伴名 練 著『百年文通』読了

140ページ弱の短い話なのでサクサクと読めてしまった。
伴名 練という作家の本は初めて。
ネットサーフィンでふと目についたタイトルに魅かれ読みだしたが、
主人公が机を見つけるまでの冒頭の数行にちょっと困惑。
詩的な雰囲気で始めたかったのかも知れぬが、かえってそれが稚拙に感じられ、
まわりくどく状況説明の邪魔になっている感があった。
例えばこの部分⤵
机の前に辿り着くと、埃ひとつ無い机を目の当たりにして、ほとんど無意識の動作で、椅子を引いて腰かけた。誰だってそうすると思う。かつてこの部屋に暮らしていた住人がきっとそうであったように。
机に辿り着き、机を目の当たりに、ってなんだか少しおかしくないかな。。。。
そんな微細な点につまづいたが、とりあえず読み進むと物語が流れだす。
どうやら話はこんな運びらしい。
読者モデルをやっている中学三年生-
小櫛一琉 が、撮影で訪れた洋館にあった机の中に古い手紙を見つける。100年前の恋文らしいその手紙の読めない文字に付箋を付け ( あとから調べようと ) いったん机の引出しに戻し閉めてしまい、もう一度開けたら手紙は無く代わりに《誰ですか?》という一筆箋があった。
一琉は、この机を媒体に100年前の住人と手紙のやりとりが出来ることがわかり、洋館に通うようになる。
一琉の文通相手は日向静という、一琉より一つ年下の少女だった。
彼女は、大正7年(西暦1918年)ここに暮らしていた日向家の次女。
静は好奇心旺盛で才気に富み活発な娘だった。
ふたりは意気投合し、頻繁に手紙を交換する。
あるとき、一琉が手紙を静に送ろうとするタイミングで、急にスマホの着信音が鳴り、その音に慌てた彼女は、スマホを引き出しに落としてしまう。
大正時代に送られたスマホを見た静は、スマホで写真が撮れたりすることがわかり、あれこれ大正時代の様子を撮影して一琉に送り返す。
ここから先はネタバレも含みます⤵
そんな風にして100年を隔てた二人の女の子が夢中になっていると、お互いの家族は反対する。
一琉の妹-美頼は、それほど売れていない姉とは違って超売れっ子モデル ( 兼女優 ) 。
もともとは姉を応援していたが、姉について撮影現場に行った際スカウトされ、あっという間にスターダムにのしあがった。美頼は、一琉が昔の世界に夢中になり、今の生活を投げやりにしていることに腹をたて、何かと妨害する。
一方 静にも厳格な姉-寿々がいて一琉と静の交流を阻む。
一琉と静は互いの姉妹に反対されながらも文通を続けていくが、
おりしも静の時代にはスペイン風邪が流行、やがて一琉のいる令和にもコロナが蔓延する。
二人はそれぞれ時代のパンデミックを、どう乗り切るか。
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タイムパラドックスの問題
実は日向静はスペイン風邪で亡くなる運命にあるが、一琉はそれを事前に回避しようと奔走する。
死ぬはずだった日向静を《助けてしまう》ということは、史実上の世界 ( 時空 ) から分岐させた別の世界、つまりパラレルワールドを作り出してしまうことになる。
静の運命は、そして一琉の未来はどうなっていくのだろうか。。。
《大正》が好きな私にとって、大正と現代がつながるなんて話はドストライクで、本の世界観にワクワクしながら一気に読みきった。
しかしながら、この本の筋立てやキャラクター作りには若干 雑なものも感じた。
例えば、一琉の妹-美頼の設定だ。
「視聴率の女王」の美頼はプロデューサーや監督を好いように操作し、一琉の文通を物理的に妨害する。そのこましゃくれた態度に不快感を覚えていたところ、「イタリアでファッションブランドをたちあげる」といきなりフェイドアウト。あの傍若無人なあばれっぷりは何だったのだろうと笑った。
タイムトラベルブーム?
そういえば最近、タイムトラベルものが人気再燃なのかドラマでも2作ほどあった。
「ちょっとだけエスパー」
「不適切にもほどがある!」
どちらもコミカルで面白かった。
タイムトラベルものはうまく作らないと視聴者を混乱させてしまうけれど、この二作は良く出来ていたと思う。
「時間を超える何等かのアイテムを用いて、過去の相手と通信する」というアイデアは真新しいものではないことを作者自身はあとがきで書いている。
氏は、それらの過去の名作を詳細に紹介した上に、巻末10ページを割き近年の作品を解説するおまけをつけている。
これも読みごたえのある⤵


人間って、本当にタイムトラベルものが好きだなあ。
かくいう私もそのひとり。
多分来週あたり、これらの本も数冊図書館から借りることになるだろう。
2026年01月06日 朝ごはん
手前が私、奥がMOURI
私の方が多そうに見えるが、遠近法のもんだい

明太パスタ 本日のトッピングは三つ葉

2026年01月06日 夜ごはん
お節用の残りの三つ葉を消費 なるとと和え物に
小鉢は昨夜の唐揚げの残り

珍しく近所のスーパーに豚レバーがあったのでレバニラにした。

全体図

これはセイジョー石井に売っていたピロシキです。
食べやすいようにカットしたら、ピロシキには見えないな。

な~らんだ な~らんだ

