松本清張 著『恩誼の紐』読了

初出は1972年 ( 昭和47年 ) 3月号『オール讀物』に掲載、
1973年 ( 昭和48年 ) 8月に短編集『火神被殺』に収録。
私は上写真の宮部みゆきセレクション「戦い続けた男の素顔 松本清張傑作選」で読んだ。
【内容】
9歳の辰太は、住み込み女中として働く祖母の元に通うのが唯一の楽しみだったが、
その家の奥さんが祖母をこき使うことに恨みを覚え、不眠症で薬を飲んで寝ついた奥さんの口に布を詰め窒息死させてしまう。
祖母はそのことを知っていたが、誰にも言わず、臨終の時に「辰太や、わしが死んでも、あの世からお前を守ってやるけんのう」「辰太や、お前を守ってやるけに。。もう、悪いことはするなや」と言い残し死ぬ。
辰太と祖母とは血の繋がりはないが、辰太は祖母をババやんといい慕っていた。
辰太の家は貧乏で、父の平吉は甲斐性なしで外に女を作っている。
そんな父に文句もいうこともない母は、針仕事をして家計を支える出来た妻だった。
以上が物語の前半。
大人になった辰太は工場に勤め、富子というひとつ年上の女と所帯を持つ。
冨子は母似のよく出来た女房で、いつも先回りをして辰太の世話をする。
そんな富子を疎ましく思った辰太は、富子に殺意を抱くようになる。
女房が嫌いなら離婚をするか、出奔すればいいようなものを、辰太が選んだ手段は「殺す」というものだった。
幼児の頃の人殺しの経験が長じて、同じ経験を繰り返してしまう男の物語。
【感想】
主人公の父・平吉は著者・松本清張の父を投影しているのかも知れないが、それ以外はフィクション。著者にはババやんのような祖母はおらず、勿論殺人事件も起きていない。
少年がこういう状況におかれた場合に、一番に憎むであろう対象は普通なら放蕩三昧の父だろうが、父よりも出来過ぎた母を疎ましく思い、母に似たタイプの妻を殺害するという歪んだ愛憎劇にドキリとしてしまう話。
こういう話は、あんまり好きではないな。
救いがないし、登場人物の誰にも感情移入できないから。
2025年10月08日 昼ごはん
明太子パスタ

大葉のせ、うまし

2025年10月08日 夜ごはん
本日の樽酒 真澄ちゃんは常温で飲んでみた。
冷やしたものより常温の方が良いかも知れない。

ほっけを焼きました。ぷしー

もう一品は、豚キムチ炒め

豚キムチを作っている間に、小皿にほっけの身が・・・
ありがとうMOUさん

笹塚で購入した茶飯のおにぎり
左がごぼうと鶏入り、右がツナマヨ

初めて食べた時のものは美味しかったが、
今日のはやけにしょっぱい。