「常盤台写真場」 写真場とは珍しい名前ですね。
外壁には、、、
TOKIWADAI PHOTO STUDIO と書いてある。
常盤台は、東武鉄道発の住宅開発により分譲された住宅地で、1935年東武東上線武蔵常磐 ( 現在の東武東上線ときわ台 ) 駅の開業を契機とするものだったそうです。
内務省都市計画課のプランに従った道路網や駅前広場、公園は田園調布と並んで郊外住宅地の先駆けとなりました。
その常盤台住宅に写真場が開業したのは、1973年 ( 昭和12 )
今、その建物は写真館としての役目を終えて、移築されました。
昭和初期のモダンなデザインの玄関を上がると、
いいわねぇ、やっぱり古い黒電話。
和洋折衷の建物。
お店の応接間 ( 奥 ) と居間 ( 手前 ) が一枚のドアでつながっている。
どんなにモダンでも、やはり和室は欠かせない。
こちらが食堂と台所。
食堂から振り返ると、双子のような和室が並ぶ。
左側が、老人室---ご隠居さんの和室、右側が居間。
老人室、というのも凄い名称だけど(笑)
素敵なのは、この部屋と子供部屋がドアで行き来できるようになっているの。
ドアを開けると、隣は子供部屋。
ここ、楽しそう。
窓に向かって一枚板が渡してあって、椅子が4脚。
子供たちが並んで勉強できる形になっている。
みんな一緒に机に向かう、、うほほ、
勉強はかどりそう❤
よく見ると、足元にもひと工夫。
風通しの小窓があります。
扉の上にもちょっとした換気窓がありました。
いいねぇ、こういうの。
この頃のお風呂って木戸があるのが普通なんでしょうかね。
小出邸もあったけど www
2階への階段を上がると、高い天井と広々とした空間が広がりました。
なるほど、スタジオは自然光を取り入れているんですね。
屋根の勾配がそのまま天井の傾斜になっていて、
北側にはトップライトが設けられてます。
この造り、彫刻家のお家と同じね。
あえて南側にトップライトを作らないのは、
太陽光が直接入らないように、、なんでしょう。
このライトの形、面白い、いびつです。
ほう。
外から見ると、こうなっているのか。
当時の撮影風景の写真がありました。
建物は今、移築されて「江戸東京たてもの園」にありますが、
ときわ台写真場 ( 写真スタジオ ) は、今も当時と同じ場所で営業を続けているようです。
和洋折衷、店と生活が見事な融合をとげた名建築でした。