Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

広岡浅子の実家-三井家 ( 小石川家 )

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「あさが来た」の主人公-あさのモデルとなったのが広岡浅子。

彼女は数奇な運命を抱え、明治という時代を生き抜きました。

( なんてテレビ調子な台詞だろ )

その原点ともいうべき彼女の実家、三井家について調べてみました。

 

ドラマのあさの父親-今井忠興 ( 升毅 ) は、実在する人間像とは異なります。

何故なら広岡浅子さんの実父は、彼女が9歳の時に亡くなられていたから。

 

実父-三井高益 ( たかます ) はこういう人。

三井高益 (1799年~1858年 )

小石川三井家 第6代当主。

正妻との間に三女一男があったがいずれも早世、高喜を別の三井家 ( 南家 ) から養子に取り、48歳のときに家督を譲った。

浅子は高益50歳のときの娘で別腹の子。

浅子の姉・春も別腹で二人とも母親の名は不明。59歳で没。

 

ドラマのあさは裕福な今井家に生まれ、父と母 ( 寺島しのぶ ) の愛情に包まれて育ちました。

あさの2歳年上の姉-はつ ( 宮崎あおい ) は今井家の長女という設定でしたが、このはつも浅子の母親とは別の人が産んだ妾腹の子だった。

何だか複雑な家庭。

( ドラマでは「はつ」 ) と浅子は、高益の養子として家督を継いだ高喜に引き取られました。

春は養女として、浅子は妹として。

 

2歳だった浅子は、26歳年上の義兄を父親のようにして育ったんですね、

なのでドラマの父親-今井忠興のモデルは高喜だったと思います。

義兄 - 三井高喜(1823年 - 1894年)

小石川三井家7代当主。

号は三郎助。三井の南家より高益の養子となり、家督を継ぐ。28歳のときに、2歳の浅子を義妹として入籍。

春は養女として入籍。

何故高喜は義父がよその女性に生ませた子を2人も引き取ったか

家同士の縁組のために必要だったからと思われます。

春は 天王寺屋に、浅子は加島屋に嫁がせていますが、

浅子の嫁いだ加島屋五兵衛の家は三代に渡り三井家から嫁を娶っています。

 

これは当時よくあった重縁という因習。

家と家を深く結びつける為に行われたようです。

家系図を見てみると、初代正兼も、三井家からあつを、

二代目正方は、三井高経の娘ふきを、そして養子信五郎 ( 三代目 ) も、浅子を嫁にもらっています。 

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浅子が三井家に引き取られた後のレールも既に決められていたということなんですね。

           資料:広岡氏(五兵衛家) - Reichsarchiv ~世界帝王事典~

 

浅子の義兄-三井高喜はこんな人

三井高喜は非常に有能な人物だったようです。

三井総領家 ( 北家 ) の高福と共に、日本初の銀行作りに乗り出して、、

そう、ドラマでも今井忠興が東京に進出して銀行を作っていましたよね。

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この写真の後列の右が浅子の義兄の高貴さん。

その前にいるのが、あの、渋沢栄一さんです。

三井家の面々 が銀行の件で、渋沢さんを訪ねた時の写真らしい。

 

ドラマで銀行作りのことで、あさが渋沢さんを訪ねに行くというエピソードがありましたが、こんなところから来ているのではないかと思います。

 

ところでこの写真の一番右端にいるのは、三野村利左衛門さんと云うんですが、

この人がやり手の大番頭で、彼がいなければ三井グループはないといわれるほどの人物だったようです。 ( ⇐面白そうなのでいずれもっと調べてみます )

 

先見の目があるのでしょう。

渋沢栄一と三井家をとりもったのも三野村さん。

この後渋沢さんを三井に入って欲しいと頼んだそうです。

( 渋沢さんは「1人でやってみたい」と断られたそうです )

渋沢さん、三井入りは辞退したものの、その後も三井家と色々なところでつながっていきます。

 

 

もう一つドラマのエピソードに、

あさが女子の学校を作った時「実家が土地を提供した」という話がありましたね。

目白台にある日本女子大学の敷地 ( 5500坪 ) は元々三井家の土地だったんですが、この土地を提供してくれたのが、義理の甥の三井高景でした。

 

高景は浅子の義兄-高喜の息子。

浅子にとっては26歳年上の義兄よりも義甥の方が年が近かった。

弟のようにかわいがっていたそうです。高景の方も浅子を慕っていて、女子大を作るのに5万円の寄附と土地の提供をしたりと、全力で応援したようです。

義甥 - 三井高景(1850年 - 1912年)

