Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

最近読んだ本

 

最近、ブログに読書感想をアップしていなかった。

読書をしていなかったワケではないが《心に沁みる》というか、

感想を書ける本に出会わなかったのだ。

いや、違うな、私の感受性と理解不足の問題だ。

 

読み終えた本はこんなところ

 

『素顔の大建築家たち』は、前から気になっている本で、

久米民之助の息子の久米権九郎さんのことも書いてあるので購入した。

久米さん以外にも、前川國男さんやレイモンドさんの人となりもわかって面白かった。

どの章も、弟子から見た建築家が書かれているので、資料として拾い読みをする予定。

 

川端康成『雪国

映画にもなった作品だけれど、今までキチンと読んでいなかった。

川端康成さんは、ハッキリ言えばあまり得意な作家ではない。

川端作品の登場人物の男は、どうしても川端自身を想像してしまうからかも知れない。

 

雪国もしかりで、

妻子持ちの島村が、雪の降る宿場町で芸者と逢瀬を重ねる話だけれど、

他の作家や世間が大絶賛する理由がわからなかった。

 

例えば芸者・駒子の心理描写が少ないことが気になった。

雪国の情景も駒子の描写も美しい文章でつづられているが、そこに流れる男女の機微や、駒子が島村に思いを寄せる心理描写がないためか、彼女がなぜ島村に惹かれていくのかが伝わってこない。

 

ひとつだけ心に残る好きな場面は、冒頭の列車の鏡の部分だった。

島村は、雪国に向かう汽車の中で、病人の男に付き添う若い娘-葉子に興味を惹かれる。

だが島村は葉子をジロジロとみることはしない。

外は夕闇がおりているし、汽車のなかは明かりがついている。それで窓ガラスが鏡になる。

~中略~

娘は島村とちょうど斜めに向かい合っていることになるので、じかにだってみられるのだが、彼女等が汽車に乗り込んだ時、なにか涼しく刺すような娘の美しさに驚いて目を伏せる途端、娘の手を固くつかんだ男の青黄色い手が見えたものだから、島村は二度とそっちを向いては悪いような気がしていたのだった。

~中略~

鏡の底には夕景色が流れていて、つまり写るものと写す鏡とが、映画の二重写しのように動くのだ。

p.10

 

川端さんの文章は確かに美しい。

だが困ったことに読んでいる内に、美しい女性をみる際 嘗め回すような作者のギラギラした眼が頭に浮かんできてしまい、小説に集中できなくなるのである。

 

 

奥田英朗『リバー

奥田好きのMOURI 推薦の本

ご覧のように、ちょー分厚い。

寝ながら読んで、何度か顔にぶつけた。

長編だが、サクサク読めてしまうのはやはり作者の力だろう。

群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で、2人の女性死体が見つかる。

犯行手口は10年前に起った二つの未解決連続女性殺人事件と酷似していた。

 

主な人物は以下の通り

  • 10年前の事件で容疑者を取り調べた元刑事
  • 10年前 桐生で娘を殺され、犯人捜しを続ける父親
  • 若手女性新聞記者
  • 一風変わった犯罪心理学者
  • 新たな容疑者たちとその周りの女たち

 

 

【感想】

途中で群馬県警と栃木県警の、どちらの刑事か混乱しそうになったが、

流石は奥田さん、人物像の書き分けがウマい。

特に、三人の容疑者のキャラも色濃くで面白い。

最後まで誰が真犯人かと引き込まれていくが、ラストの落としどころがいささか雑な気もする。

大勢の登場人物の内、誰に感情移入して読むかで違った世界になるだろう。

私は容疑者Aの恋人のスナックのママ・明菜の視点で楽しんだ。

MOURI は、新聞記者の千野今日子で読んだという。

10年前の事件を捜査したOB、元栃木県警の滝本誠司の視点や、被害者の父-松岡芳邦で読んでも面白そうだが、松岡の場合は読んでいて辛くなるかも。

 

ここからは、ネタバレです

この小説には、

2009年に足利で件目。半年後に桐生で件目。

10年後の5月に桐生で件目。その5日後の5月13日に足利で件目。 

さらに4か月後の9月に件目の女性が殺されている。

 

 

最後まで読み終えて、の犯人は明らかになった。

だが件目に関しては、誰がやったか明らかにならぬまま物語は終わっている。

そうなると件目の被害者の父-つまり《ずっと娘を殺した犯人を追い続けてきた松岡芳邦》は、無念のままで物語は終わる。

 

犯人捜しに身を投じた松岡と、事件を忘れて生きようとする妻との間に温度差が生じていく。芳邦はの犯人が逮捕されると、これでようやく娘の方も。。。と希望を持つものの、その最後のシーンが読んでいて辛かった。

〇〇が再逮捕され、松岡芳邦は突然やることをなくした。ゼネラル重機の従業員寮前で張り込むことも、警察署に押し掛けて捜査状況を問い詰めることも、意味をなさなくなった。今はただ、魂の抜け殻になって、自宅居間のソファで一日テレビを眺めている。

~中略~

もっとも、この先も自分は苦しむだろうなとは思った。来週、犯人が死刑になるという訳ではない。長い公判があり、被告が上告すれば裁判はさらに長引き、何年もかかるのである。その間、自分はずっとニュースを追い続け、裁判所にも通い詰めるだろう。そして問題は、犯人が罪を認め、被害者とのその遺族に謝罪の言葉を述べるかである。

あの〇〇という男が、それをするとは考えにくい。若い女を、長い年月に置いて、五人も殺した殺人鬼なのである。ことによると否認し続けたまま死刑判決が下るかもしれない。そうしたら自分は永遠に心の拠りどころを失うだろう。自分が知りたいのは真実なのである。

~中略~

妻は「まさか、この先も警察に押し掛けたりしないわよね」と聞いた。

「しないけど、取り調べ状況くらいは聞くかもしれないな」

「やめてください」妻がそこだけ語気を強めて言った。

~中略~

芳邦はふと気になって聞いてみた。

「なあ、おい。おまえ、裁判が始まったら、当然傍聴には行くんだよな」

妻は一瞬言葉に詰まった後、夫を見据え、穏やかに言った。

「いいえ、行きません」

p.622

 

 

ところが。

ネットには、《件目もと同一犯人》と書いている読者がいた。

となると、私の読み間違いかな。

答え合わせをするには、注意深く再読するしかないが、なにせこの大作。

読み直すかどうか躊躇しているところだ。

 

 

 

2025年11月25日 昼ごはん

MOURI が朝から夜まで不在の為、炊き込みご飯を作った。

細かく切った鶏肉は、炊き込む前にごま油を薄く引いたフライパンで、表面をカリッとさせるくらいに炒め、味覇で下味をつけた。

炊きあがった時に、鶏肉に旨味が出たように思う。

トッピングはじゃこ山椒