたい。

書斎に足を踏み入れ感動したのが、美しいヘリンボーンの床。
寄木張りは、普通の床より手間もコストもかかるゴージャスなものだが、
狭く見えたり、うっとうしく見える難点もある。
しかし、このように広い空間では、重厚感が増して素晴らしい。
光の当たり方で、このように濃淡にみえるのも面白い。

柱は、赤松の面皮付き。
腰板は、蛇の目削りの荒々しい斜めの模様。

面皮付き柱とは
柱の角を丸いまま残して、四面に木目を出した柱のこと。
小坂邸の殆どの柱は、杉や檜を用いた面皮付き柱になっている。
梁は赤松の皮剥ぎ丸太で茶色のペンキで塗られたもの。

丸太の湾曲をそのまま生かした造り、
黒い壁布と絶妙なバランスをとっている。
壁は、袋張りの下地に、ゴワッとした黒くて粗い素材の壁紙が貼られている。
一部に経年劣化がみられるが、張り替えせずにこのまま保存するのが素敵。

腰板にある飾り窓は、当時珍しいセントラルヒーティングの暖房の吹出し口。

前回伺った際、管理人さんが上の障子を開け、中を見せてくれた。
別荘の時には書棚か何かだったのを、空襲で渋谷の本宅が消失し、
こちらに本宅を移した際、ここを仏壇を配したとのこと。
大引き天井、黒い壁紙、赤松の梁、蛇の目削りの腰板など、
様々な意匠をこらしながらチグハグになっていないのが凄い。
英国の田舎家風を思わせる書斎兼応接間は、とても落ち着く空間だった。

実はここに置かれた家具は全部 小坂家が所有していたものではない。

上の照明もテーブルや椅子も、当時の写真 ( 下の白黒 ) にはない。

現在、配置されている家具は、他のお宅から世田谷区に寄付された同時代の家具。
うっかりして、マントルピースのアップの写真を撮りそびれたが、
暖炉の石積や、管理人さんが〔洞〕と呼ぶ、 金箔の丸い飾り棚も綺麗だった。

マントルピースには煙突がないから正式には暖炉ではなく、
下部に置かれている暖房器具は、電気製?のヒーターのようだった。
ひときわ目をひく金箔の飾り棚には、現在は何も置いていないが、
当時は仏像などを、仏事目的ではなく美術品として飾っていたらしい。
白黒写真にある仏像は阿弥陀様のように見えるが、
季節や来客によって所蔵の美術品を入れ替えて飾っていたのではないかとのこと。
訪れたのが、暑くも寒くもない丁度良い日和だったので、
全館 窓が開けはなたれ心地よい風が吹き抜ける。
書斎からの眺めもまた素晴らしいが、写真は当時のままの網戸越しに撮ったもの。

小坂邸のお話は、次回もつづきます
2025年05月17日 朝ごはん
金ちゃんラーメン

2025年05月17日 夜ごはん
三品盛は、塩らっきょう、さつま揚げ、切り昆布煮
ブロッコリーと、残りのちくわぶと、、、

メインは、唐揚げ

デザートは、ストロベリーアイス