高喜の長男。

浅子と1歳違いで姉弟同然に育ち、浅子からは「愛弟」と呼ばれた。

幼名は弁蔵。小石川家第8代当主となり、号は三郎助。

妻の寿天子とともに浅子の学校設立を支援した 

 

ちなみに渋沢栄一は、浅子が作った日本女子大学の第3代校長にもなっています。

 

話はそれますが、

渋沢栄一が作った富岡製糸場。

  ↓ ↓ ↓

12年後富岡製糸場が赤字でつぶれそうになった時に、政府は民間に売却しようとしましたが、それに猛烈に反対し、富岡製糸場の存続の為に尽力したのは、NHK大河「花燃ゆ」の小田村伊之助後の楫取素彦 ( 大沢たかお ) です。

群馬県令になった楫取は蚕糸の一大生産地となった群馬の産業育成に努め、製糸場の赤字解消に貢献したらしい。

  ↓ ↓ ↓

しかし時代の流れにより状況は変わる。それから9年後。

富岡製糸場は官から民へと移行されることになりました。

その時富岡製糸場の運営に手を挙げたのが三井家。

ここでも渋沢さんと三井が奇妙な糸でつながっていった気がしました。

 

おしまい。

 

以下は、資料です。

 

www.sankei.com

 

 江戸期最強の豪商・三井家一族のお嬢様だった浅子の周辺には、どんな空気が流れていたのだろう。  当時、京都で三井の勢いはたいしたものだったはずだ。三井越後屋といえば江戸日本橋のイメージが強いが、京都は長く一族の拠点だった。  三井の元祖とされる三井高利(たかとし)(1622~1694)は伊勢・松坂(三重県松阪市)の出身だが、52歳で江戸と京都に店を開き、抜群の商才によって驚異的な成功を収めた。主力の呉服業は京都が仕入れ地。高利は65歳で京都に住まいを移し、京都で没している。

www.sankei.com

 

三井氏 (小石川家)

三井高春 小石川家初代

 父:三井高利  生没年 ?  号:宗信  妻:  

 子:高副

   ↓

三井高副 小石川家二代

 父:三井高春  生没年 ?  号:宗全  妻:

 子高長

   ↓

三井高長 小石川家三代

 父:三井高副  生没年 ?  号:宗円  妻:  

 子:高薫。  高典 ( 新町家へ ) 

   ↓

三井高薫  小石川家四代

 父:三井高長  生没年 ?  号:宗中  妻:

 子:三保 ( 夫:三井高経 )

   ↓

三井高経  小石川家五代

 父:室町家三井高興

 義父:三井高薫 生没年 ?  号:宗湛  妻: 三保 ( 父:三井高薫 ) 

 子:男・男・高益 ( 1800-1858 )・ふき ( 夫:広岡正方 )

   

三井高益  小石川家六代

 父: 三井高経  生没年:1800-1858 号:宗和  

 妻:孝

   男・娘・娘・娘

 妻:貞

   1823-1894  ( 高喜 )

 女

   1846-1872 春 ( 夫天王寺屋五兵衛 )

 女

   1849-1919 照⇒浅子 ( 夫:広岡信五郎

  

三井高喜  小石川家七代 1885 三井銀行総長

  生没年:1823-1894

  父:三井高英 ( 南家から ) 

  義父:三井高益

  通称:三郎助 号:宗喜

  妻

    1850-1912 高景

    高明 ( 本村町家へ )

    高復 ( 松坂家へ )

  

三井高景 小石川家八代  1892 三井鉱山社長 正五位

  生没年:1850-1912

  父:三井高喜

  幼名:弁蔵 通称:三郎助

  妻:高木ステ⇒寿天子 ( 父:高木五兵衛 )

    男

    男

    1886-      多都雄 ( 夫:高木舜三 )

    1892-1962 高修

    1893-         高逹 ( 妻:松坂家三井清子 )

    1895-         美佐雄 ( 夫:小田川逹朗

  

三井高修 小石川家九代 1941 三井化学工業会長 1943 三井石油合成社長

   父:三井高景

   妻:島津広子 ( 弟:男爵 島津長丸 )

     1920-1965 高進

     1921-         孜

     1922-         寿美子

     1923-         治

     1930-         多寿子

     1934-         護

     1937-         多美子

  

三井高進 「ディズニーの国」編集長

   生没年:1920-1965

   父:三井高修

   妻:植竹たみ子 ( 父:植竹春彦 )

三井家 ( 小石川家 ) 「世界帝王事典」~家系リストより

三井氏(小石川家) - Reichsarchiv ~世界帝王事典~