Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

映画「私の可愛い人-シェリ」

 

わたし、ミシェル・ファイファーとキャシー・ベイツが好きです。

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両極端のタイプですけど、

美しさでミシェル・ファイファーが、強さでキャシー・ベイツが大好きです。

二人は唯一無二の女優。他の女優には、とって代われない魅力を備えていると思います。

 

そんな二人が丁々発止と やり合う映画がありました。

『わたしの可愛い人 シェリ』

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『わたしの可愛い人-シェリ』は、

コレットの最高傑作『シェリ』を映画化した作品です。

 

 

 

 

50歳を目前にして、美貌のかげりと老いを自覚する元高級娼婦のレア ( ミシェル・ファイファー )

恋人である25歳の青年シェリ ( ルパート・フレンド ) の突然の結婚話に驚き、

表向きは祝福して別れを決心しつつも、心穏やかではいられない。

 

24歳の年齢差の悲恋の物語ですが、

フランスのベル・エポック期における《ココット》のことがよくわかる、興味深い映画でした。

 

とにかく映像が美しいです。

レアが住むお屋敷も、インテリアも、服装も素晴らしく美しい。

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それより美しいのがミシェル・ファイファーでした。

50代ですよこの人⤵

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映画が公開されたのが12年前。

当時彼女は51歳で、49歳の高級娼婦 を演っていたのです。

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ココット とは

ココットは高級娼婦のこと。

ベル・エポック期のパリでは、ココットは娼婦の中でも格の高い存在でした。

ココットが相手にしたのはナポレオン公だったり、外国の王族だったり、公爵だったりしたそうです。

 

日本における太夫や花魁のようなものでしょうか。

一流の花魁が、書道、茶道、和歌、箏、囲碁などの教養や芸事をみっちり仕込まれるように、

ココットもただ体を売るという職業ではなかったようです。

 

酒でも葉巻でも服装でも、一流のものを選ぶ目を持つのは当然のこと、

当時のファッションリーダー的存在であったようです。

しかし、賞賛される一方で、差別の対象であったのも事実でしょう。

映画でも「ココットに普通の友人はいない。同じ職業の女として話が合わない」というセリフがありました。

 

そんな女たちが滅茶苦茶仲がいいかといえばそうでもない。

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ニコニコ笑ってお互いのファッションを褒めていたかと思うと、

ぷいっと人前に立ち、お尻を向ける。

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ほら見てください、この紫の人の立ち位置を。

レアの前に立ちはだかってお尻を向けて微笑んでます。

レアの方も、こんな無礼をされても笑顔。

 

 

お外では 笑顔でいるくせに、

身内の前では「虫酸が走るわ、あの女!」なんて言っています。

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毒が効いていたのが、シェリの母親キャシー・ベイツのセリフ。

レアがレースの帽子をかぶってやってくると、シェリがそれを冷やかします。

すると母親がひとこと・・・

「ヴェールにケチつけないで、女には事情があるのよ」

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こんなシーンも愉快だった。

さんざ息子のことで世話になったというのに、抱擁する時にひとこと。

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「いい香り。

 肌にハリがなくなると香水がよく染み込むのね」

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離れ際のこの顔がいい!

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キャシー・ベイツはどんな役?

シェリの母親シャルロット・プルーも、今ではこんな感じですが元ココットです。

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ココットを引退したシャルロットは稼いだ資金を運用して大きなお屋敷に住んでいます。

 

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ひとり息子は甘やかして育てたので、始末の負えない放蕩息子になり、

困った彼女は昔馴染のレアにシェリの教育係を頼みます。

 

レアは、シェリを麻薬や安酒から守り、一流のものがわかる男に育てます。

ところが、いい具合に育ったところを見計らうかのように、

母親のシャルロットはシェリを結婚させると言い出します。

 

シェリの結婚相手は、別のココット仲間・マリ=ロールの18歳の娘エドメ。

そう。さっきの写真の紫がマリ=ロールで、白い子がエドメ。

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「レア。今 私が欲しいのは、孫なの」

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結婚話を聞いたレアは、笑顔でシェリを送り出します。

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でも 心の裡は・・・

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結婚式の当日、ひとりで食事をするレア

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美貌のかげり、老いを感じさせる演出が見事

美貌のかげりと老いを感じさせるシーンはいくつも用意されていました。

例えば、バラ。

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レアの掌から、花びらがハラハラと零れ落ちる。

 

 

こんなシーンにもドキリとさせられました。

若妻と暮らし始めたシェリは、家庭で息詰まって夜の街にくりだします。

悪友たちと飲んでいると、向こうから二人の女が手招きしている。

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友人に聞くと、元ココットでレアの知り合いだという。

 

挨拶をしに行ったシェリに対して、、2人の老女は

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「挨拶もなし?

 幸運な男ね、美しくて大金持ちだもの

 でも幸運を持て余してる

 ママの所にお帰り」

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「哀れな子」
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この2人、ワンシーンだけの登場なんですが、貫禄ある演技に圧倒されました。

 

シェリが大好きな真珠が、元ココットの老女の首で光っている、

そんなシーンにドキリとさせられました。

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確か原作にも、真珠にまつわる文章があったような。

ベッドの上に投げ出されたままだった真珠のネックレスを、彼女 ( レア ) は指先でロザリオのように繰り動かしていた。最近、夜はネックレスをはずすことにしている。シェリは美しい真珠がほんとうに好きで、朝になると撫でまわす。だからつけたままでいると、気づかれてしまうにちがいない⸺レアの首に肉がついてきて、肌は白さを失い、その下の筋肉もゆるんできたことに。

光文社p.15

 

 

他にもあっと驚くようなコレットたちが続々登場して笑いました。

こんな人や、

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こんな、無声映画に出てきそうなメイクの人や、

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この人は男? うーん 誰だったんだろう・・・

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それにしてもやっぱり圧巻はミシェルファイファーの妖艶さ。

物語の後半、老いを感じさせるメイクをあえてしているんですが、それさえ美しい。

 

一番ハッとさせられたのがこの姿。

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シェリと別れ、失意の中旅行に出るレアは、ここでも男たちの注目の的でした。

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この帽子すごくきれいだ 

 

 

 

 

 

本日の昼ごはん

またまたMOURI 作 ラーメン (;^_^A

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本日の夜ごはん

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この日は、集会場で自転車の鍵を落として、探しまくって結局みつからず、

自転車を置いて徒歩で帰宅しました。

 

そんな言い訳をしましたが、手料理らしきものはなし。

こまったものです

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最期にこんなの焼いた⤵ ジンギスカン

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