29日、NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」を観ました。
驚愕しました。感動しました。
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— Marco (@garadanikki) October 1, 2019
この企画は、NHKが一年半以上もかけて試みたものだそうです。
NHKやレコード会社に残る、膨大な音源をもとに、最新のAI技術によって、美空ひばりを現代によみがえられたのですよ。
亡くなった人をAI技術で再現するというのは他の国にもありました。
例えば、テレサテン。
だけれど海外のAIとの相違点は、美空ひばりのAIに新曲を歌わせたことです。
そこにいきつくまでは長かった。
とにかく一年半もかかったそうです。
途中で美空ひばりさんのファンクラブの人たちにも見せたりして、評価はぼろくそでした。
それでも諦めなかったのがAI音源を担当したヤマハのボーカロイドの技術者の皆さん。
ただ集めた音源をAIに覚えさせ合成するんじゃなく、美空ひばりさんのタイミングや歌い方のくせなどをボーカロイドAIに学習させ、本人が歌ったこともない曲でも本人らしく歌えるようにチューニングを繰り返していくという作業でした。
最初の段階で「ひばりちゃんのロボットみたいで気持ち悪い」と酷評だったものが、
チームの方々が、美空ひばりがアクセントになる一音だけ出すという高音 ( ホーミーみたいな音 ) に目をつけて、それを学習させ直したこと。
⤴ その辺のことは、是非この番組を見てください。
衣装は当時衣装を作っていた森英恵さん。ヘアメイクも当時の結髪さん。
動きの見本は、天童よしみさん。
新曲のプロデュースをしたのは、生前最後の曲「川のながれのように」を手掛けた秋元康さん。
プロの皆さん、妥協はしません。
AIの美空ひばりが歌う「あれから」という曲の最後には、語りがありますが、
これを聞いた観客、最後は涙なみだでした。
( 前例には息子の加藤氏を始め関係者も泣いてました )
今、美空ひばりが生きていたら、こんな曲をこう歌うんじゃないかという試みも凄いと思います。
AIのこういう技術は、あまりにも高性能なので多くの危険をはらんでいます。
例えば、オバマ大統領にそっくりのAIに、本人が言わないようなメッセージを言わせてフェイク映像を作ることだって簡単。
北朝鮮の金正恩と、アメリカのトランプのAIがキスをするようなフェイク映像を作ったり、
やろうと思えばそんな危険なことにも使えるのだから。
そういう意味で、AIの開発や、特に亡くなった人の再現に対しては賛否両論ある。
でも、そういうことを踏まえても今回の企画は凄いことだと思います。
成功したとしたらその原因は?という質問に
「美空ひばりさんにもう一度会いたい、という皆の想いがAIを完成させた」とのこと。
技術は人の想いがあってことなのだという、いい言葉だと思いました。
この番組は、10月2日 ( 水 ) 午前0時35分にNHK総合で再放送するそうです。
ぜひ見てください!